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「ウグイ」は本当にまずいのか? 食べてみた結果

みなさんは「ウグイ」を食べたことがありますか?
時に「外道」と罵られ、釣り上げた瞬間「なんだ、ウグイか…」と落胆されてしまう存在。

一般的に「まずい」と評価されている魚ですが、一度も味わっていないのに味を語るのは如何なものか……。そんな好奇心からどうしてもウグイを味わってみたくなりました。

はたしてウグイは本当にまずいのか!? 
「外道なんかじゃない!」
と言いたいウグイへの希望と「よく釣れるウグイが美味しかったらいいのに…」という切なる希望を胸に、釣竿を握りしめ川に出かけました。

ウグイとは?

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ウグイは全国に分布するコイ科の淡水魚。名前の由来は「鵜(う)が食うから」。そのまんまやん(笑)。
上流〜下流の河川全域からダム・湖まで生息地は幅広い。水が綺麗ではない場所などでも生きていけるワイルドさを持つ。さらには海に出る冒険家の個体もいるらしい。大きさはなんと50cmを超える場合も!

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ちなみに写真は最近釣った35cmほどのウグイ。大きいだけあってなかなかいいファイトを楽しませてくれます。

そんな大きくワイルドで冒険家のウグイさんですが、まあびっくりするほど釣れます(笑)。マスやアマゴなどの魚を狙っている際に釣れてしまうことが多く、巷では「外道」と呼ばれてしまうことも。さらには「骨が多い」「泥臭い」「水っぽい」など、味の評価もイマイチ。不憫なやつだ…。

ウグイを釣りに川へ

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しかし味においては実際に口にしないとわからない! また、ウグイは郷土料理として親しまれている地域もあるらしい。「ウグイはきっと美味い!…はず…」そんな希望を胸に川へ。

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おかずがうじゃうじゃ泳いでいますわ! ウグイはもちろんハヤやアユ、型のいいヤマメかアマゴの魚影も確認!

ウグイは雑食性なので、ソーセージやパンなどでも釣れるらしい。しかし、「あわよくばニジマスも釣りたい」という浮気心もあり、餌はぶどう虫(イモムシ)をチョイス。草が生い茂る、さほど川幅が広くない支流で釣り糸を垂らす。

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すると、ものの数十秒で目的のウグイが釣れてしまった(笑)。
ちょっと展開早ない?(笑)

けどせっかく遊漁券も買ってることだし、もうしばらく釣りを楽しむことにした。「ニジマスでも釣れないかな〜そんな淡い期待を胸に竿を振ること数十分……。

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なんと初の尺(30cm)越えのヤマメをゲット!クッソ嬉しい。釣りに来てよかった……。しかしながら今回の主役はウグイ。釣り上げたヤマメちゃんは「またもっと大きくなったら俺に釣られてくれ」と唾をつけておいてリリースしました。

その後、ウグイを3匹、アマゴ、アブラハヤ・タカハヤなどを数匹釣り上げました。最終的にウグイを2匹持ち帰ることに。

レッツクッキング!

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持ち帰ったウグイ。非常に生臭い(笑)。でも釣り上げた川はそんなに汚い場所でもなかったし恐らく大丈夫だろう……。そもそも魚は生臭いものだ!

事前情報として、小骨の多さや水っぽさが特徴の魚と聞いたので、水気を飛ばし、骨ごと食べられる天ぷらにすることにしました。

ワタをとって鱗を剥がす。頭を落としたら下準備は完了。衣につけてじっくり揚げるだけ。

「ジュワ〜……」

うんうん、いい匂いがしてきたぞ!
油をキッチンペーパーで拭き取り、塩をかけたら完成だ!
楽しみ楽しみ♪

ウグイ、いざ実食!

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カラッと揚がったウグイちゃん。
「ついさっきまで生きてたんだよな……」とセンチな気持ちになりながらも、自然の恵みに感謝して……

いただきま〜す!

「サクッ!」、「フワッ!」、「ジュワ!」
衣の軽快な食感を通り抜け、柔らかい舌触りの身にたどり着く。そして、衣の油がしみじみと口全体に広がっていく……。

うん、これは美味いぞ!
味は淡水魚らしい淡白な味! ニジマスに近いのかな? ぜんぜんイケる。強いていうなら、下調べ通り小骨が多く、皮に若干の魚臭さを感じるが、これは僕の料理のスキルが未熟だからだろう。

今回は天ぷらで味わいましたが、骨の多さを解消するために、次回は唐揚げにして味わってみたい。また、ウグイ本来の味も知りたいので塩焼きにも挑戦してみたい。

というかぜんぜん美味いのに、どうして市場に出回らないんだ? 味にムラがあるのかな? それともアユやイワナが美味すぎるから? もしくは「まずい」というウグイへの一般的な固定概念からなのか? いずれにしろ不憫だ……。

ウグイよ、いつもありがとう

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今回釣ったウグイは比較的綺麗な川で釣りました。水が汚い下流やダムなどで釣ったらもしかしたら結果は違ったかもしれません。加えて大きさによっても味が違うのかも?

不憫な扱いを受けることが多いウグイですが、時に釣果ゼロの歯止めをかけてくれたり、強い引きでフィッシングをエキサイトさせてくれたりと、何かといつも僕みたいな釣り初心者を楽しませてくれる存在です。

今回実際に口にしたことで、よりウグイへの愛が高まりました!(笑)
I LOVE ウグイ! いつもありがとう!

ぜひ皆さんも、ウグイを釣り上げた際は、一度食べてみてはいかがでしょうか?ウグイへの印象がきっと変わりますよ!

日本ウグイ協会を設立しました!

この記事を執筆して、想像以上の反響をいただいたのをきっかけに、ウグイ好きによるWEBメディア「日本ウグイ協会」を設立しました!
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デザイナー / クリエイティブディレクター
竹本 純


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