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バイエルン・ミュンヘンvsドルトムント マッチレビュー

はじめに

どうも僕です。
今回はブンデスリーガ首位を走るバイエルンvs6位ドルトムントのレビューやっていきます。
最近復調しつつある中位に位置するドルトムントですが、王者バイエルンに対してどこまで足掻けるのか。

フォーメーション

バイエルンはいつも通りの4バックに対して、ドルトムントは5バックで挑む一戦。ドルトムントは相手ホームということもありますから、まずはしっかり守備から入り、前線の選手のカウンターで得点を狙っていくという展開を期待してのものだと思われます。

アドバンテージを活かして攻め込む勇気

ドルトムントはバイエルン相手に開始から2得点をもぎ取った前半、執拗にロングボールを狙い続けました。
狙いはデイビスとのマッチアップとなるムニエ、そして同サイドのアラバとマッチアップしたハーランドです。
3-4-2-1の特性上、中央に4対2が出来上がり、バイエルンのCH2人に対して、ドルトムントのCH2人を見るのか、奥の中央へ流れてきたアタッカー2人を見るのかの二択を投げかける事が出来ます。

これにより相手CHのカバーが追い付きにくい合間に、身体的アドバンテージを活かした2人にロングボールを当てて、その下の選手が回収するという作戦です。同時に最終ラインも上がるので、ここからボールを握りつつ、ドルトムントは2得点に成功。当初のプラン以上の成果が出てしまった筈なので、守りに入る選択を下しました。

次にドルトムントのそんな決断を許さない王者バイエルンのプレー運びを見ていきましょう。

アドバンテージなんて無かった

ここでまずバイエルンの基本的な動きを見ていきましょう。
サイドの三角形を基準にして、3人が旋回していきます。この動きの中に、ミュラーが相手最終ラインへ侵入する動き、ゴレツカが最終ラインへ侵入する動きが組み込まれつつ、相手DFラインを押し下げていきます。
そしてフリーロールとなったキミッヒが、デイビスが上がったあとのスペースを使ったり、低めに位置するズーレをサポートしていきます。

次にキミッヒが左サイドのサポートに入るパターンです。
基本的にドルトムントのSHはバイエルンのSBを基準に守備を行うので、キミッヒを簡単に潰しに出ていくことが出来ません。(SBとの2対1や3対1が出来上がってしまい、外されると奥のムニエやシュルツが孤立してしまうから。)
そこで得た時間を有効活用し、逆サイドにいるお化けWGサネへとボールを供給してます。

走ってよし、対人戦を仕掛けてもよしのサネですが、この日はトルガンとシュルツの2対1を任されました。それでもボールは奪えない、クロスを上げられる、挙句抜かれるとどちらにアドバンテージがあったかなんてとうの昔に忘れてしまいました。

2対1を仕掛ける訳ですから、ドルトムント側も青塗りのエリアが手薄になってしまいます。中盤の選手が動けば、中央が薄くなり逆サイドが空いてしまうため、イタチごっこの様にボールをサイドへ逃がされてしまう危険性があり動けません。

そのためバイエルンはこのエリアに人を送り込み、クロスをどんどん上げて裏を狙っていきます。
この試合のズーレは「あれ?キミッヒ急に成長期迎えて分裂したんですか?」と思うほど、動き方から配球まで全てが完璧でキミッヒのSBを見ているようでした。

前述のように押し込まれれば必ずどこかしらに歪みが生まれてスペースが空きます。
それは次第に大きくなり、人一人ではどうに出来ないものにまで広がってしまうものです。

最終ラインとCHの手前を完全に握られてしまったドルトムントは、CBや中盤からの展開を無限に許し続けます。
そうなればDFラインの前もどんどんポジションを下げざるを得ないため、どんどん手前のエリアが広がっていきます。

そうなれば今度はマイナス側のクロスもDFたちは考えに入れなければなりません。
最初は、自分たちよりも後ろにクロスが飛んでくるだけなので、弾き返せばいいじゃないですかで済みましたが、ここまで来るともう自壊寸前です。
結局例に漏れずこのマイナスのクロスを右サイドから供給されて、ザガドゥのライン調節ミスもあり、得点を許してしまいます。
サッカーとは常に相手に二択、三択を押し付けて、後出しジャンケン出来るかが鍵になります。その択に負けた失点という事で見事に崩されたとなります。

足掻き

散々バイエルンを解析しましたが、じゃあドルトムントは何もしなかったのか!テルジッチは無策か?となってしまうため、これを受けてのドルトムントの修正を見ていきましょう。

見出した突破口であるロングボール作戦を、バイエルンにも同じように密集を作られる事で、前半20分の段階で機能不全に追い込まれたドルトムント。
引いて守るしかないと賭けに出るも結局失点し、エリアを尽く明け渡している非常に悪く辛い状況です。

じゃあ手前使われなきゃ良いんじゃん!となって戦術変更が行われた形です。
4-5-1に構え、中盤に2人を残しながらもう3人の中盤の1人が相手にプレッシャーをかける形です。
これによりバイエルンは一瞬足踏みをしました。(※本当に一瞬なので見逃さないでください。)
少し足踏みして休憩したバイエルンは、無情にも次の択を投げかけます。青塗りのエリアの選手を誰が捕まえるの?という問題とCBからのロングボールどうすの?問題です。

SBが付けば、CBやキミッヒから両サイド奥にポジショニングしたWGにパスが飛び、また1対1を仕掛けられる展開です。
当然WGを見れば裏へ抜けられてしまいます。
最近ドルトムントが4-3-3をよく使っているので、予め準備されていたのだと思います。

これにより事実上の王手をかけられたドルトムントは、後半に5-4-1へ変更してただただ耐え忍ぶ展開へとなっていき、気付けば4-2というスコアで試合を終えることとなりました。

最後に

純粋なマンパワーで負けている前提と、コンペティションの多い過密日程の中、よく頑張った方だと甘い言葉はいくらでもかけられますが、戦術的な側面以上に、技術的な面でも完全に遅れをとっていますし、正直疲労はバイエルンも同じなので言い訳出来ません。
獲得した若手以外がどんどん力を発揮出来なくなる現状、今のスタイルで優勝は限界を感じてしまいます。と5億回は思っています。
しかしクラブのアイデンティティ、クラブカラーを全否定する事になるので、あと半世紀待っても優勝は無理だと悟りました。
もうちょっと若手以外を見抜く目を養わなければ、中堅が頑張れずに老人と若手で戦う辛い時期が続くでしょう。
バイエルンの様なスタイルでも、ムシアラやデイビスが出て来た現実を突き付けられると、正直我々がやってきたこととはと問いかけたくなりますね。
でもポカールとCL頑張ってお金貰うんだ!セビージャ戦は負けるなドルトムント!戦えドルトムント!

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