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そこに愛はあるのだろうか

 こんにちは、今朝東京から帰ってきたばかりのオタクです。久しぶりの遠征&かなりタイトなスケジュールで動いてきたので体がとっても重たいんですが、今すぐ言語化しないともったいなさすぎるほどの感動を抱えているので久しぶりにぽちぽちと文字をしたためているところです。

今回の遠征の目的

・舞台ジパング!を観に行く
・刀剣乱舞花丸展を観に行く
・シブツタに行ってみたい
 前回の更新が1年以上前だったのですが、その時からズブズブにハマり続けているのが刀剣乱舞。あれから審神者レベルも無事に3桁に突入し、ミュージカルも何度か現地に足を運び配信を何度も観て、そこから俳優さんのファンクラブにも入り気になった出演作を拝見し、また新たに推しが増え続ける日々を過ごしています。ありがたいことにTwitterで交流してくださる審神者さんも多く、日々楽しく自分のペースでコンテンツを楽しめています。
 今回の遠征レポははミュージカル刀剣乱舞・源清麿役の佐藤信長さんが主演で出演される舞台ジパング!の感想がメインです。素晴らしい舞台だったので既に観た方・これから観られる方・現地へ足を運ぶことが叶わなかった方にも魅力が伝われば何よりです。

久しぶりの東京(刀剣乱舞花丸展)

 夜行バスで東京に降り立った瞬間の朝のキンキンに冷えた空気、好きです。遠征しに来たことを改めて実感できる特別な時間。今回はあまりゆっくりする時間がないのでスタバで朝ご飯を食べて美容室でヘアセットしてもらってから花丸展へ行くためダッシュで池袋パルコへ。フォロワーさんオススメのバタースコッチドーナツめちゃくちゃ美味しかった。あれを食べるとこの世の全てを手に入れた気分になります。

チケットにみちみちの刀剣男士たち かわいい
結局清麿くんの身長はいくつなんだろうか

 は……花丸だ〜!会場の全てが花丸で埋め尽くされた空間……なんならパルコのエスカレーターやエレベーターでも清麿くんが頬杖ついてる……最高……推し達や細かい建物・背景の複製原画、作画資料などが見られてお腹いっぱいです!
 あと会場の最後に寄せ書きコーナーがあったんですが「水心子はすごいやつなんだよ」のコメントがちらほらあって笑っちゃいました。花丸展に来てまで親友を応援している清麿くんが世の中にたくさんいる世界。そんな清麿くんのグッズも買えて大満足でした。ご飯を食べてから草月ホールへと向かいます。

舞台ジパング!の感想(ネタバレ無)

 一応かいつまんであらすじをお話しますが、詳しい内容はぜひ公式HPからご覧ください!当日券の案内もまだあります!ぜひ!

 内容としてはジパングと呼ばれる倭の圀の中にある宮(みや)の圀における後継者争いがメイン。16の国に分かれたジパングの統一を目指す宮の圀、そこの王子である阿図(あず)が主人公です。
父である王・巨埃(きょぼ)は自身が治める宮の圀の各所から王を継ぐ素質があると見込んだ子供を100人集めて後継者を探しています。王を継ぐ者には剣の技術に加え、戦鼓(せんこ)と呼ばれる太鼓の技術も不可欠。戦鼓を打ち鳴らすことによって兵士の指揮を高め戦闘力を飛躍的に上昇させ、軍を率いていく軍師としての才も問われます。
 そしていま後継者の候補として残っているのが2人。兄の慈陀(じだ)と弟の阿図。血の繋がりこそないものの、互いを褒め称え高め合う、仲睦まじい兄弟です。兄の方が剣も戦鼓も実力は上のはず……なのですがとあるきっかけで弟である阿図の才能が開花し、兄の立場は危うくなります。その後、王が暗殺される事件が起きるのですが暗殺の疑いがかけられたのはまさかの……というところから始まるストーリー。
 独自の国や後継者争いの仕組み、戦闘システム的なものがあるのですが露骨に説明パートだ!となりすぎずに世界観がスッと頭に入り、かつ大変わくわくする導入で、舞台初心者の人間にはとてもありがたかったです。
 全編を通して「愛」の物語だな、と感じられるストーリーでした。親子、兄弟、家族、友人、主従、師弟……様々な愛と思惑が渦巻いている物語。危うさを覚えるほどまっすぐで青く、いつでも光を失わない主人公の阿図。彼の眩さはいつか民を導く光となるのでしょうか。
 以下は殆どホールや今回の観劇環境についての覚え書きです。

