大切なヒトと、ずっと一緒に生きるために大切なこと

『バツ2のお前が愛を語るなw』って声が聞こえそうですが、むしろバツ2だから語れる愛のリアルもあるっ…開き直って記事にします。

僕の実体験をベースに話を進めていきます。
(プライバシーに触れそうな内容は控えてあります)


そもそもクソ野朗な僕

10代からシングルになった期間は殆ど無い人生。営業マンの血筋と少女マンガで育った事が幸運だったようです。そんな僕は恋愛を真剣に考える事は特になく「それぞれ良いところが違うから、全員と付き合う」という、頭がおかしいとしか思えない恋愛スタンスの10代。

Aちゃんは会話が合って楽しい
Bちゃんは笑顔にキュンとくる
Cちゃんはスタイルが好き
Dちゃんは空気感が合って心地よい
Eちゃんはエッチの相性が最高

だから全員と付き合う…そんな感じでした。本当にごめんなさい。。。


若い頃は色々あって、鬱になったりしたわけですが、結果的にヒモで生活を数年続けるんですね。そうすると、ますます恋愛はゲームでありビジネスになっていくんです。そんな生きる努力をナメきったダメ男が社会に出るきっかけとなったのは、とある女性との出会いがきっかけでした。

そして、いい歳こいて愛を語るのは『愛を見つけ愛を育て愛することに盲目になり愛を失った』からです。



やっと気づいた僕の天使

ヒモ生活を続けたある日、僕の心身を支え続けてくれたとある女性が仕事帰りにウチに立ち寄ったのはいいけど、僕のベッドでバタンキューな感じで寝ていた。口を大きくあけっぱなしにして、僕の枕に大きなヨダレの染みを作って。。。

その姿を見たときに、胸が苦しくなって切なくなって、こう感じたのを今でも鮮明に覚えている。

『あ…僕が今度はこの子を支える番だ。ごめん…ありがとう』

ドラマチックなきっかけとか、そんなのはなく、突如として降り注いだ愛おしいという感情。きっと彼女との日々の積み重ね、自分がしてきたことへの罪の意識、現実と目の前から逃げ続けた自分のカッコ悪さ、そういうのが全て混ざり溶け合って一つの答えになった。きっと、そんなところだろう。
何よりも乙女チックなところがある彼女が大口をあけてヨダレを垂らして寝ている姿が衝撃だった。

いずれにせよ『愛おしい』という感情を、この時に生まれて初めて感じました。
25歳の出来事です。



僕の大切なお姫様

あの日以来、変わらず愛おしさを感じている。何をしていても愛おしい。歩く姿だけでも愛おしい。でも自分の想いや感情を、どう表現・体現していいかわからない。ただ今までの事を謝り、自分が変わることを話し、仕事に就くことも約束した。でも、それだけ。まずは『当たり前をできるようになる』が最初の約束

町のゴロツキが騎士になるべく姫君に最初に誓ったのはこんなことからだった。



両親へ血意表明(誤字じゃないよ)

そこからはの僕は騎士(ナイト)になるべく様々な汚い鎧を脱ぎ捨てていった。くだらないプライドも全部。そして脱ぎ切ったあと正月明けの5日に彼女の両親にアポイントを取り、挨拶に行くことにした。ご両親は全てを知っているであろうから、なんて言えばいいかは全く想像できない。正直にいうと超不安。
考えても仕方がない事なのでシンプルに在るとだけ、僕は決めた。

『想い、気持ち、考えていることをまっすぐに話す』

僕が伝える決めていたことはこれだけ。

『娘さんと結婚がしたい』
『今の時点で僕は娘さんに見合うような男ではない』
『社会に出て社員として一定以上の収入を得るようになる』
『そこまで辿り着いたら、改めてご挨拶に来ます』

ご両親から頂いた言葉は
『工藤くんは本来ハングリー精神を強く持っている。一生懸命にがんばりなさい。待っていますよ』

女性関係に限らず、本当にクソ野朗人生だったので、ここまでの人生で相手の親から塩を撒かれることはあっても、こんな風に言われた事はなかった。辛い時、逃げたい時、挫けそうな時、今なお僕を支えてくれている言葉です。



ダメんず、社会に出る

プログラムもサーバーも分かるヒモという特殊経歴を活かし、派遣会社にエンジニアとして登録。仕事は当日中に、とあるプロジェクトのPMという仕事をアサインされました。『お任せください。やり遂げる自信はあります。キリッ』と言ったものの、社会に出直したばかりの僕の仕事は「PMってなんだ?」って調べるところから始まったのです。(ちなみに、この時に『アイ君』と出会ったのです)

