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納豆の栄養素はタンパク質、ビタミン、ミネラルだけでは全然ない

納豆は、
タンパク質、ビタミン、ミネラル、レシチン
など、栄養豊富な超健康食品です。

しかし、それだけではありません。

納豆菌、ナットウキナーゼ、ジビコリン酸
など、予防に働く成分。
ポリグルタミン酸という美容にも強い成分。

納豆にしかない貴重な栄養素がたくさんあります。 

今回は【納豆】の後編、これらの栄養素について解説します。
(記事の文末に動画を貼っています)

権威ある学術誌の論文にも

2020年1月、BMJという権威ある学術誌に、納豆や味噌の健康効果に関する論文が発表されました。
これは、国立がん研究センターの研究チームによる論文です。

調査開始時に45歳から74歳だった男女約9万人を、約15年間追跡した大規模調査です(信用度はかなり高い)。

論文の内容は、

(普通の)大豆食品と発酵性大豆食品である納豆や味噌の摂取量と死亡リスクとの関連を調べた結果によれば、納豆や味噌を1日50g以上食べると死亡リスクが10%低くなる

可能性があることが判明しました。
また同研究によれば、

納豆を1日半パック食べる人は、もっとも食べないグループより、脳卒中や心筋梗塞などの循環器死亡リスクが約20%低かった

という結果が出ました。

ただ、同じ大豆食品である豆腐では、そのような結果は見られませんでした。
それほど、発酵食品はスゴいということです。

腸内環境を改善する納豆菌

納豆菌は善玉菌の一つで、腸内細菌バランスを整えて腸内環境を改善します。

皆さんは、このような納豆を実際に見たことがありますか。

納豆は元々、このように稲藁で包んで保存していました。
この稲藁に大量の納豆菌が含まれるために、納豆には納豆菌が豊富だということで注目されました。

現在流通している納豆の99%以上は、発砲スチロールか紙製です。
製造時に人工の納豆菌が混入されています。

けれども人工の納豆菌も天然の納豆菌も、その効果にほぼ変わりません。

納豆菌のスゴさを3点、列挙します。

①胃酸にも強く、腸までしっかり届くこと

乳酸菌は胃酸で殺されて腸まで届かない、ということをよく聞きます。
納豆菌は生命力が強く、そのようなことはありません。

②同じ善玉菌である乳酸菌やビフィズス菌を増やす

ビフィズス菌が含まれる食品は、メーカーが添加したヨーグルトくらいです。
そこで、納豆菌の力でビフィズス菌を増やすのは有効です。

③腸内でビタミンKとビタミンB群を増やす

脳梗塞と心筋梗塞を予防するナットウキナーゼ

ナットウキナーゼは、血液が固まった状態になる血栓を溶かしやすくする働きがあります。

血栓が末梢血管を塞いで、臓器障害を引き起こす病気を血栓症といいます。

よく知られているものに、脳梗塞、心筋梗塞があります。
ナットウキナーゼは、脳梗塞や心筋梗塞など血栓症の予防効果があります。

血栓は深夜から早朝にかけて出来やすく、未明から明け方にかけて脳梗塞や心筋梗塞のリスクが高くなります。

ナットウキナーゼは、食後約4時間で効果を発揮し始め、8時間ほど持続します。
逆算すると、脳梗塞や心筋梗塞を防ぐためには、納豆を食べる時間帯は、3食のうち夕食がよいと考えられます。

ストレスの多い人、血圧が高めの人、脂質異常症や糖尿病などで血液粘性の高い人には、特にナットウキナーゼの積極的な摂取をお薦めします。

ナットウキナーゼには、今挙げた発症因子である高血圧を予防する効果や、コレステロール値を下げる効果もあります。

ウイルス、細菌、ガン細胞と闘うジビコリン酸

大豆が納豆菌によって発酵することで生み出す成分の一つに、ジビコリン酸という物質があります。

ジビコリン酸には、
①細菌とウイルスの感染に対抗する強い作用
②ガン細胞を自殺させてしまうアポトーシス作用

があることで注目されています。

抗菌実験では、次の結果が得られています。
「何も添加しないシャーレでは、雑菌のコロニー(雑菌の集まり)が数多く見られたのに対して、ジピコリン酸を納豆と同じ濃度で添加した場合にはコロニーが見られなかった」。

ジビコリン酸は、病原菌の増殖も抑えます。
人間への作用としては、病原性大腸菌O-157への抗菌効果が認められています。

ポリグルタミン酸 が持つ美容・美肌効果

ポリグルタミン酸は、納豆のネバネバの主成分で、アミノ酸のひとつであるグルタミン酸が鎖のように結合したアミノ酸化合物です。

ポリグルタミン酸はデトックス効果が高く、腸管で老廃物など体にとっては毒素といえるものの排泄を促進します。

ポリグルタミン酸は、肌に対する美容効果が高いことでも知られています。
納豆石鹸や納豆ローションといった、ポリグルタミン酸を含んだ商品も存在します。

ポリグルタミン酸の大きな特徴は次の2つです

①皮膚表面に膜を作り、肌を守る。  
②肌の内側の細胞を活性化させて、肌が本来持っている保湿機能を高めてくれる。

肌荒れや乾燥肌で悩んでいる人も、肌の機能が回復してくるはずです。

まとめ

今回解説した納豆に含まれる4つの栄養素

①納豆菌

腸内細菌バランスを整えて腸内環境を改善します。
また、同じ善玉菌である乳酸菌やビフィズス菌を増やします。

②ナットウキナーゼ

血液が固まる血栓を溶かしやすくする働きがあります。
それによって、脳梗塞や心筋梗塞など血栓症の予防効果があります。

③ジビコリン酸

細菌とウイルスに対抗する強い作用があります。
ガン細胞を自殺させてしまうアポトーシス作用も注目されています。

④ポリグルタミン酸

皮膚表面に膜を作って肌を守り、また肌が本来持っている保湿機能を高めてくれます。

この記事の内容については動画もアップしています。
合わせてご覧ください。


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