・遠征地方民でお恥ずかしながら最寄駅(青山一丁目)から出るのにそこそこもたもたしてしまったので少し余裕持って行く方が吉
・物販は現金のみです!終演後も購入できました!
・マチネの時は暑くて会場内でしばらく汗引かなかったくらいでした
・会場内のお手洗いは広くて綺麗&回転が早かったので開演までに余裕持って辿り着けばお手洗いが混雑しすぎて行く時間がなかった!という事態は防げると思います
・ロビーにも座れる場所がそこそこありました
【以下はS席で観る方向け】
・最前列はかなり目の前スレスレで殺陣が行われます。体感は舞台まで1mもなくて演者さんの動きに合わせて地面が揺れる感覚もしっかり味わえました。舞台との高低差も大きすぎるわけでもなく首を痛めずに楽しめてよかったです!
・耳が敏感な方は念の為に耳栓持参してもいいかも?

舞台ジパング!の感想(ネタバレ有・避けたい方は飛ばしてください)



⚠︎以下、舞台ジパング!公演内容のネタバレを大量に含みます


 上記のあらすじの最後、巨埃暗殺の疑いをかけられたのは阿図でした。暗殺が行われる前に阿図は慈陀と剣の稽古をしており、そこにやってきた父から真剣でやり合えと言われ慈陀は敗北。弱者である兄の首を落とせ、それが出来ぬなら自分がやると言い放つ父の前で兄を殴り、命が奪われることはどうにか回避しました。……が、自身には及ばないはずの弟に情けを掛けられたと感じた慈陀は「今まで手を抜いていたのか」「情けをかけるな」と激昂。稽古での騒動の後、父から同盟国である鳥(とり)の圀への手紙を預けられた阿図は兄のことを何度も呼びながらも、側近である摂津(せっつ)に引きずられその場を後にします。
 その日の晩、悔しさに任せて雷雨の中で戦鼓を打ち鳴らす慈陀の元へ側近の蛾美(がび)がやってきて、王の部屋から悲鳴が聞こえたと言い慈陀を連れて行きます。王の部屋から聞こえるのは言い争う声、そして悲鳴。部屋に踏み込んだ2人が見たのは、雷に照らされる阿図の姿。ですが当の本人に父を殺したという事実はなく、訳も分からぬまま父殺しの罪を背負わされ摂津と共に逃亡の旅が始まります。行く先々で出会う仲間たちから父の本当の行いを告げられ、自分が国を治めて運命を変えてみせると言い放つ阿図。そんな彼と仲間達の物語です。
 あまり本編に深く触れすぎるのもどうかと思いますので、ここからは各登場人物・組み合わせに焦点を当てて語り、最後に全体の感想をお話しして締めたいと思います。(敬称略で失礼します)

各登場人物の紹介

阿図(演:佐藤信長)
 私の推しである佐藤信長さんが演じる、宮の圀の王子。事前のインタビューや役柄の紹介であった通り、いついかなる時も前を向く誠実な青年。父親に「王になるには優しすぎる」と叱責されていましたが、本当にその通りだと思います。父である王・巨埃のやり方に同意はできかねるものの、阿図のあのまっすぐな優しさが国を広げていく上で命取りになるのも確かなのでしょう。敵に同情している間に自分の首が飛ぶことだってありえるわけで、それを思うと「非情の王となれ」と言う父親の気持ちもわからないでもないですが……とはいえ父親のようには絶対なってほしくないですね
 穏やかで優しい人柄は普段のご本人に通ずるところもありながら、戦闘での力強さと殺気は見たことのない彼の魅力が引き出されており見応え抜群。特に終盤の父と対峙するシーンでの殺気に満ち満ちた瞳は呼吸を忘れるほど見入ってしまいました。
 拝見したインタビュー等で、お稽古で信じられないくらい腕が痛くなったと仰られていたのですが二の腕の筋肉あんなにありましたっけ……!?間違いなく今回の稽古で筋肉すごいつきましたよね!?お顔が可愛らしいのにあの筋肉量……推しの魅力がまたひとつ増えて嬉しいです。無事に全公演を終えてゆっくり休んでから、大好きなバイクと車で思いっきり走ってきてくれますように。

巨埃(演:平子悟)
宮の圀の王。見るからに強く厳しく、国を強大にする為ならどんなことでもしてのけるだろう、と思わせる人物です。後半になるにつれ明かされていく彼の行いは許し難いですが、ジパング統一に向けての志が彼をああさせたのでしょうか。