(関連記事:PGW誕生にまつわるエトセトラ ①原体験)

このPMの仕事以降、営業マンに転身し、営業の枠を超えた仕事から様々な知識と技量を身につけていきました。営業、PM、SE、PG、サーバー設計…収入も増えて行きました。ご両親への宣言からここまで1年。とにかく突っ走りました。

幸いなことに尊敬できる人に出会い(後の営業時代のボス)営業で半年も売上ゼロでもじっくりと育ててくれたおかげで今の僕があります。

そんなこんなで営業でも数字を上げ始めた頃、思いのほか早く正社員登用の話になり、僕は社会でやって行ける自信と根拠を手にしました。

『よし、彼女にプロポーズをしよう』

いま思えば、彼女にプロポーズもしないまま、両親に挨拶に行ってたわけです。
自信家というか何というか…ここで振られたらどーすんだ?



夢は僕が叶える

結婚に向けて、一定の収入と正社員という立場を得た以上に、社会でやっていける自信がついた僕は、とある週末、彼女の実家におじゃました時、子ども時代のアルバムを見ている彼女に質問をしました。彼女の回答した事を必ず実現させると覚悟を決めた上で。

『ねぇ●●。この子が、この頃に、思い描いた大人の世界って、どんな世界?』

『えー、なんかちょっと恥ずかしいんだけど…大人になったら毎年お城で舞踏会が開催されてダンスをしたりするって思ってたり、ちょっとお伽話っぽい世界だよー』

思った以上にハードルは高かったけど、それが、この子が思い描いた大人の世界なら叶えると決めたと同時に僕は自分の夢が明確になった。

『僕が、その世界に君を連れて行く』



苦楽はあれど幸せな日々

その1年後に僕らは結婚して、新居としてマンションを購入し、結婚生活が始まりました。彼女のプライベートなどもあるので詳細は割愛しますが、苦しい時もありました。でも当時はもちろん、いま思い返しても幸せな日々でした。

ココを濃密に描くと泣きそうなので割愛っ。



僕らの国づくり

人材派遣会社で正社員で働き、営業として力を伸ばして行く中で、僕は募らせていた思いを爆発させ会社を辞めて会社を創った。もちろん夢は忘れていないし、僕の姫君を、僕が死んでも周囲が守ってくれる環境を残しておきたいと考えるようにもなっていた。

僕は社員の未来を創ることで、その両立を取って行く。『一生働ける会社。一生つるめる仲間がいる会社創り』がビジョンとして固まっていった。

会社を創って軌道に乗せるための2年が終わると同時にリーマンショック。リーマンショックを乗り越えても好況感は出ず、常に必死に考え動き続けた。
採用活動も営業面も教育も、何もかもが試行錯誤。経営、営業、財務、様々な計画と実行、社員のケアで日々が過ぎ去って行く中でも、一緒に仕事をするようになった彼女が横にいることが、どれほどの支えとモチベーションになったことか。そうやっていくつもの危機を乗り越えて会社は徐々に大きくなっていった。



騎士はいつしか怖い王様になっていた

会社経営をして行く中で、僕自身が気づかないうちに、彼女に対する甘えが強くなっていた。「僕の考えることはわかってて当然」そんな感じの甘え。だから彼女がズレた事を言ったりやったりする度に、責める言葉も強くなっていたのだが、その時の僕自身は全く自覚をしていなかった。
少なくとも彼女の中で少しづつ「肯定されない悲しみや不安」を募らせていったのではないかと、いま思い返しても胸が痛みます。



押し付ける愛のカタチ

僕は彼女の安心と安全、そして未来のために頑張っている。これはウソではない。ただし彼女から求められている事ではなかった。それに気づかないまま走り続けたうえに、前項の甘えをぶつけてきた僕は、きっと自分の愛情と勝手に決めた覚悟の価値を彼女に押し付けているだけだったのだ。そのことに気づかない僕の言動は、ますますエスカレートしていった。。。



怯えるお姫様

彼女から、ある晩に唐突に言われた。
『たーくんを一人の男性として見られない』
今となっては自分の至らない点が言わせて言葉だと分かっているけど、当時の僕にとっては強烈に胸に刺さり、僕のココロに大きな亀裂をつくった。

