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【ベスト16敗退国その2】うろ覚えで振り返るEURO2020

なんちゅうことが起こるんじゃ、これがユーロ……一発勝負の悪夢……甲子園には魔物がいる!

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クロアチア

スプーン一杯でモドリッチが驚きの白さに!戦前からモドリッチへの依存が噂されていたわけですが、実際とんでもない労働量でした。1戦目のイングランド戦はクソつまんない試合で普通に負け、2戦目はロブレンエルボーで鼻血を出させたシックにPKを決められてドロー、そして崖っぷちの第3戦目では決勝点をモドリッチの美しいアウトサイドシュートで決めて、なんとかギリギリで決勝トーナメント進出。この時点でモドリッチのタスク量は白木屋の店長を超えています。そして迎えたスペイン戦は大乱戦。ペドリのバックパスをウナイ・シモンがトラップミスしたファンタスティックオウンゴールからスタート。

俺だったらこの時点で家に帰る

しかし、リードを守り切れず、サラビア、アスピリクエタに次々と決められ、フェラン・トーレスには水飲んでる隙を突かれて失点という大失態。これで終わりかというところで、モドリッチが魔法をかけます。PA内に魔術的な突破で侵入して、オルシッチの2点目を誘発。そして、ロスタイムにはパシャリッチのヘッドで同点に追いついて延長突入。理屈もクソもない得点ばかりである。しかし、そこで完全なエネルギー切れ。モドリッチは10カ月連続タピオカ屋新店舗立ち上げ社員のごとく真っ白になって立ち尽くし、チームもそれに合わせるかのように沈滞。ひたすらモラタの死体蹴りに付き合わされる状況では、モドリッチを交代させるしかなかった。チームとしてはもうここが限界だったろう。W杯準優勝メンバーからラキティッチとマンジュキッチが抜け、主力も老化。モドリッチ以外のオフザボールの運動量のなさは大会屈指だっただろう。ベンチの采配もやけっぱち時以外はちんぷんかんぷんで、モドリッチへの負担は増すばかり。月月火水木金金ならまだいい方で、月月月月月月月月の週8労働で、さすがのワタミグループも無理矢理有給を取らせるレベル。こんな状態ではどうしようもないので、来年のW杯は若手にがばっと切り替えて世代交代を図りたいが、ベテラン重用のダリッチ監督は留任の線が濃厚。来年もカタールの砂漠で真っ白になったモドリッチと5Gロヴレンが見られるのだろうか。国際労働機関(ILO)はカタールスタジアム建設の闇と共に調査したほうが良いかと思います。

・気になった選手 ヨシュコ・グアルディオル

元々センターバックだったのを代表の事情でサイドバックで使われていた19歳の青年。大型だが機動力が高く、勢いよく攻撃に参加していた。守備能力も申し分なくてやたらと体が強い。ライプツィヒが高値で獲得したのも納得の才能である。左利きで足元もけっこうあるため、今後10年はクロアチアのDFを支えていく存在であろう。なんとなく冨安と印象が結構被る感じがある。ちょいちょいポカもあったが、ヴィダとかロヴレンはもっとポカをしていたので、怒られる理由などないはずである。そんなグアルディオル唯一の問題点は、全く19歳に見えないことである。経営している居酒屋にグアルディオルがバイト募集で来たらまず間違いなく身分証を確認するし、写真のように電話をしていたらまず間違いなくオレオレ詐欺の電話をしていることを疑ってしまう。髭を剃れば少しはマシになると思うので、空港で謎の長時間身体検査とやたらとガタイのいい関係者に囲まれたくなければ、早々に色々と整えてほしい。

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母さん、オレだよ、オレオレ


フランス

絶対本命と言われたW杯王者がベスト16で姿を消すとは誰も思わなかっただろう。ただ、グループリーグから盤石の内容だったかといえばそんな感じでもなかった。1戦目はドイツにほぼ完勝だったのだが、2戦目はハンガリーに散々手を焼いてドロー。3戦目はポルトガルと握って首位通過を選択。しかし、この時すでに左サイドバックのリュカ・エルナンデス、ディーニュが怪我でアウト。これが地味に相当効いてしまった。ベスト16のスイス戦では、苦肉の策として3バックを選択するも、完全に裏目。右サイドのパヴァールのところを再三突かれ、そこからツーヴァーのクロスをセフェロビッチに頭で叩き込まれる。あっさりと競り負けたのは、3バック化したことで先発したラングレ。そこからキンペンベを左にして4バックにしたが、応急手当。後半からコマンを投入してラビオをバックに下げるものの、不安定は変わらず。右サイドのアタックからPKを取られてしまうが、これはロリスがナイスセーブというガタガタっぷり。ただ、そのまま不安定な状態で点を取ってしまうのがフランスの破壊力。ベンゼマのマジカルトラップからの1点目、立て続けのベンゼマ2点目。そしてポグバのスーパーミドルで残り15分で2点差なら、さすがにもう勝ったと思っても仕方がないでしょう。ポグバもドヤ顔でクソ舐めたパフォーマンスをするわけですよ。