慈陀(演:寺西拓人)
阿図の兄。今作で1、2を争う可哀想な人物ではないでしょうか。王になれず、いつか斬り捨てられる人生を知らされぬまま歩まされ、弟を王として仕立て上げる為の悲劇の役者として生かされている慈陀。正しき心を持つ慈陀は、血が繋がっていないとはいえ確実に阿図の兄だと感じられます。
あの父親の教育を受けたなら性格歪みそうなもんだけど2人ともよくこんなにまっすぐ育って……早いとこ2人でお父さん倒してください

摂津(演:高田彪我)
阿図の側近。幼い頃から稽古を共にして育ったらしく、実際は主従というよりも親友のような存在。ところどころで挟まれる彼の小ボケ(?)にはくすりと和ませてもらいました。これから何が起きても外野に何を言われようと、彼だけは阿図の隣にいてくれると信じています。

蛾美(演:山下由奈)
慈陀の側近。束ねた黒髪が美しいお姉様です。踊りも剣も美しく、強く凛とした女性ですが、王に家族を人質に取られており……。1回目の観劇時では「?」となったセリフがあったのですが、2回目の観劇時に納得しました。宮の圀の王、本当にどこまでもむごい。どうか家族と平和に暮らしてほしいです。

クク(演:田中雅功)
阿図と摂津が国から追われ逃げた先で2人を助けてくれた少年。鳥の圀の戦楽士だった両親を失い1人で暮らしています。父を目の前で殺され、母も笛を遺しこの世を去りました。ひ弱で虐げられる側だったククが、阿図と出会い強くなっていく様は目を見張るものがあります。いつか阿図が王になった暁には宮の圀の剣士になってほしいですが、彼の生い立ちを考えると難しいような気もします……でも阿図のそばで剣を振るってるところ、正直見たすぎる。

紫螺(むら)(演:仲美海)
自然豊かで美しい鹿(しか)の國の姫ですが、国を攻められ両親を失い、側近の俣野志(またのし)と共に盗賊に身を窶しています。鹿の國一の戦鼓士であり、演じられた仲さんも長い間太鼓をされているそうで太鼓の響き方がもう桁違いでした……!見た目こそ小柄で可愛らしいですが信念は強く、とても素敵な女性です。

俣野志(演:松本幸大)
紫螺の側近。一見やや粗暴な印象を受ける彼ですが、仕える姫である紫螺への固い忠誠と仲間を思う気持ちが強く伝わる人物でした。姫へ厳しい言葉をかけるのもきっと愛ゆえ。両親を失い国を追われた紫螺を守ろうと直走ってきたのでしょう。

強羅(ごうら)(演:宮地大介)
終盤に出てくる虚空蔵山(こくぞうさん)に住む老人。その昔あった戦では「城食いの強羅」と呼ばれ、1人で城を落とすと恐れられた男です。強羅の持つ魔獣の皮で作られた太鼓を譲ってもらうために皆で彼に挑むわけですが誰も歯が立たず、戦闘経験が浅い故に恐れず立ち向かったククが彼に勝利します。隠居の強いおじいさま、めちゃくちゃかっこいい。

各シーンで感じた様々な愛

王と息子(慈陀)の愛
 息子、とはいえ血の繋がらない息子である慈陀。父のことを心の底から尊敬し、ともすれば盲信とも呼べる勢いなのが伝わってきます。「愛する息子よ」と劇中で王は言いましたが、1回目と2回目の観劇では180度がらりと聞こえ方の変わる台詞でいっそ寒気すらします。息子から父への愛はあったとして、本当に父から息子への愛はあったのでしょうか。ほんの僅かでもそこに愛があったことを祈るばかりです。

王と息子(阿図)の愛
 こちらは兄とは違い、巨埃と血の繋がった実の息子である阿図。とはいえその事実が明かされるのは劇中終盤のシーンで、それまでは自身も兄も父とは血が繋がっていないと信じています。実の息子を非情の王として育て上げるために人でなしとなれるのは歪ではありますが愛なのか、それとも彼のやり方でしかなく、阿図も彼の駒のひとつでしかないのか……。

兄と弟の愛
 兄を慕い尊敬する弟、王の器は弟の憂いの心にこそあると話す兄、血は繋がっていなくとも確かにここに愛はありました。兄から非難され顔を歪めて絶望する阿図の表情はあまりにも生々しく、鮮明に記憶に焼き付いています。集められた100人の子供たちの中からたった2人だけ残された兄弟。幼い頃、他の子供たちが次々と淘汰されていく中で手を握り合いながら眠った日なんかもあったりしたんでしょうか。

