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沖縄県民の私としては「黒砂糖は体にいい」と言いたい所ですが・・・

砂糖がどうして体によくないのか。前編では、血糖値を上げやすく、または腸内環境を崩しやすく、そこからさまざまな病気を引き起こすことを話しました。

後編では、①老化の進行 ②砂糖依存症の症状 ③砂糖で失われる栄養素、という話をしました。

今回は、前後編でも話しきれなかった3つのテーマ
①黒砂糖だったらよいのか
②絶対に避けてほしい砂糖入り食品 
③「砂糖の消費量は減っている」のカラクリ

これに関して解説します。

黒砂糖だったらよいのか

「白砂糖は体に悪いけど黒砂糖だったらいいんでしょ」という声を本当によく聞きます。
沖縄在住の私としては「そうですよ」と言いたいところなんですが、残念ながらそうでもないんです。

白砂糖と黒砂糖の成分表を見てください。

まず右側の白砂糖を見ると、100g当たりの糖質が100gと表記されています。
その下、カリウムなどのミネラルがごくわずか残っていますので、正確には99,8gですが、ほぼ100%が糖質であることには変わりありません。

では黒砂糖を見ていきましょう。89,7gほぼ90gです。
残りの10gをカルシウム、鉄、カリウムなどのミネラルが占めています。

ですから、白砂糖に比べれば黒砂糖の方が栄養価に優れていることは間違いありません。
とはいえ、約90%が糖質です。

黒砂糖の90%、白砂糖の100%を占める糖質をショ糖(蔗糖)と言います。
この蔗糖こそが、前後編でお伝えしたさまざまなデメリットを招く元凶です。 

とくに蔗糖は、悪玉菌(クロストリジウム)のエサになって腸内環境が乱れる原因になります。
このことから、黒砂糖だったらパクパクいくらでも食べていいということには、全くなりません。

私も、料理で砂糖を使う場合には、写真のような粉の黒砂糖を使っていますが、それ以外にコーヒー紅茶等に砂糖を入れることはありません。

また、沖縄ではスーパーやコンビニに並んでいる黒砂糖菓子。
これがじつに美味しいのですが、たま〜に程度にとどめています。

「黒砂糖だったらいいんでしょ」と思っていた方は、考えを改めてください。

絶対に避けてほしい砂糖入り食品

まずこちらの図を見てください。

嗜好飲料500mlに含まれる砂糖の量を示したもので、何本と書いているのは、スティックシュガー5gの本数です。

これを見ると、冷たいドリンク全般に多くの砂糖が使用されていることが一目瞭然です。
とりわけ炭素飲料の砂糖使用量がダントツで多いことがわかります。 

その理由の一つとして、炭酸だけだと若干の苦みがあるので、その分多めの砂糖を入れなければ甘みを感じにくい、ということが挙げられます。

もう一度見てください。
炭酸飲料500mlのペットボトル1本飲んだだけで、1本5gのスティックシュガー13〜15本分、65〜75gの砂糖を体に入れてしまうという事実を今一度認識してください。

後編の記事で、砂糖から摂取する糖質は、本来は必要がない余分な糖質であって、それを代謝するために体は栄養素を無駄に使ってしまう。
その代表がビタミンB群、とくにB1である、という話をしました。

つまり、炭酸飲料を日常的に飲んでいると、B1をはじめとしたビタミンB群が枯渇しやすくなります。
するとエネルギー代謝が滞る、わかりやすく言うとだるくなる、力が出ないということになります。

さて、こういったキーンと冷えた炭酸飲料、一体いつ飲みますか? 
おもに夏ですよね。

そうなんです。

ただでさえ夏バテ気味の暑い季節に冷たい炭酸飲料をゴクゴク飲むと、スカッとするのは直後だけで、その後余計だるさを感じるようになります。
というよりも、夏バテの大きな原因はこれかもしれません。

「砂糖の消費量は減っている」のカラクリ

グラフを見てください。
1人当たり砂糖の年間消費量を表したグラフです。

これを見ると、1975年から40年余りかけて、砂糖の消費量が4割前後減っているのがわかります。
であれば、何もこういう記事を何本も書いて警鐘を鳴らさなくてもいいのではないか、とも思いたくなります。

