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眼のビタミン+ウイルス防衛線の役割を果たすビタミンAの話です

ビタミンAは、ビタミンCやビタミンE、近年注目のビタミンDに比べると、やや地味な存在に写ります。
しかし、◯◯◯禍においても重要な役割を果たした、免疫に関わる重要なビタミンです。

今回は、
ビタミンAにはどのような役割があるのか。
どのようにウイルスと対抗するのか。
ビタミンAは何の食材からどのくらい摂ればよいのか。

以上3点について記してみます。
(記事の文末に動画を貼っています)


ビタミンAはどんな栄養素?

ビタミンAの役割 でよく知られているのは
「不足すると暗い所で目が見えにくくなる」。
別の言い方では夜盲症です。

ビタミンAは、眼の中で光を感じ取るロドプシンという物質の合成に欠かせません。

ビタミンAが不足すると、夜盲症だけではなく、
ドライアイ、加齢黄斑変性
老眼、角膜軟化症

などのリスクも高くなります。

このことからビタミンAは「眼のビタミン」とも言われます。

ビタミンAは、細胞の成長と分化にも欠かせません。
分化というのは、単純な細胞が複雑な細胞に変容していくこと。

ビタミンAは、子どもの発育にとって大切なビタミンです。

昭和20年代から30年代に幼少期を過ごした方は、肝油ドロップの記憶があるかもしれません。


肝油ドロップには、ビタミンA(+ビタミンD)がたっぷり含まれています。
食糧難の時代、発育不全にならないように、国か自治体の政策として配布されていたのでしょう。

ビタミンA vs ウイルス

ビタミンAがウイルスと対抗するのは、ビタミンAが粘膜を強化するからです。
粘膜は鼻、口、喉の奥、肺につながる気管、気管支など、体のあらゆる所に存在します。

体がウイルスに晒される最初の防衛ラインが粘膜。
ここで少しでも撃退することが重要です。

具体的には、粘膜からIgA抗体という武器を出してウイルスと闘います。
ビタミンA不足では、粘膜で充分なIgA抗体が作れません。
これがビタミンAとウイルスとの関わり一つ目です。

もう一つ、ビタミンAはウイルスが体内に侵入した時に、闘う免疫システムを活性化します。

体の中でウイルスと闘うのは白血球です。

白血球もまた細胞です。
白血球という細胞を成長・分化させて、パワーアップするのがビタミンAです。

2つの面から、ビタミンAはウイルスに有効と考えられます。

ビタミンAはレバーから

ビタミンAが圧倒的に多く含まれるのがレバーです。
ただし、鳥と豚のレバーには豊富ですが、牛レバーは少なくなります。

鳥レバー100gには成人に必要な10日から15日分のビタミンAが含まれています。月に2〜3回食べればいいことになります。

レバーは、ビタミンAだけではなく、
ビタミンB2、ナイアシン
パントテン酸、ビタミンB6
葉酸、ビタミンB12

も多く含む食品です。

ミネラルでは(鉄分)、吸収率が高いヘム鉄です。
鉄以外では、亜鉛、セレンが豊富です。

ビタミンAの過剰摂取には注意!

鳥レバー(100g)であれば、月に2〜3回食べれば必要十分なビタミンAを摂取できます。

しかし、それ以上食べると、今度は過剰摂取を起こします。
ビタミンAは欠乏だけではなく、過剰摂取にも注意が必要です。

ビタミンAの過剰症には、
めまい、吐き気、頭痛、下痢
などが挙げられます。

そして、最大限に注意すべきは・・・

妊婦さんがビタミンA過剰症を起こすと、
奇形のリスクがあります。
ビタミンAが持つ「細胞の成長・分化」の作用が効き過ぎてしまうためです。

妊婦さんのビタミン A過剰摂取は、絶対に避けなければいけません。
基本的には、レバーの食べ過ぎを注意することです。

レバーに次いでビタミンAが多いのはウナギです。
が、ウナギを頻繁に食べられる人って普通はいないでしょう。

レバーとウナギ以外では、
穴子、卵、バター
などにビタミンAが、

人参、カボチャ、ピーマン、ほうれん草
ブロッコリー、ケール、紫蘇、パセリ
モロヘイヤ、バジル、春菊

βカロテンが含まれます。

βカロテンは、体内でビタミンAが不足した場合、その不足分だけビタミンAに変換されます。
ですから、βカロテンの過剰摂取は心配ありません。

それでも、不足しがちな人は、サプリも選択肢の一つです。


まとめ

ビタミンAが不足すると
「暗い所で目が見えにくくなる」
夜盲症をはじめ、
ドライアイ、加齢黄斑変性
老眼、角膜軟化症

などを発症しやすくなります。

このことから、ビタミンAは「眼のビタミン」とも言われます。

ビタミンAは細胞の成長と分化にも欠かせません。
ビタミンAは、子どもの発育にとって大切な栄養素です。

逆に、妊婦の方のビタミンA過剰症は要注意です。
細胞の成長が促進され過ぎて、奇形のリスクがあるからです。

ビタミンAがウイルスと対抗するのは、ビタミンAが粘膜を強化するからです。
粘膜は、体がウイルスに晒される最初の防衛ライン、ここで撃退することが重要です。

ビタミンAは、ウイルスと闘う免疫システムである白血球を活性化します。
白血球という細胞を成長・分化させて、パワーアップするのです。

ビタミンAが圧倒的に多い食品はレバー
とくに、鳥と豚のレバーです。

鳥レバー100gを月に2〜3回食べれば、必要十分なビタミンAを摂取できます。

レバーは、ビタミンA以外にも、
ビタミンB群や鉄(ヘム鉄)、亜鉛、セレン
がじつに豊富です。

レバー以外では
鰻、穴子、卵
などにビタミンAが含まれます。

さまざまな野菜に含まれるβカロテンは、体内でビタミンAが不足した場合、その不足分だけビタミンAに変換されます。

この記事の内容は動画もアップしています。
合わせてご覧ください。


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