主従(宮の圀・慈陀と蛾美)の愛
 自身の仕える慈陀こそが王の器であると信じ、まるで我が子のことのように微笑む蛾美。そんな彼を心配して駆け寄るシーンもあれば、傷付き倒れた蛾美を抱える慈陀のシーンもあり、互いへの厚い信頼が感じ取れました。

主従(宮の圀・阿図と摂津)の愛
 主従ではありますが共に剣の稽古を続けてきた2人は親友とも呼べる存在で、摂津の前でだけは砕けた態度の阿図が見られてほっこりしました。底抜けに明るい摂津がいたおかげで救われたこともきっと多くあったはず。これから阿図が王となっても変わらず笑い合えることを祈るばかりです。

主従(鹿の國・紫螺と俣野志)の愛
 正直なところ一番泣いたのがこの2人のラストシーンです。時には厳しい言葉を掛けながらも紫螺を守ろうとする俣野志のひたむきさは涙なしには見られません。勝てる見込みがないと分かっていても、姫だけはどうにか救おうと最後の瞬間まで足掻き続ける彼の命の美しさはあまりにも眩すぎました。紫螺自身も強い女性ではありますが、俣野志がいたからこそここまで2人で生きてこられたのではないでしょうか。

師弟(阿図とクク)の愛
 自身の父によって両親を奪われた少年が、村の人間から暴力を振るわれながら暮らしている。そんな光景を目の当たりにした阿図は、自分も昔は身体が弱く、人々から追い詰められる側の人間だったことを打ち明け、強くなりたいか、と問います。左手が動かせないこともありククは躊躇いますが、そんなククに掛けるのが「お前の身体に聞いているのではない。心に問うているのだ」という言葉。それを聞いたククは頷き、阿図も応えるように微笑みます。自身が親を殺した巨埃の息子だと打ち明けた阿図に「強さをくれ」と言い、師から掛けられた言葉を最後には自身が師に掛けるまでになります。「費やした時間の分だけ豊かになる」、努力を重ねてきた阿図からククへと送られた言葉は力強く、きっとこれからも成長していくククの糧となることでしょう。

公演を見終えての全体的な感想

 ハイカロリーな舞台だ、と事前に聞いていたものの本当にハイカロリーでした。体感2時間超え。それでも設定や登場人物がこんがらがることなくスッキリと頭に入ってきて楽しめる素敵な舞台でした!
 中でも序盤に出てきた台詞が終盤に活かされることも度々ありましたので、個人的には1度だけではなく2度観て頂きたい舞台です。とはいえこのnoteを公開する頃には土日の公演を残すのみですので実際に足を運ぶことが難しい方も多いかと思います。配信もなく円盤になる予定もないとのことで……どうにかあとから円盤出ませんか……よろしくお願いします……。
 それから終わり方も続きがとてもとても気になる終わり方だったので続編をいつの日かお待ちしております……!成長した阿図が王となり運命を、ジパングを変える姿をぜひこの目で見て、彼の魂の眩さを感じたいです。いつかまたどこかで彼らに会える日をいつまでもお待ちしています。

そのほか久しぶりの東京もろもろ

・マチネ後に呆然としながらシブツタに行き、梅津瑞樹さんのオススメ本コーナーで本を買いました。梅津さんの書かれる文章って唯一無二で人を惹きつける魅力がありますよね。彼を作り上げたもののひとつに触れられて嬉しい限りです。他にも好きな俳優さんのグッズや書籍が所狭しと並べられており見ているだけでめちゃくちゃ楽しかったです……!いいなぁ東京……。
・今回は新宿→代官山→新宿→池袋→青山→渋谷→青山→新宿、と都内をうろうろしたんですが帰ってきて歩数カウントした履歴見たら2万歩超えてました。帰る頃には足がむくみすぎて靴履けなくなりそうなくらいだったのですが遠征帰りってその足のむくみすら愛おしくなったりしますよね。まだ足がじんわり痛いのでポケモンやりながらのんびりしようと思います。

 とりとめのないオタクの覚え書きでしたがご覧頂きありがとうございました!書いているうちに終わりが見えなくなったのでそろそろ終わります。よかったら最後に先日バイクが納車されてご機嫌の推しくんでも見ていってください。それではまたいつか。

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