しかし、この数字にはカラクリがあります。

一つは異性化糖です。
異性化糖とは、ブドウ糖(グルコース)と果糖(フルクトース)を主成分とする液状糖のことです。

先ほど出てきた蔗糖は、ブドウ糖と果糖が一つずつ結合した構造を持つ二糖類です。
異性化糖は、その2つをつないでいる架橋を分断してブドウ糖と果糖に分解しているだけです。

なぜ分解するのかというと、蔗糖1分子で感じる甘さよりも果糖1分子+ブドウ糖1分子の甘さの方が大きいからです。
これを甘味度といって、蔗糖の甘みを100とするとブドウ糖は約70、果糖は約170になります。

さらに、60℃程度で酵素を用いて、ブドウ糖の一部を果糖に変化させます。
ブドウ糖を果糖に変化させる処理を異性化といいます。

そこから異性化糖という名前がついています。
異性化糖は、異性+化糖ではなく、異性化+糖です。

蔗糖1分子よりも、これを果糖とブドウ糖に分けて、さらに一部のブドウ糖を果糖に変えた方が、はるかに甘みが強くなるワケです。

異性化糖には数種類ありますが、その代名詞であり圧倒的に多いのがブドウ糖果糖液糖、次に多いのが、果糖ブドウ糖液糖です。
2つの違いは果糖の含有率の違いです。

ブドウ糖果糖液糖を始めて聞いたという人は、おそらく加工食品の原材料表示を全く見ていない可能性があります。
あらゆる食品に入っていますので、一度確認してみて下さい。

問題は、異性化糖は液糖の形で摂取するため、砂糖よりも速攻で吸収されて、砂糖よりも急激な血糖値の上昇を招きます。

すると、【前編】で書いた糖尿病のリスク、【後編】で書いた老化のリスク(AGEs終末糖化産物が激増)が輪をかけて高くなります。
ここが異性化糖の要注意ポイントです。

もう一度グラフを見て下さい。

このグラフは、先ほどの砂糖に異性化糖を加えた消費量の変化を表したものです。すると、

1990年までは緩やかに増加して、その後減少に転じていますが、合わせるとそこまで減っていないのがわかります。

人工甘味料

けれども、「1990年以降はやはり減っているではないか」と突っ込む方もいるかもしれません。そこに、2つ目のカラクリがあります。

ここで人工甘味料が登場します。
とくに注意すべき人工甘味料は、アスパルテーム、アセスルファムK(L-フェニルアラニン化合物)、スクラロース、この3つです。

とくに砂糖の含有量が多い炭酸飲料には、例えば砂糖ゼロ、糖質ゼロを売りにしたコカコーラゼロやペプシゼロという商品もあります。
が、原材料を確認すると、案の定、今挙げた人工甘味料が使用されています。

コーラに限らず「ゼロ」「オフ」「カット」「フリー」など、一見すると体によさそうな言葉にこそ、注意が必要です。

まとめ

砂糖について、【前編】【後編】【続編】の3本の記事で解説しました。

砂糖の摂取をゼロにすることは、私を含めて現実的ではありません。
私だって、チョコレートやスイーツも食べます。

大切なのは、知識を得た後、少しでもセーブする、減らす方向に持っていくことです。
ぜひ、今日から実践してください。


今回は、3つのテーマについて解説しました。

①黒砂糖だったらよいのか

黒砂糖も約90%が糖質であり、蔗糖です。
蔗糖は悪玉菌のエサになるほか、さまざまな不調の原因になることがわかっています。

白砂糖よりはマシというだけであって、黒砂糖だったら体にいいということにはなりません。

②絶対に避けてほしい砂糖入り食品

冷たいドリンク、とりわけ炭素飲料の砂糖使用量はダントツです。
炭酸は若干の苦みがあるので、その分多めの砂糖を入れていることが考えられます。

③「砂糖の消費量は減っている」のカラクリ

砂糖の消費量はここ40年余り減り続けていますが、その分、砂糖よりも急激に血糖値を上げる異性化糖が加わっています。
さらに、有害性が疑われている人工甘味料もさまざま商品に含まれていますので、砂糖と同じく、あるいはそれ以上に注意が必要です。

この記事の内容については動画もアップしています。合わせてご覧ください。


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