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バルセロナvsセビージャ マッチレビュー

はじめに

どうも僕です。
今日はコパ・デル・レイ準決勝のバルセロナvsセビージャでマッチレビューやっていきます。
前回対戦では丁寧な移動攻撃と、クンデに出し抜かれた形のバルセロナ。
彼らがどういった形でカップ戦の鬼セビージャを打ち破ったのか見ていきましょう。

フォーメーション

バルセロナが3-5-2の3バックを採用して望んだこの一戦。
リーグ戦の借りを返すには絶好のシチュエーションとなったセビージャは決勝進出の切符を勝ち取ることが出来るのか。

俺たちはアグレッシブ!

勝負事とは常に先手を取った側にアドバンテージがあるものです。それを活かして攻め込むのも守るのも自由で、それが戦術や戦略になっていきます。
この日のセビージャは、アドバンテージを活かして攻め込む、強気の姿勢で序盤を迎えました。
繋ぎの鬼バルセロナに対して、この数的同数を強引に作る猛プレッシャーは、鬼気迫るものが感じられます。
これにはバルセロナもロングボールを使わざるを得ず、ジエゴ・カルロスよりはまだマシ位ですが、クンデのサイドへロングボールを蹴る回数を増やしていきます。

しかしバルセロナもやられてばかりでは面白くないため、撃っていいのは撃たれる覚悟のあるヤツだけだよろしく、数的同数プレッシングをセビージャにぶつけていきます。
後方をCB3枚で構築するバルセロナは、ルークやエンネシリの高身長選手達に勝る高身長選手が後方に待機している分、ロングボールを拾ってからの作り直しを行える場面が多かったです。
これにより以外にもロングボールが飛び交うような立ち上がりとなりました。

次に両軍の攻撃について見ていきましょう。
何も90分以上ロングボールを蹴りあった訳は無いですから、ロングボールの合間に見えた工夫を追っていきます。

食材本来の持ち味を活かせ!!

序盤から派手な攻勢に出たセビージャですが、特筆すべきはエンネシリとルークの二枚を含めた前線の動きです。
普段サイドのエンネシリを前線に上げる事で、ターゲットを増やします。これと連動するようにサイドで作られる黄色塗りの密集(オーバーロード)から、前線のハイタワー目掛けてロングボールをぶちかますという寸法です。

他にもGKキック等のセットプレーの際に、一番小柄なミンゲサに対してルークをぶつけたり、エンネシリとルークの2人をぶつけさせるという、血も涙もない極悪非道のハイタワー兄弟戦法も行使。
この試合のセビージャは目的地をハイタワーに設定しつつ、どうすればそこに送り届けられる?の部分を非常に意識して準備していた印象です。素材の味をガツンと活かすなら男は黙って塩コショウ!!!

他にも目を見張ったのはルーク・デヨングの足回りの強さです。
高さを活かしたプレーの他にも、高身長プレイヤーにあるまじき機動力で、度々DFラインの裏を陥れようとします。

ハイタワーを目指す過程でサイドに密集を作るセビージャは、右サイドに位置するテクニカルなスソをラングレとマッチアップさせ、空けさせた裏へのスペースにルークやジョルダン等の選手を送り込みます。
自由を謳歌するオリベルがサポートに入る事で、サイドに厚みが出てボールの取りどころをぼかし、裏へ効果的にボールを逃がしていました。
それ以外にも、ルーク・デヨングのプルアウェイの動きや、降りたあとの動きは基本的なCFの動きとなるので、教科書がプレーしているような感覚でした。

俺たちのサッカー(LV99)

バルセロナは数的同数プレッシングと、ロングボール後のトランジション(切り替え)で、ロングボールを回収してリズムを掴みつつ、ボール保持を立ち上がりから強めていきます。

