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帰る家、ホームがあるという事実は幸せに繋がる。よい事だよ。

人類の滅亡を想像しました。今回もテーマに沿って週刊キャプロア出版に掲載する文章を書かせていただきました。タイトルは新世紀エヴァンゲリオン(TV放映版)の渚カヲルくんの台詞からの引用です。この後世界は崩壊する。

今回のテーマは『家』です。
大阪から電車で10分の距離なのにも関わらず、地元の街に空き地が増え始めました。
住んでいる人がどんどんいなくなって、住んでいる人が居ないため朽ちて行っている家もあります。台風の度に壊れて行っているので、地震が来たら崩れてしまうのかもしれません。
本当にこの街から誰も居なくなってしまうんじゃないかという感じです。
新しい家も立つけれども、どこか寂しいのは子供たちの声が聞こえないからなのかもしれません。
そんな地元の家々をみていると、世界はこうやってゆっくりと朽ちていって、誰も居なくなってしまうのではないかと思った。
ローマやマチュピチュや世界中にある古代遺跡はこうして滅んだのかもしれないと思った。
崩壊は戦争や核兵器による放射能汚染だけではなく、環境破壊だけでもなく、人間が人間をやれている社会性や歴史を止めた時に乙津れるのかもしれない。家はその基本だと思う。
一人じゃダメだし、誰かと支え合ってまとまって、それを次に繋げなきゃいけない。その役割を果たしている家について書いてみた。今回は詩です。オイラは岩谷時子さんや立原えりかさんや岸田理生さんや寺山修司さんや伊東杏里さんの様になりたい!


本投稿は、『週間キャプロア出版』で掲載されたものを大幅に加筆修正したものです。
『週間キャプロア出版 企画』とは、全てFacebookメッセンジャーのやりとりだけで企画からKindleでの出版までをメッセージグループに居合わせたメンバーだけで行うという新しい試みの出版グループです。とても面白い試みですので、ご興味がある方は是非参加してみてください。

週刊キャプロア出版(第16号): 家 週刊キャプロア出版編集部 https://www.amazon.co.jp/dp/B07GWYL98X/ref=cm_sw_r_tw_dp_x_bcqIFbEK556GF

帰る家、ホームがあるという事実は幸せに繋がる。よい事だよ。

黒い雨が降らなくても
火と水の怒りが襲ってこなくても
街は死んでゆくのよ
人々はいちどにはたやすくいなくならないわ

道を歩いていたらばね
たくさんの婆さんに出会ったわ
たくさんの爺さんに出会ったわ

    わたしには帰る家がないと言っているのに

家には上げさせてはくれないの
そそくさとボロボロの家に入っていくのよ
草木でボーボーの家に入っていくのよ

それでもわたしは不憫に思って
ボロボロの家を直してあげたわけさ
ボーボーの草木を刈ってあげたわけさ

    わたしには帰る家がないと言っているのに

電車が動かなくなって
走る車を見かけなくなって
少しずつ朽ちてゆくのよ
わたしにはわからなかったのだけれども

道を歩いていたらばね
たくさんの女子に出会ったわ
たくさんの男子に出会ったわ

    家にはわたししかいないと言っているのに

誰ともいっしょに暮らさないわ
わたしひとりで充分なのよ
一緒に居たくても居させてくれないのよ

わたしは子供のように振舞って
地べたに寝転んで駄々をこねるの
ときおり愚かな王子がやってくるだけ
便利に助けてくれるのよ

    家にはわたししかいないと言っているのに

芽が出ても摘み取って
大きくなったら摘み取って
たわわに実った果実も摘み取り
全部食べてしまったわ

出世魚にはなりたくないの
ずっと稚魚のままなのよ
誰も気付かなかったわ
もう手遅れだったわ

家には誰も帰ってこなくなった
帰る人が居なくなった
子供を生ませてくれなかったばかりに
家はさみしく死んで行く

掲載時のあとがき
空き地が増えて地元の荒廃を見て、帰るべき家に誰も居なくなってしまった寂しさを思いながら、ふと少子化問題を考える。私たちはまだ子供はいらないと言っているけれども本当にそうなのだろうか?子供が欲しいのに欲しいと思えないのではないだろうか?無意識の声にもっと耳を傾けたい。もしくは本当にその声が心からの声ならば、そんな社会は死んで当然である。だがしかしそうは思いたくないから声なき声を叫びにかえて、未来を夢見たいと心に誓う。

週刊キャプロア出版では、このようなテキストを沢山の人が参加して、沢山の人が企画し、編集をして出版される電子書籍です。
Kindle Unlimitedでも無料で読むことができますので、是非お手に取ってみて下さいね。

週刊キャプロア出版(第16号): 家 週刊キャプロア出版編集部 https://www.amazon.co.jp/dp/B07GWYL98X/ref=cm_sw_r_tw_dp_x_bcqIFbEK556GF

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