『彼女の今を未来を、僕の死後さえも守れるように必死に頑張ってるのに何故だっ』


怯える王子様

あの日、あの夜から僕の中で色々な前提が壊れていった。それでも愛を無くしたのではなく、愛ゆえの苦しみと葛藤の日々。生来意地っ張りで変なところでストイックな僕は…
・それでも夢を叶える(子どもの頃にイメージした大人の世界)
・僕が死んでも彼女が困らない環境を創る(仕事と人々の環境)
・望む社員は歳をとっても働ける会社と環境を作る(彼女と共に生きる人のための環境)
これらの実現に集中し、外で過ごす時間も増やし、一気に会社の成長と環境整備と構築に時間を注ぐようになった。これがより多くのすれ違いを生むことになるとは全く理解もせずに。

ただ、本質的な問題に気づいていない僕は僕で不安だった。いつ終わるともしれない結婚生活をイメージしたあの夜から。本当に終わる日までの間ずっと。



向き合わず歪み続けた僕

本当は早期に「何が彼女に、あんな事を言わせたのか」向き合って考え、彼女と話し合うべきだったが、彼女のために(今となっては自己満)残すべきものを残す早期結果に走った僕に、もはや精神的な余裕はなかった。強くタフな自分を演じ、走れば走るほど見えづらくなる周囲の状況。見えていないから発生する問題。それを解決するために更に走る自分。そうまでして急げば急ぐほど悲しみは、あんな事を言った彼女への怒りというか不満に転換されていくという歪みを発生させていった。

『これほど頑張ってお金も生活も将来も問題ない環境を手にしているのに、すぐに女性関係を疑い探るような言い方をしてくる。なぜアイツは僕の努力と想いをわかってくれないんだっ』

ここから先は、不満と不信と不安で視界は針の穴ほどのなっていき、外に心の行き場と逃げ場を求める様になっていった。様々なことにウンザリだった。

もう戻れない。もう戻らない。本当は戻りたい。でも戻れない。



そして終焉に向かい動き出していった

2017年6月の終わりに仕事の忙しさを理由に実家からオフィスに通うようになった彼女。そこから様々なことがあり、離婚に至り、現在に至っています。僕にとっては晴天の霹靂でした。思い返せば、ここまでの流れはどう考えても破滅に向かっていたけど、ここまで全く自分の歪みに気づかなかった。



語らぬ愛は自己愛で終わる

ここまでの話でも露骨にわかりますが、とにかく僕は「愛情を言葉にしていない」「相手と会話(方向のすり合わせ)をしてきていない」のです。愛情は間違いなく深く、そのエネルギーも大きく持っていました。それは間違いありません。しかしエネルギーを使って進む方向やペースなど僕一人で進んでいるだけでした。彼女は必死についてきていただけです。でもそれを「同じ方向、同じペース、つまり全て分かって問題なくついてきている」と勘違いしていました。
そしてもっと早くに気づき会話を重ねていき、想いを言葉にしていけば…未来は変わらなかったとしても、ここまで相手を傷つけることもなかったと思います。



失った今

綺麗事をいえば遠くから見て、見えないところで守り支える。こはこれで幸せです…なんてわけないです。無いよりマシなだけです。本当は今でも悲しいです。

そして、この約2年の間に何人かの女性からアプローチをいただきました。アプローチを頂いたり、告白を受けること自体は、とてもありがたいことです。しかし僕が欲するヒトはただ1人のヒトなので、このこと自体に人生においてどれほどの価値があるのだろうか?改めて想うのです。

『何人からモテようとも、最愛の1人からの愛に勝る価値はない』

少なくともオスにとって、結婚を決意するほど惚れた女性と結ばれる事は、世界の至宝を手にすることと同じなのですから。



あとがき

この記事の、このストーリーの中で実は多くのことに触れています。それは「愛の在り方」についてです。強烈な失敗経験から学んだことを幾つか織り込まれています。


手にしたヒトを大事にしろ。
そのためには、相手の意見を聞け。
心の声もよく聴け。
向き合え。語り合え。一緒に決めろ。
抱きしめて、愛を言葉で伝えろ。

でなければ本当に大切なヒトを失うことになる。思い込みも独りよがりもダメ。君が捕まえた最良の伴侶、その一人の価値は替えがきかない唯一のものなのだから。

今回、記事にまとめたのは、後悔や泣き言を言いたいわけではありません。
僕のしょうもない失敗談ですが、1組でも多くのカップルが、死が2人を分かつその後すらも慈しみあう人生を歩むんでいける。そのヒントになれれば幸いです。



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