バルセロナは図のように左右で菱形◆を作りながら、相手SHを起点にボールを進めていきます。
このブログではお馴染みの、ボールを運んでSHと後出しジャンケンをする攻撃ですね。
こうなるとSHは出ていく力を失うか、出ていって外されるかの展開。
後方で待つデンベレやペドリ、メッシが更にスペースを得てしまいます。
サイドにブスケツが強く寄ることで、ボールマンに3つ目のパスコースを作り出し、やり直しまで計算されているため穴がありません。
右サイドは、デヨングがひいひい言いながらポジションを埋める気の利く作業ぶりで、気分屋のメッシさんを補助しつつ、DFライン裏も狙って攻守に走ります。
デストも、メッシさんが内外に動けば自身も動かなければならないため、バルセロナのSBがガチムチにならないのは理解出来ますね。
数的同数が前線で出来上がっている以上、SHは特にCBに対してプレッシャーをかけたいため、ここのエリアの攻防はずっとバチバチでした。

再び左サイドですが、まあ捕まらないペドリとアルバのコンビ。
アルバとパラレラで入れ替わりボールを前進させ、フェルナンドとの距離感を測ってパスを出しと、攻撃で絶大な影響力を放っていました。
特にアルバからペドリのラインは4-3-3からあるものなので、この形は鉄板だという考えでいいと思います。
常に動き、スペースが広がった瞬間にボールを受けに降りるので、中々捕まりませんが技術が着いてこないと成せない技だと思いますね。
右サイドでも同じ様に抜け出せるはずなので、両サイドでサイド突破の引き出しが、一つ増えたと言ってもおかしくはないと思います。

本当に凄すぎるペドリ。いやペドリさん。
怪我したと聞いていた中で見たコパ・デル・レイだったのですが、なんかピッチにいました。2週間の怪我を一瞬で治すには精神と時の部屋か、ナメック星で悟空が入ったカプセルしかありえません。ずるいぞペドリさん。

試合が進むにつれて、どんどんバルセロナのバックラインが上がり、セビージャが押し込まれるタイミングが増えるも、両翼をオリベルとスソに入れ替えたセビージャにもカウンターが発動しやすくなる殴り合いの展開、しかしお互いに1点が遠いまま前半が終了。
準備してきた事がハマったバルセロナとハマらなかったセビージャで抱く印象は正反対
修正が期待されるセビージャは流れを変えられるのか、そんな後半を引き続き追っていきます。

やるときゃやんなきゃ男じゃねえ
行ったれどこまでも!!!!

後半始まって特段の変化は両軍無し。
しかし前からチェイシングをしっかり行ってきたセビージャ側には、後半もやってやるぞという気合いが感じられましたが、それでも非情なのがスポーツ。
バルセロナに早々に押し込まれると、伝家の宝刀「めっちゃオーバーロード」が発動。
ペドリまでが右サイドに集まり、デヨングやデンベレ、大外のデストで裏をチラつかせつつ、右サイドを制圧してしまいます。

それでも負けたくないセビージャは、ミンゲサとラングレの裏である、黄色塗りのエリアにボールを送り込み、動ける前線となった3枚を走らせ続けます。
意外にも打ち合い上等の様な展開になった後半、グリーズマンの投入で4-3-3となったバルセロナの裏を突き、PKのチャンスを掴んだオカンポスがまさかのPK失敗、PKを献上したミンゲサは退場無しの無傷で乗り越えたバルセロナは、後半も後半にまさかの同点弾をもぎ取り延長戦突入、退場したフェルナンドの穴を塞ぐことが出来なかったセビージャは延長早々に逆転を許し、バルセロナの劇的な勝利で幕を閉じました。

最後に

ミンゲサのPK献上が退場なんじゃね?ってのはまあ色々と思うものがありますし、フェルナンド退場も見逃してあげれば、また違った結末になったよなと色々考えてしまう試合でした。

セビージャ的には色々と準備してきたが、結局最後は根性で戦った試合。
特にアクーニャはスーパーだと感じさせられる働きぶりで、ああいう選手が一人で二人分働ける様な選手だと思いますし、セビージャはいい買い物をしましたね。

バルセロナは圧倒的バルセロナっぽさの中にも、プレッシングでやり返すだとか、相手のストロングポイントを封じるだとか、マンパワーと同時にチームパワーも光る試合でした。
ペドリは異次元で、デヨングは相変わらず働き者なのに、不満一つ言わないグルーガイの様な存在でした。

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