この時、彼はまだこの後に起こる悲劇を知らない

ただ、そこで締められなかった。守備を固めるでもなく、中盤を強化するわけでもなく漫然と過ごし、セフェロビッチに2点目を叩き込まれ、ガブラノビッチに3点目を決められて延長。延長も一進一退で、PK戦前の雰囲気では、もう負けてしまった感があった。正直ここで負けるレベルのチームではなかったが、トーナメントはやはり怖い。何が原因だったかはいろいろあるだろうが、選手の組み合わせ的にベンゼマがスタメンに入ったことによって、ベンゼマなのかエムバペなのかグリーズマンなのかポグバなのか、誰が主役になるのかボケた印象がある。誰か外してジルーとかコマンとか入れたほうがバランスが取れたのではないか。まあ結果論なんだけど。後はメンタルコントロール。グループリーグからなんとなーく「ナメてる」感が漂っていたのを感じた。スイス戦で3点取った後も、そこを突かれてしまった形。余力がある分「まだ本番じゃない」と思ってるうちに負けてしまった印象だ。デシャン監督におかれましては、W杯に向けてネジを締め直す意味でも、ポグバを宇宙に1人で飛ばしてそこから泳いで帰らせる、ベンゼマが起きたら10分ごとに人が死んでいく脱出ゲームに参加させられてる、ラビオの母親を黙らせるなどのメンタル措置を取っていただくことをお勧めいたします。

・気になった選手 キリアン・エムバペ

今大会でメッシ、ロナウドに代わる世界のスターとなってサッカー界の覇権を握るはずが、特にインパクトもなく大会を終了してしまった。1戦目はその驚異のスピードで戦術兵器っぷりをぶいぶい出していたが、そこから段々とトーンダウンし、最後のスイス戦ではかなり存在感が希薄だった。フランス代表自体が誰を生かすか不明だったので仕方ないし、PK失敗も彼のせいだけではないのだが、それでも無得点はスーパースターとしては寂しい限りである。ただ、まあそろそろ挫折があってもいいんではないですか。デビュー間もなくいきなりW杯制覇でフランスリーグでも優勝たくさんしてるわけで、ここらへんでわかりやすい挫折がないと、漫画として盛り上が……より成長しないわけですよ。今回はベンゼマ登場という謎のイベントで主役を掻っ攫われてしまったので、体育館裏でタイマンで勝って早く主人公の座を取り戻して欲しいものです。そして、ヴァランとポグバが揉めてるとかラビオがなんか言ってるとかそれらも全部拳でぶちのめして、早く鈴蘭高校で​クローズZEROし、真のエースになってください。あと、ラビオの母は薬で眠らせましょう。


ドイツ

死のグループをなんとか抜けた後、ドイツは嘘のように普通に負けた。「もうあかん!ゾンビ召喚や!」と自分で追放していたミュラーとフンメルスを現世に蘇らせてユーロに臨んだレーブ監督だが、ベスト16で夢は潰えてしまった。初戦のフランス戦は0-1だったものの、完敗に近い内容。PA内でのフンメルスの自爆スライディングを見ることもできました(ノーファウル)。

これがゲルマン魂を具体的な行動にしたものです

2戦目は気を取り直して調子の上がらないポルトガルをボコボコに。そして3戦目は好チームハンガリーに常に先手を取られる展開ながらも、最終的にゴレツカ@どう考えても体のパースがおかしいがゴレツカして同点。なんとか決勝トーナメントに進出。しかし、そこが限界だった。もはや純文学と言ってもいいエンタメ性のなさを発揮するイングランド相手に攻めあぐみ、70分に先制点を取られると、そこから慌てて選手を投入するものの全部外れ。正直、何したいのかよくわからず、そのままほとんどなす術もなく終了し、大会を後にすることとなってしまった。レーブ監督@シャツのボタン開けすぎはこれで退任ということで、有終の美を飾ることはできなかった。2014年のW杯で優勝した後は、順調にチーム力が落ちていった印象がある。ポゼッションへの異常とも言えるこだわりは2018年W杯でピークに達していたが、今大会でもその傾向があったし、全く効果的ではなかった。国内にはライプツィヒのように運動量多くインテンシティ高めのチームがあったにも関わらずそっちには舵を切らず、レーブ監督自身が全盛期スペインの幻影(あるいはグアルディオラの幻影?)に憑かれていたような気もする。15年間という就任期間はあまりにも長すぎであり、最後の試合で寵愛していたミュラーが絶好機を外して追いつくことができなかったのは象徴的でもあった。

