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冬至(とうじ)の日にそうじの話。

たかてる(高橋照美)です。東京出張から無事帰ってまいりました。
冬至の日に有給休暇が取れる、こんな幸せはそうそうないのではないでしょうか。その貴重な有給休暇に、カノジョとデート的な予定もなくnoteに向かっている……どういうことでしょうか(!)


住居を「戦略ゲームの領地」としてとらえてみる

そうじの話は専門家がおられるので、僕は「5S(清潔・清掃・しつけ・整理・整頓)」を業務で扱うそうじのアマチュアから見た、住まいのメンテナンスという切り口で。
(脱線ですが。5Sのまんなかの「しつけ」って、かなり死語と化してきているので、近々「仕込み」かなんかが取って代わったりするかな。とも思っています。標語も世につれるでしょうから。それとも5Sって言わなくなるかな)

さて、我々若い男性……とひとくくりにするのは雑すぎでしょうが、少なくとも僕は「家。寝る。思い出したようにメシ。おっとっと風呂。うわ洗濯物たまった」という、あんがいな住居の使い方をしていたりするものです。

(清掃に関しては、物語の中の僕は立派です。あんな奴がいたらウチの会社に「来て来てコール」しちゃう。人見知りすぎる四郎の目には、僕があんな立派な人物に映っているんでしょうか。友情の行く末が心配です)

書籍雑誌とDMと報告書と帳票類は「紙」というくくりで、デスクの足元、本棚の前……に、山になっていたりします。文字通り「山」です。有料記事部分で詳述しますが、「土砂として処理」するというコンセプトを入れると、あっという間に片付くのです。素人にしか出せないビューポイントの一つだと思います。

ちなみに「土砂として処理」と言えばピンとくるのが男。片付けられない女性には「思い出を、さわれる数年後まで封印」という理解を渡すと、案外ものごとが動く効果がありました。ここは事例数がたまっていないので、読み物として読んでください。エビデンス(数の根拠)なしです。


住居が「戦略ゲームの領地」で、未開発の山河や鉱山をエリア内に擁しているとでも申しましょうか。このような比喩を使って解説しておけば、「うっかり書籍雑誌を整理整頓にかかってはいけないのはなぜか」を察して頂けるかもしれません。中から何が出てくるかわかりません。お願いですから発掘しないでください。戦争状態を呼び寄せかねません。

(と頼むと「なんかエロいもん置いてあるでしょ!」とか言いながら片付けはじめちゃう女性は、確かにいます。ですから自衛 = 山体積・山面積の最小化が大切)

では、そんな未開発の山河や鉱山が広がっている中、いったいどうやって「片付いている状態」を短時間で作り出すのか。カギは二つあります。


1.「片付いている状態」を、「おちつける・くつろげる状態」とおきかえてとらえなおす

2.湯とセスキ炭酸を使えるところ 《だけ》 に限ってそうじ着手する


セスキの一つ覚え

「えっ、掃除機からでしょう」と言ったあなた。確かに「お掃除ロボ」は最初で大丈夫です。自分で動かしてかけていくタイプの掃除機には、かけてるうちにうんざりした経験、ありませんか。
あれは後回しが案外イケてます。「しあげ」にしたほうが、住居のくつろぎ具合の仕上がりがよかったりする場合があるのです。

「出す」「しまう」という動作がつくので、一手で動かし終わるわけではないところに、隠れた面倒さがくっつきます。「出した以上は、あそこの部屋もここの部屋も一気に」と思ってしまって、総面積がむやみに広がるのです。これは、箒(ほうき)には見られない、おもしろい心理です。

意外な盲点だと思います。試してみてください。

僕の聞き取りでは、全くうんざりしない「掃除機好き」と、「掃除機かけたら疲れてそうじする気なくなる人間」の比率は1:2~3ぐらいです。


先に注意点。

セスキ炭酸は「お得だから」という理由で粉末を買ってはいけません。
「腐らないが確実に場所をとるアイテム = 不良在庫」にするぐらいなら、割高でも噴霧ボトルで買いましょう。

台所の、食器用洗剤の脇に置いておくのがいいです。もっというなら「買っちゃったけどなかなか使い切らない」という人から、粉末を100gわけてもらえばすみます。

(あともうひとつ、「セスキ炭酸はないけど重曹はあるよ」と言われても、うっかりもらわず、あくまでセスキ炭酸にこだわるようにしましょう。重曹で落ちなくてがっかり……という部分を我慢してはいけません。セスキと重曹の差は月と海王星ぐらいあります ←なんだそれ)

