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私の本との向き合い方 前編(書店を開くまでのおまけ1)

本を読むのが好きだから。

本に関わる仕事をする人は、多くの場合そういう目で見られるでしょう。

私も決して例外ではありませんでした。

が、私は「本を読むのが好き」と言うより、「本が好き」と表現される方が合っていると、自分では思っています。

たしかに、私の子ども時代には、母が読み聞かせをするのを取り上げて自力で読む方を好んだらしいというエピソードもあります。

けれども、書店アルバイトで再会した同級生のように「本の虫」のような読み方もできないし、好きな本について熱っぽく語ることも実はかなり苦手です。

たとえば、スポーツを自分ではしていないけれど観戦するのは大好きという人が多く存在するのは、想像しやすいのではないでしょうか。

それと同じで、本を読むこと以上に本が持つ力に魅了された私のような人間は、「本読み」と同じくらいたくさんいると思うのです。

また、本というモノに興味があるため、私は電子書籍よりも紙の本を重視していますし、ショッピングサイトよりも”リアル書店”の方が本の可能性を充分に引き出してくれると信じています。

畢竟、自分も”本屋”をやりたいという想いが育ってきました。

私が幼い頃からすでに出版不況の波は始まっていたと論じられますが、それでも本の魅力や可能性が失われたわけではありません。

先日Twitterで一言つぶやいたのですが、”書物”と呼ばれるものは1000年以上前にすでに成立していたわけで、それが羊皮紙や竹から紙に変わっても、人間の文化を長い間支えてきたことは間違いありません。

そんな”書物”ないし”本”が、さらに一部電子に変わっていったとしても、淘汰されることはそう簡単には起こり得ないと、私は信じます。

電子の普及と関係なく、この世から紙が消滅しても、人間はどうにか本を生き延びさせるでしょう。

そんな”本”が持つ力についての考えを、後編では少しだけ掘り下げようと思います。

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