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つながる

本を読んでいると、急に「おっ!」と思う瞬間がある。

それは、違う本に同じようなことが書かれていることを気づいた瞬間である。


ちょっと前に「がんが消えていく生き方」という本を読んだ。

ざっくりいうと、がんになった経験をもつ外科医ががんの治療法やがんに対する考え方、生き方を書いた本である。

この本を書いた船戸先生はがんについて、

がんはそれまでの習慣が生み出した結果であり、がんは生き方を変えなければならないということを教えてくれるもの。また、「今のままでは残り時間がない」という警告。

つまり、がんを敵とみなすのではなく、がんが発覚したらこれまでの生活習慣を変えなければならないことを教えてくれるサインとみなしている。


そしておととい、漫画版の「君たちはどう生きるか」を読んだ。

この本は読み終わった後に、(原作を読みたい!)と思い、すぐ原作をAmazonで買ったぐらい夢中になった本だった。

「君たちはどう生きるか」の終盤で次のような文章が出てきた。

からだの痛みは、誰だって御免こうむりたいものに相違いないけれど、僕たちにとってありがたいもの、なくてはならないものなんだ。それによって僕たちは、自分のからだに故障の生じたことを知り、同時にまた、人間のからだが、本来どういう状態にあるのが本当か、そのことをもはっきり知る。

この文章は、心に感じる痛みや苦しみは人間が本来どうあるべきかということを教えてくれるという話の導入として述べられたものであるが、この文章を読んだ瞬間、「がんが消えていく生き方」の文章が頭の中にパッと出てきて、ビビッとつながった。


つながらないと思いこんでいたものが、ふとある部分においてつながっていたことに気付くという発見をした瞬間の「おっ!これは!」という興奮はアツい。

しかも、この発見は「がんが消えていく生き方」と「君たちはどう生きるか」という2冊を読んだ人にしかできない大発見である。

「読書の楽しみってこういうところにもあるのか。」と思ったおとといの出来事でした。



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