頑張ってる君が好きだ

あと４日らしい。結婚式まで、あと４日らしい。えっ４日！？結婚式が終わったあとの私はこれを読んできっとこう思うだろう。

「こんなの書いてないでさっさと準備進めてよ過去の自分！！」

それでもここに書いておきたい。何事も過ぎてしまえば美化されてしまいがちだから。ここに書かなければ私はきっと挙式後にこう言うんだ。

「なんだかんだ準備も含めて全部楽しかったなぁ〜♩」

間違ってはいない。美化されすぎてもいない。ただ、楽しいだけではないんだよ。いまめちゃくちゃ大変なのだけど、覚えていますか？未来のわたし。楽しいよ、楽しいこともたくさんあるよ。いいことだけ記憶して前に進むってことは大切よ、わかるわかる。過去のトラウマや苦しみにいつまでも縛られていては苦しいだけだし、なるべく楽しいことばかり考えて毎日笑顔でハッピーに過ごしたいよね、うんわかるわかる。

私は昔からそう。試験２週間前にるんるんで新しい文房具でも買って試験勉強の計画を立てる。しかし計画どおりに順調に勉強をしたことなんて一度もない。

意外となんとかなるんじゃない？これ明日でも大丈夫じゃない？そんなふうに思ってすぐ現実逃避をする。部屋の片付けを始めたり。あるあるだよね。

そうして残り数日、いや、ひどいときは前日当日。ようやく焦るのだ。これはやばい、と。過去の自分を責めながら必死にノートや参考書に並ぶ単語たちを片っ端から目に通す。もう何がなんだかわからないけれど、とりあえず目に焼き付ける。

そうして、幸運なことに意外となんとかなってきた。そんな自分が好きだった。

初めてなんとかならなかったのが大学受験。

私が受けたのが本命１つと滑り止め１つ。

滑り止めの大学になんて行く気は全くなかった。どこにあるかさえも知らなかった。パンフレットさえ請求しなかった。ホームページも見なかった。

それなりに受験勉強は頑張ってきたはずだった。塾に通う周りを見て焦る気持ちを抱えながら、図書室の自習スペースに駆け込んだ。毎日のように各科目の教員室に解いた過去問を持参して質問をしに行った。

頑張った、けれど不安がないといえば嘘になる。もうやるしかない。このドキドキを楽しもう。今までだってなんとかなってきたじゃないか。

そう自分を奮い立たせて受験会場に向かったあの寒い日。懐かしいねぇ。

不合格の文字を自室の隅っこで確認して、絶望した。全身が震えた。

当時付き合っていた彼氏は一般入試と全学部入試で合格を二度も得ていた。

全くおなじ大学、おなじ学部。ねぇ私にひとつわけてよその合格証明書。

涙を流しながら滑り止めの大学のホームページを見て、あぁこんなところまで私は４年間も通わなきゃいけないのかと更に落ち込んだ。遠い。憧れのキャンパスライフは入学する前から崩れ落ちた。彼氏にもやつあたりした。京王線で何度も泣いては困らせた。子供すぎたね、ごめんね。勉強不足だった私がいけないのに。

そうして私は嫌々入学した大学で、楽しかった高校生活を引きずりながらふてぶてしく過ごしていた。そのとき叱ってくれた友人には本当に感謝している。

「高校はたしかにすっごく楽しかったかもしれない。でも私はみなみと仲良くなりたいと思っているし、もっと一緒に楽しみたいよ。大学もきっと楽しいよ！楽しもうよ！」

結果、私はこの大学に入学して正解だった。英語漬けの生活や試験勉強は大変だったけれど楽しかった。なんとかなった。いや、なるようになった。出会うべくして様々なひとに出会い、いろんな経験をして、就活も無事に内定をもらった。

あれ？なんの話？

あぁそうそう、私はいつもギリギリになるまでタスクを溜め込んで、直前になってやっとスイッチが入って急に生産性UPするって話。なんとかならなかったときもあるけれど、大体なんとかなっちゃって。そんな追い込まれて燃える状況が、好き。頑張ってるって心の底から思えるときの自分が好き。

まさに今も。

そんな私のテーマソングはいつだって阿部真央さんの歌。

『世界はまだ君を知らない』のサビの歌詞に毎回励まされる。

頑張ってる君が好きだ

大好きな友達たちへのLINEも止めて、結婚式の準備に集中している。

ストレスで全身に蕁麻疹ができた。寝ている間にかいてしまったのか首元が傷だらけ。あぁあ。胃は毎日痛い。特に寝る前はぱんぱんに張って吐き気までする。くまもできた。肩もこってパンパン。鬱転して起き上がれない日もいっぱいあった。はやく安心したい。何からも追われずに、旦那さんとジンジャーエールで乾杯がしたい。おっさんずラブを見たい。牧くん最高に好きよ。

あと４日しかないらしい。

いや、４日もあるらしい。

どうなるどうなる？私の結婚式。

大丈夫。絶対いい式にするよ。なるよ。

ゲストみんなが笑顔になれますように。

HYGGEな時間をともに過ごせますように。

準備は全くHYGGEじゃないのが皮肉だが。

大変だけど楽しみたい。実際この極限状態は結構楽しい。

コーヒー飲みながらの徹夜って好き。

双極性障害だからだとしても。軽躁状態なのだとしても。

そんな私も私は好きよ。

いつだって私は私の味方でいたい。

頑張らなくたって幸せにはなれるし

頑張れば頑張るほど幸せになれるとも限らないし

頑張って頑張った結果、身体を壊したらそのときの努力は否定されたりもする

頑張ることってなんだろう

なにが正解なんだろう

適度に頑張って８０点の結果が出るくらいが生きやすいのかもしれないね

でも私は頑張ることが好きだ

１００点がほしい

いつだってそのときの自分の１００点を目指したい

頑張ってる私が好きだ

だからまだまだ頑張るよ、楽しむよ

「楽しかったなぁ、大変だったけど！頑張った価値はあったよね」

そう笑ってる未来が近いうちにありますように。

あぁ遠くから聞こえる気がする

聞きたくない聞きたくない。両耳にぎゅっとふたをする。

「こんなの書いてないでさっさと準備進めてよ私！！」

はーい、はいはい、おっしゃるとおり

でも今日はおやすみなさい

ねぇまた明日頑張るもんね、頑張ろうね私