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映画:アメリカン・アンダードッグ

March 19, 2024
American Underdog (2021)/アメリカン・アンダードッグ

監督 :アーウィン兄弟
脚本 :ジョン・アーウィン 、デヴィッド・アーロン・コーエン 、ジョン・ガン
出演者:ザカリー・リーヴァイ、アンナ・パキン、デニス・クエイド

アメリカンフットボール選手カート・ワーナー(ザック・レヴィ)の実話を基にした映画である。カートは若い頃からNFL選手になるという夢を抱いていたが、大学を卒業後、NFLのドラフトで指名されないという挫折を経験する。その後、彼はアリーナフットボールリーグでプレイしつつ、スーパーマーケットで夜勤をこなし、家族を養う。この期間、彼はプロフットボール選手としての技術を磨き続ける。そして、NFLのセントルイス・ラムズからの契約の機会が訪れ、彼はそのチャンスを生かし、チームをスーパーボウル優勝に導く英雄となる。この物語は、絶え間ない努力と家族の支えの重要性を描いており、夢を追い続けることの価値を伝えている。

なんの予習もなく観た映画。IMDbで★が7を超える映画は大抵間違いないということで。しかも、最近、当たりが多い、「実話を基にしたストーリ」。

結果、予想したよりはるかに良い映画だった。むしろ、★が7.1というのが低いのでは?という話。

アンダードッグとは「負け犬」というよりは「勝ち目が薄い人」ということらしい。

主人公は子供の頃からQBに憧れ、大学でプレーし、NFLからのドラフトを待つものの、声はかからず。どういう経緯か グリーンベイ・パッカーズに入団できたのだが(映画では恋人のお父さんから伝えられていた気がする)、うんちくというか言い訳(ルールブックが、とかまだ準備ができてないとか)が災いしてすぐにクビ。

IMDbより

恋人と暮らしていきたいので、とにかく日銭を稼ごうと、スーパーで働き始める。就職浪人の始まり。

IMDb

どのタイミングかは忘れたが、フットボールのスカウトとカフェで話す機会があるのだが、それはNFLではなくアリーナフットボールリーグという、室内でやる競技。イメージ的には独立リーグ的なもので、最初は思いっきり馬鹿にしてオファーを断る主人公。

結果的にそのAFLに参加して、そこでもQBの割に決断力がなく、パスを投げられない、消極さが表にでるのだが、コーチと大学時代の友人のおかげで(AFLにいた!)克服し、QBとしての才覚を出し始める。

なんと、私が昔住んでいたセントルイスのラムズ(現在はLAに戻っているが)からトライアウトにスカウトされる。主人公については、スカウト人の会議(「マネー・ボール」を彷彿させる)でも、え?誰?みたいな感じでほとんどのスカウトメンバーから相手にされなかった。

どういうわけか、同じように就職浪人してNFLに入ったコーチに見出され、励まされる。

トライアウトは数日あるようで、作戦会議のような中で’主人公はラムズのQBのことを「遅いな」とか言ってみたり。
AFLのフィールドが若干小さそうに見えたのだが、そういう中で3年ほど訓練してきたのが良かったのかもしれない。

映画は大学生から始まるが、圧倒的に老けていて、見た目じゃなくてストーリーが重要と本能的に理解するまで少し時間がかかったが、ストーリーに入り込んでしまうと全く気にはならない。

正直、バーで出会った女性との恋愛パートは不必要では?と思ったが、生涯のパートナーとなるし、彼女の息子がLegally Blindという状況。バツイチで子供が2人して、そのうちの一人が盲目というなかで、将来のある(そこまであったかは不明だが)主人公と付き合う(しかも結婚を前提として)のは無理だと断るのだが、QBとしてパスの決断力は欠如していた割に、この時の押しはすごくて、結局付き合うし子供たちともうまくやっていく。

個人的に、映画のなかで主人公はドラフト指名を期待していたところに疑問があった。そもそも大学がAAに所属しているところから、そんな期待されていたのか?感じていた。アメリカの大学リーグはAAAがトップで、大抵のトップ選手はそこに所属する大学に所属する。AAからNFLのドラフトで引っかかるという実例が過去にどの程度あったのかは私はわからないが、むしろよく期待していたなと思う。

ドラフトで選ばれず、スーパーの店員を経て、メジャーではないAFLでプレーした結果、NFLにトライアウトで合格する。しかもその後、スーパーボウルにまで進み、MVPにも選出され、一気に一流選手へ、という信じられないサクセスストーリーで、真実は小説より奇なりを地で行った主人公。

結局夢を諦めず、どんな逆境も、その時が来た時のための試練とおもって腐らずやることが成功への道、ということかと思う。努力しても成功は確約されないが、努力しないと成功はないという世界。

昔、クリスチャンの友人が言った「神様は乗り越えられる試練しか与えない(今はしんどいかもしれないが、あなたは乗り越えられる)」という言葉を思い出した。主人公も結構信仰心が強くて、それは結構へこたれない精神を維持するのにいいのかもしれないとも思った。

人生において、何かを選択しないといけないことって思った以上に多い。何かのオファーがあったり、何かの仕事を任されるかどうか、何かを購入するとか、いろいろ。

この映画を見て思うのが、何かの選択をしないといけなくなったときに「即決」できないという時点で負けているということ。せっかくグリーンベイ・パッカーズに声をかけられ、プレーしてみろと言われ、Yesと言えなかった主人公。うまくやりたい、成功したいと思えば思うほど躊躇したり、準備したいという気持ちが勝るのは理解できるが、タイミングは待ってくれないことも多い。たとえ準備できていなくても、やらずに負けるなら、やって負けた方がいいということを感じた。

終わり



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