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就活の自己PRの"生々しさ"とはなにか?この武器を持って面接官を刺しにいけ

新卒の就職活動において、多くの人が「サークル活動」だったり「部活」だったりの話をすることが多いです。正直、僕も面接官として、死ぬほど似たような話を聞かされるので、食傷気味になっていました。しかし、同じような話でも、もっと個別具体な話になれば、絶対に似ていない話になります。そういう特殊さをアピールしない限り、もう数分後には面接官の記憶からは消えてしまいます。

僕は”株式投資歴”がフックだった

最終的には僕はファーストキャリアとして証券会社に就職しました。基本的に証券会社をたくさん受けていたので、そこで磨きあげたトークをしていました。具体的には、モロに株式投資の実体験を話していました。

僕は、中学3年生から株式投資に興味を持ち、実際に自己資金で株式投資をしていた僕は21歳の時点で「株式投資歴6年です!」とアピールすることができました。競合のほとんどが提供できない投資歴という実績を説明できましたし、若手の面接官が「俺より経験豊富じゃないか!」なんて言ってくれることもありました。会社側からすると、それだけ株式投資に興味をもっている僕を採用したとして、実は株に興味がなかった!なんていうミスマッチは起こらないだろう、という安心感を提供できました。

上記の例は少し時間軸として長すぎるので、すでに就活期に近い学生には、いまさら何とかできないよ!という内容ですが、短時間でもなんとかできるものもあります。それは「生々しい話」です。

僕の生々しい話は初めての投資で経験したストップ高とストップ安だった

投資歴が長いだけだと正直、どこまでやっていたのか分かりません。証券口座を持っているだけだったら?仮想トレードツールだけだったら?評価が変わるでしょう。

僕はいつも初めての投資について話していました。

初めて投資をした株はピジョン(7956.T)でした。子供向けのおしゃぶりが中国で好調でシェア1位で介護向けにも強い会社だが、僕は「中国で一人っ子政策が緩和されるっぽい」とか「日本では高齢化社会で大変になるのが間違いない」とかで、さらには「天皇家に子供でも生まれたらちょっとしたベビーブームが来るかもしれない」など、妄想カタリストを考えて、ピジョン株を買ったことを説明しました。

今までの株式分割を考慮にいれると当時1株170円くらいで、17万円程度で購入した記憶があります。それがあるときストップ高になって、一時250円まで急騰し、夕刊で毎日株価をチェックしていた僕は小躍りしました(ネット証券ではなかったので夕刊で前場の結果を見ていました)。

中学生にとって+8万円はとてつもない大金です。しかし、そこから一転、ストップ安の連続で、結果としては元の120円程度まで落ち込んでしまいました。とてもショックを受けました。

その時、どうやったら株価を予想できるのか、そして株式投資で儲けることができるのか、とても興味深く思えたので、その原体験があって、高校時代に株式アナリストという人の存在を知り、それになりたいと思ったんです、そう自己PRをしていました。

(ちなみにピジョン株はピークでは6,000円をゆうに超え、今でも4,300円あたりとなっているので、ずっと持っておけば17万円が300万円をこえている。大変なことになっていた。8万円ごときで喜んでいるレベルではない)

そのものでなくても広い意味での共通点があればいい

ここで大切なのは、株に勝ったか負けたかではないと思っています。どういう原体験からその業種に触れることとなり、またその会社で何をしたいかがはっきりしていればよいと思っています。

単純に「投資していました」とか「興味を持っていて」とかでは生々しさが足りません。この銘柄でどんと勝負した、それはなぜか、という話くらいまで、生々しさが必要だと思います。また、株で勝ちたいという目的であれば、これは証券アナリストでなくトレーダーの面接で話しても大丈夫なネタでもあると思います。

また、これが株でなくてもいいと思います。例えば、今であれば「仮想通貨投資を流行りに乗っかってやってみたが損をした」とか「あのサッカー選手を海外に売ったあのチームはいくら投資して結果いくら儲かったのか計算してみた」など、"株"そのものでなく、"投資"という枠組みまで抽象化してもいいと思います。広い意味での"投資"であれば大丈夫だと思います。

同期で「麻雀がとにかく強い」という話で、トレーダーになったやつがいました。麻雀ほどその場の心理戦と頭脳戦の両方が高レベルに求められるものもない。勝負事が大好きで、そこで徹底して勝ってきた、大会で優勝したこともある、そういう内容だったようでした。。

何かちいさな原体験を話してほしい

マーケターになりたいなら、自分がクラスで流行らせたシャープペンシルの話でもいいでしょう。事業企画になりたいなら、文化祭の出店でいくら稼いだか、そのためにどんな戦略と事前準備をしたかを話してもいいでしょう。投資銀行本部に勤めたいなら、自分のいたサークルをどこかのサークルと合併でもさせていればとても面白いですし、そうでなくとも、僕がどこの会社の社長ならどんな会社をいくらで買うかみたいな妄想話でもいいと思います。

働くときにやることのスモールバージョンでいいので、あなたのちいさな原体験を、生々しい話をしてほしいです。

エピソードや数字など、生々しさを残そう

つまらない話やありきたりな話をしてもしょうがないです。記憶には残りませんから。サークルを作ったからリーダーシップがある、派閥が分かれた2グループのあいだを取り持って全体が一致団結した、それで試合に勝てた。あっそ、で終わります。どのくらい陰湿な派閥争いがあり、それは何人ずつのグループだったのか、常に生々しさを求められます。

生々しい体験やエピソードなどの定性的なものと、同時にどれくらいの規模で広まったかとか、いくら稼いだかとか、そういった定量的な数字があればなお良いでしょう。そこで正確さは求められないので、10人規模の話なのか100人規模の話なのか、10万円稼げたから全員の打ち上げの費用が出たとか前年比2倍の成長を遂げたとか、そういうレベル感で充分です。

深堀した生々しい話を抽象化してその会社に当てはめよう

こういう話をするときに重要なのが、「具体と抽象の行き来」であるのがまた面白いです。これができると自由自在に自己アピールができるし、深堀したエピソードトークも興味深いものに変わります。

売られているすべてのエナジードリンク試して、それぞれを点数化して、ブログを書くということをしたとしましょう。気合を入れれば1か月もあれば充分に可能そうです。その点数をつける際の軸をしっかり検討し、またそれぞれの原材料など成分についてもチェックして、マッピングでもしてみたらどうでしょう。

この経験を抽象化すれば、マーケターの志望動機にも使えるし、調査力という軸でリサーチャーに、業界軸で飲料メーカーを志しているというネタにも使えそうです。また、競合と自社のポジショニングネタから事業企画職にというアピールや、ブログを書いて広く伝えていくという面からPR広報の志望動機として使えるネタにもなるでしょう。ひとつのネタが複数の軸(職種や業界)で使えそうです。

また同時に、エナジードリンクの細かな味の違いや効果の違いについて熱く生々しく語れればもう勝てるだろう。「こいつは具体と抽象のバランスがいい人間だ」そう思ってもらえるはずです。

(ちなみに僕は1日1本エナジードリンクを飲んでいて「そんなに毎日エネルギーの前借りしたら早死にするぞ!」とコンサル時代にパートナーに言われたことがある。その時に僕は「エナジードリンクで前借できるのはせいぜい1日分です。毎日1本飲んだところで、次の日から今日に1日ずらすだけなので、最終的には寿命は1日しか減りません」と答えて、めんどくさいやつだなと思わせることに成功しました)

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