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カボチャの栄養価はスゴい!

夏野菜の定番、カボチャにはどのような栄養素が含まれているのか。
その栄養素を満遍なく摂取する方法、および効率よく吸収する調理方法について解説します。
(記事の文末に動画を貼っています)

βカロテン、ビタミンC&E

カボチャの果肉の黄色い色素は、βカロテンです。

カボチャは、ニンジンと並んでβカロテンの貴重な供給先です。
100g当たり4000μgのβカロテンを含みます。

これは、ピーマンの10倍、トマトの8倍に相当します。

ビタミンは、ビタミンCとビタミンEが豊富です。

ビタミンCは100g当たり43mg、ビタミンEは100g当たり約5mg含みます。
βカロテン同様に、貴重な摂取源です。

カリウム、カルシウム、マグネシウムと・・・

ミネラルでは、圧倒的に多いのがカリウムです。

カリウムは、ナトリウムを排出して血圧を下げる働きがあります。
血圧が高めの人には欠かせません。

カボチャには、キュウリの2倍以上、スイカの3倍以上のカリウムが含まれます。

それ以外にはカルシウム、マグネシウム、もう一つ大切なミネラルを含みますが、それについては後ほど説明します。 

糖質が比較的多いので、食べすぎには注意が必要です。

無駄のない摂り方

βカロテンとビタミンEは、油に溶けやすい脂溶性の性質を持ちます。
この2つを効率よく吸収するためには、油と一緒に摂るのがベターです。

炒めたり、素揚げなどのレシピがありますが、実際には煮物か蒸すことが多いのではないでしょうか。
その場合は、その食事の別のメニューで油を摂るように意識してください。

煮物の場合には、水溶性ビタミンであるビタミンCとカリウムが、煮汁に流れています。
煮汁は、必ず飲み干してください。

さて、先送りした「もう一つのミネラル」、それは亜鉛です。
亜鉛は味覚のミネラル、性のミネラルに留まらず、免疫や代謝のあらゆる場面に関わる、きわめて重要なミネラルです。

種こそ栄養の王様

亜鉛はカボチャのどこにあるかというと、です。
カボチャに限らず、種は次の生命となる源ですから、果肉よりも栄養が豊富なのは当然です。

カボチャの種も、漢方薬に使われるほど栄養が詰まっています。
種には亜鉛以外にも、鉄、ビタミンB1、B 2、ナイアシン、またはオメガ3、6、9の脂質がバランスよく含まれています。

カボチャの種には、リグナンというポリフェノールも含みます。
リグナンには抗酸化作用や炎症を抑える働きがあり、女性ホルモンのバランスを整える作用があります。

ぜひ種を食べていただきたいのですが、カボチャの種は“おかず”というよりは“おやつ”として、またはサラダのトッピングとして食べてください。
調理法は、ローストする、フライパンで炒る、オリーブオイルかココナッツオイルで炒めるのがお薦めです。

唯一の注意点

くれぐれも生で食べないでください。
生の種子には、トリプシンインヒビター(トリプシン=膵臓から分泌されるタンパク質分解酵素、インヒビター=阻害物質)という物質が残っています。

消化酵素の働きを邪魔されると、膵臓は頑張って頑張って消化酵素を出し続けて、最後には疲弊してしまいます。
したがって、生の種子を長期にわたって食べ続けると膵炎、最悪の場合には膵臓ガンを引き起こす可能性があります。

トリプシンインヒビターは、加熱すれば失活します。
必ず、加熱して召し上がってください。

皮を除いてはいけない

稀に、皮を除いて柔らかい果肉だけ食べる人もいますが、栄養学的にはもったいない話です。

皮も、果肉よりもβカロテンが2倍以上など栄養が豊富です。
ぜひ捨てずに皮ごと食べてください。

カボチャは、丸いままであれば2〜3か月は保存可能ですが、あまり長期間置いておくと果肉が水っぽくなります。
カットされたものは、種とワタを取り除いて冷蔵庫で保管してください。

まとめ

カボチャの栄養素を代表するのは、βカロテンです。

それ以外には、ビタミンCとビタミンE、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどの栄養素があります。

種には亜鉛をはじめ、鉄、ビタミンB1、B 2、ナイアシン、オメガ3、6、9の脂質、およびリグナンというポリフェノールを含みます。

βカロテンとビタミンEは脂溶性ですので、油と一緒に摂ると吸収率が上がります。

ビタミンCとカリウムが煮汁に流れていますので、煮汁は必ず飲み干してください。

栄養価の高い種は、ぜひ食べていただきたいのですが、生で食べると膵臓に重い負担がかかります。
必ず、加熱して食べてください。

この記事の内容については動画もアップしています。
合わせてご覧ください。


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