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ドルトムントvsビーレフェルト マッチレビュー

はじめに

どうも僕です。
最近は色々と書きたいこと書きまくってるだけなので、マッチレビューも増やそうと思いました。今回は麻雀の事話さないように頑張ります。

フォーメーション

両チーム共に4バック
事前情報を特に入れてないビーレフェルトは普段通りなのかは分かりませんが、ドルトムントは前節と変わって中盤逆三角形。
見るからに前時代的ファイヤーフォーメーションで戦っていきます。

押してもダメなら引いてみろ

ボールを握らせたく無いビーレフェルトが、ドルトムントの隙を狙ってカウンターを決めにいく様な試合構図ですが、見えにくい水面下での攻防は既に序盤から始まっていたかもしれない...。そんな両チームを見ていきましょう。

ビーレフェルトはシンプルな4-4-2守備。
ダフードをFW2人で交互に監視しつつ、CBをサイドパスへと誘導して、SBに入ればSHが寄せて取りに行く、またはロングボールを蹴らせて後ろで回収する。
降りてくるIHのレイナやベリンガムにはCHの2人が、WGのサンチョやロイスにはSBの2人が追いかけて潰しにいく、非常にカウンター志向の強いブロックです。

次はそんなビーレフェルトにドルトムントがどう対抗したのかを見ていきましょう。

・その一「だいしゅきな本命でないならアプローチは交わせ」
クロスやコルドバが警戒するのは、あくまでもダフードや、その他の中央の選手へのパスです。そのためCBへの寄せ方も、どうぞ〜と誘導員の様なアプローチになります。
それを見たジャンは前へとボールを持ち上がり、相手のCHやSHに迷いを生じさせます。10vs10のフィールドにおいて、守備者1人を交わすことは、その時点で数的優位を作りだす事と=になります。(10vs9になるってこと)そのため相手の守備者に対して、自分が寄せに行くのか、あるいは泳がせるのかという選択を投げかけることに繋がるのです。
これで尽くボールを前進させられたとかそんな事は言わないですが、プレッシャーを回避して前進したり、やり直しを行ったり、カウンターを喰らったりしていました。

その二「遠回りが近道」
次にドルトムントは2トップの動きを利用します。交互にダフードを見る訳ですから、縦関係になる機会が多くなるという部分です。
それを利用して、GKやSBを使って逆サイドへ展開してから中央に当てていくというものです。黒塗りの部分が入射角となり、塞ぎにくくなるためIHにボールが入り、そのまま手前のダフードへ落とされるという仕組みです。

応用編

そんな両クラブの攻防はオンプレーだけでなく、セットプレーでもばちばちでした。
特にビーレフェルトは、蹴らせたボールを回収した後のプレーを、かなり作りこんでいました。そしてそれを狙っていたとばかりに、ベタ足インファイトの構えをしたのはドルトムント。

極端ではなく大胆に

なんと極端、いえ大胆、どっちでもいいか。
ビーレフェルトは、前線4枚をそのままDFラインにぶつけてロングボールからの空中戦と、CBとSBを使って、迂回しつつサイドに送り届ける地上戦の大胆な二枚構成で襲い掛かりました。ドルトムントのSBは小柄なため、狙われる事も多いので非常に理にかなった作戦です。
それにプラスして、この形を読んでかドルトムントは4-1-3-2の様な形に変化します。
その変化を見越した様に、ビーレフェルトのSBがロイスやサンチョの外側にポジショニングして、ロングボールを受け取り、プレッシャーを無効化させる作戦まで用意されていました。

ここで皆さんに1個覚えてもらいたいのは、よくプレッシングで見かける4-1-3-2の様な形は、どうしても今回のドルトムントの様に大外が空いてしまいます。
それにプラスして、今回SBのモレイとゲレイロがビーレフェルトのSHに付きっきりで助けに行けないという状況です。
なので、前からプレッシャーをかける事が全て上手くいくとは限らないよっていう一つの例として覚えておいてください。

しかしドルトムントもこの作戦にやられっぱなしではありませんでした。ベタ足インファイトで向かっていったのですから、勝算はまあちょっとくらいあります。
ロングボールを競り勝てて、尚且つセカンドボールを拾えるという、太くは無いチャンスのタイミングをしっかりとカウンターに繋げていたのです。

図のような赤塗りのエリアはセカンドボールが落ちてくるであろうエリアです。ここに落ちれば中央を陣取っているのはドルトムントのため、拾ってカウンターへの移行もスムーズですし、相手が使われて嫌だなと思うのが、この中央3レーンを含んだエリアです。
ロングボールに競り合えて、ロングボールを相手ボールにされずに、尚且つDFが前に零してくれる事を期待するのも中々非生産的ですが、実際にこのシチュエーションからのカウンターは多く、殴りあってでも取りに行くべきだと僕も感じました。

「一何かを得るためには何かを捨てなければならない。」

そんな大味な展開が随所に見られた前半も終わり後半へと舞台を移します。
そんな両チームの後半の攻防を見ていきましょう。

石の上にも三年

お互いに選手交代は無く開始された後半。
耐えかねたフンメルスの持ち上がりから、ミスも絡みサンチョのアシストでダフードの見事なゴールで遂にドルトムントが先制。
2点目もトランジションから、CH脇でのデュエルで奪い取りそのままPK獲得となりドルトムントとしては続けたご褒美とでも言わんばかりの美味しい2得点となりました。

後半互いにブロックが4-4-2となったタイミングが転機と言ってもおかしく無いでしょう。
特に前がかりとなる失点後、ビーレフェルトはトランジション時にCHをどんどん前に向かわせます。前線が4枚とも前へと張り付く意識の強いビーレフェルトは、4-0-2-4の様なカオスを生み出していましたが、前線が前に張り付き、CHの周辺を空にしてしまった為に起きたカウンターであえなく3失点目となりました。

最後に

継続する事の難しさと、継続した先にある成果。どちらがどちらの結果を掴んでもおかしくは無かったように思えるこの試合も、気付けば3-0となりました。
特に後半、中盤でのトランジション合戦は、ドルトムントのお家芸と言っても、ビーレフェルトも非常に勢いがあったため、見応え十分のがっぷりよつ、インファイトの殴り合いで面白かったです。

これだけ緻密なロングボール戦術など、オン、セット関係無く継ぎ目の無いサッカーを見せたビーレフェルトの完成度に驚きです。
強いて言うならば、やはりカウンターのデザインでしょうか。
FWと中盤CHとの距離がどうしても遠くなってしまうため、SHをFWの近くに置き、オンプレーでの前と後ろの繋がりを意識するのもアリかなと感じました。

ドルトムントはモレイの成長著しくというか、元からずっとやってきた事がやっと評価され始めた今、ハキミの幻影を取り払う事が出来るのかこれから注目です。

僕は混一色、清一色よりもタンピン三色が大好きです。

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