住居における不良在庫とは、「チリもつもれば確実に掃除や収納の敵になる」ものです。

以前、断捨離や片付けが、ものすごい流行をしてましたよね。

「買ったが着ない・着られなくなった」衣服や「思い出の品」が、不良在庫化してもなお損切りできずに、QOL(生活品質)を損ねた、というところをきりかえていく潮流だったとも思っています。

つまり、うっかり家に入れたものは、「in」と「keep」と「out」、手数が三倍化してしまうのです。これをコスト(発生する苦労。発生費用ではなく「苦労」)と捉えるようにしてみてください。ミニマルとは「inを水際で防ぐ」世界観であるともいえます。


「口に近い」ところから、順番に

噴霧ボトルのセスキ炭酸液には、相棒が必要です。ぞうきん替わりの「ウェス」(ぼろ布)です。冬にぞうきんを水で絞るのはストレスですから、使うだけ使って捨てられるウェスがおすすめです。あらかじめ切って、十枚ぐらいを出しておくと便利です。

ウェスの何がいいかというと、ちょっと使って捨ててもかまわないので、料理しながら、トイレに入ったついで……などの「ながら掃除」のチャンスが広がることです。

セスキのボトルとウェスは、いつも台所に置くのが気持ちいいです。

そうじのときは、食べ物を扱う(「口に近い」)場所から順に、きれいにしていきます。

台所 → 洗面所 → 風呂場またはトイレ → ウェスを捨てる

この流れです。


確実にしとめるべきなのが、「赤い水カビとぬるぬる」です。水回りです。

ほこりが部屋の片隅にあるよりも、水回りに赤い水カビとぬるぬるが増殖していくほうが、より心身の健康と自己効力感を損ねます。

住居を「戦略ゲームの領地」と捉えると、なぜだかよくわかるのですが、水カビとぬるぬるは「そこにいちゃいけないイキモノ」なんですよね。

僕は真似できないのですが、英語の先生で「水回りは使ったあとすぐ、水滴をぜんぶ拭き取る!」という習慣の方がいました。歯磨き、洗顔、皿洗いで実践してるそうです。

水滴なければイキモノなし。理にかなっています。(でも奥さんが窮屈だろうなとか思っちゃったのはなんでだろ、楽しそうかどうかかな)


ありがとう、さようなら

ウェスを使う理由はもう一つあります。なんか子供っぽいというかスピ系気味になるかもしれませんが、風呂場やトイレまで順に使っていったウェスって「ありがとう」と言いながら捨てたいな、という気になるんですよね。

雑巾しぼりながら「ありがとう」とは話しかけにくいんですが、使うだけ使ったウェスをごみ箱に捨てるときには「ありがとう」と思いやすい。

僕だけの感覚かもしれませんが、そうじをして「ありがとう」と思えるのは、圧倒的にウェスです。雑巾だと「こいつタオルだったんだよな」という来し方ゆくすえの記憶が相対的にうすく、ウェスだと「これ着てたときカノジョいたよ」みたいな(やべ!)



【写真】台所の備品。セスキ希釈液(激落ちくんボトルの流用)、ウェス、持ち帰ったお手拭き、ポリ袋。ゆでたまご三つは、そうじの合間に小鍋をかけて


有料記事部分では、いつものとおりマニアなハナシを。

「作業興奮」という用語が使われるんですが「ちょっとやりはじめたらぐんぐん進む」「合間に洗濯とかを思いつく」みたいな切り口で、「セスキ & ウェス」のよさを語ってみたいと思います。

あと「拭き掃除に女性の破れたストッキングを使う件の是非について」。
破れたストッキング。破いたストッキング。なんというか……ああ。なんだこの五行は。「作業興奮」と「破いたストッキング」が隣接しすぎ。若いオトコの家に破れたストッキングが在庫してはならない理由について論じます。

それともう一つ。「書籍雑誌の山を短時間で何とかするには」。これを語っておかないと、同居家族に無許可で発掘されてしまうので。
無許可発掘事件がなぜ起きるかというと、「主たる家事担当者」(かあちゃんとか奥さんとか)の理屈は、「散らかしてる方が悪い」というやつですね。いかにして憲兵隊の検閲から書籍類を守るか。ここの攻防はぜひ記しておきたいと思います。


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「最大値の2割」ぐらいで構わないから、ご機嫌でいたい。いろいろあって、いろいろ重なって、とてもご機嫌でいられない時の「逃げ場」であってほしい。そういう書き物を書けたら幸せです。ありがとう!