Screenshot_2021-06-30 (8) thomiss mueller - Twitter検索 Twitter

Thomiss Müller はかわいそうだけど笑ってしまう

ただ、W杯優勝の功績が色褪せるわけでもない。これからドイツ代表はリブートとなるので、責任を終えたレーブ監督はシャツのボタン全開で半裸ゲルマン男性としてビールとか飲んで休んで欲しい。

・気になった選手 ロビン・ゴセンス

普段アタランタの試合をほとんど見ないので知らなかったのだが、中々にナイスな選手であった。ドイツ7部からオランダに渡ってそこからイタリアにステップアップというドイツ人としては珍しいルートの出世の仕方。ドイツの狙いの一つであったキミッヒのクロスに大外から合わせるという戦術に見事に適応し、躊躇なくゴール前に飛び込んでいって2戦目のポルトガル戦ではとどめの4点目も記録。MOMとなった。とにかく体が強くて無理が利くし、ぶつかり合いを厭わないので、守備側としてはPA内に飛び込んでこられると厄介極まりない。やたらとテクニシャンばかり揃っていた今回のドイツ代表の中で異彩を放っており、フンメルスと共に数少ないゲルマン魂を感じさせる存在だった。やはりですね、こういう身体接触のある競技なわけで、体を張ってるやつは信用されるわけですよ。ヴェルナーとかザネも綺麗なことばっかしようとしないでちょっと見習ったほうがいいので、次のW杯では意味なくマグワイアにぶつかりにいったりしてください。でも、ハヴェルツはどう考えても柄じゃないのでそのままでいいです。

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顔は若干ポドルスキ風味


スウェーデン

今大会ナンバーワン睡眠導入装置のチームは、ナンバーワンの座を死守したまま大会を去っていった。18年W杯でも1位だったので、睡眠導入界では2冠となり、タイトル数は藤井聡太八段と同じです、やったね。初戦のスペイン戦ではほぼ完全に攻撃を放棄した全裸ガンジースタイルで臨み、86%のポゼッションを握られながら、オルセンの神がかり的セーブもあって0-0のスコアレスドローをゲット。次戦のスロバキア戦をフォシュベリのPK、ポーランド戦はフォシュベリ×2と暮らし安心クラーソンの得点で下し、決勝トーナメントでは世界の陽キャ・ジンチェンコに先制されるもフォシュベリの得点で追いつき、延長終了間際にドフビクのヘッドを叩き込まれて終了した。以上。と、まあこれで終わっても仕方がないんですが、あんまり言うこともないんですよね。チームを説明すると「ゾーンでがっちり守備+”堅守速攻界のメッシ”ことフォシュベリ」で終わってしまうのですよ。中盤中央のエクダルなんか相手蹴って転ばしてるだけですからね。そこにたまにラーションのFKが定期便で入ってくるという、それがスウェーデン。90分集中を切らさない献身的な守備は確かに素晴らしいのですが、その単調さといえばイングランドの純文学を超えたシュールレアリスム文学に近い。夜中過ぎという放送時間との強烈タッグは、幾多の視聴者を眠りに誘ってきたことだろうか。おそらく来年のW杯も手堅く出場して来ると思われるのですが、カタール開催ということで放送が朝方じゃないのが救いどころ。スウェーデン代表VSアジア人の眠気。決着をつける時がきたってもんじゃないですか。絶対に負けへん!

・気になった選手 アレクサンデル・イサック

サッカー界には「馬力だけでサッカーやってる選手」というのがいて、とにかく前にゴリゴリいく推進力だけで代表までのし上がってたりします(例:グレン・ジョンソン)。また、それとは別に「ストライドの長さだけでサッカーやってる選手」というのも存在して、たとえば元ニューカッスルのショラ・アメオビだとか仙台のマルティノスだとかがそれに当てはまるわけですよ。そこにこのアレクサンドル・イサックがニュースターとして現れたわけなんです。1戦目のスペイン戦ではその長いストライドと独特のドリブルを駆使して、あわや、という場面を作り出していました。他の試合でも明らかに1人だけおかしなリズムを刻んでおり、そのリズムが単調で一辺倒なスウェーデンとの対比で余計に気持ち悪い感じになってましたよね。ただ、ストライド系選手全般の特徴として「特に点を取れるわけではない」というところがある。なので、イサックが幻惑している間にフォシュベリが取るという騙し討ちみたいな作戦を使う必要があるんですね。不思議な踊りみたいなものです。このストライド大作戦にさらに磨きをかけて、来年のW杯ではがんばっていただきたいものである。そして、「イブラヒモビッチ2世」では絶対ないし、ビッグクラブが買うと「うーん、なんかストライド以外ぱっとしない」ってことになるので、十分に取り扱いには注意をしてください。

Screenshot_2021-06-30 カウンターでも威力抜群の190cmストライカー スウェーデンの若きエースはイブラを超えるか (theWORLD(ザ・ワールドWeb)) - Yahoo ニュース

どうですか、この惚れ惚れするようなストライド(点は取れない)


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