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電力の逼迫に思う。これこそが気候危機であると。

暑いですね。月末とはいえ、まだ6月です。
それなのに、外に一歩出ると、
死者が出ても不思議じゃないと自然に思えるほどの猛暑です。
突き刺すような日差しが痛いですね。

皆さん、本当に熱中症には気をつけてください。
特にいま、参議院選挙の真っ最中です。
照りつける太陽の下で演説をつづける候補者の皆さんもそうですが、
その声に耳をかたむける有権者の皆さんも、注意が必要です。
意識して水分をとり、太陽の直射を避けてください。

さて、そんな折に問題になっているのが、電力の逼迫ですね。
政府は夏真っ盛りでもない今の段階から節電を呼びかけています。

どうしてか、といえば、ロシア・ウクライナ戦争によって
地球全体でのエネルギー供給に支障が出ていることと、
脱炭素の流れから石炭火力発電所の運転を控えていること、
今年3月に起きた福島県沖の地震で石炭火力発電所が損壊し、
その影響が出ていること、などがあるようです。

もちろん、それにプラスして「猛暑」ですね。
東京では観測史上最長の猛暑日(35度以上)がつづいています。
今日、書きたいのは、これらが、気候危機そのものだ、ということです。

皆さんは地球温暖化や気候危機というものを、
どのようなものだと想像しているでしょうか。

どのように危機はやってくると思っていますか?

いや、まだ何も想像していないかも知れないですね。
仕方ないです。そういうことはだいたいが、後から振り返った時に
「あそこがターニングポイントだったんだね」とわかるものですからね。

でも、地球温暖化ばかりは、そういうことではダメなのです。
だから、こうして書いています。

今日も、猛烈に暑いですよね。
でも、これって夏だからなんじゃない?当たり前なんじゃない?
と思うかも知れませんね。

ものすごく暑い夏も、冷夏もあるものです。
今年、どんなに猛暑でも、来年が冷夏なら、
やっぱり温暖化なんて起きていないんじゃないか?と思うかも知れません。

それに、冬になればものすごい寒波もやってきます。
温暖化しているなら、寒波があることはおかしいと思うかも知れません。

でも、ちがうんですね。

夏の暑さというのは確かにものすごく暑い年もあれば、
冷夏の年もあります。
折れ線グラフにすれば、ギザギザしているものですよね。

温暖化というのは、このギザギザが、ギザギザの動きを維持したまま、
全体としては上に上がっていくと言う動きをします。

つまり1年1年を取り出して暑いから温暖化している、
涼しかったから、やっぱり温暖化していない、ということではなくて、
全体を平均したグラフにすると、
平均気温がだんだん上がっていくということです。

なので、ものすごく暑い夏は、過去のものすごく暑い夏と比べてみましょう。
冷夏は、過去の冷夏と比べるのです。
そうすると、今の方がだいたい暑いとわかるでしょう。

ですから、この夏の記録的な猛暑は、
地球温暖化なのだと考えていいと思うんですね。
私などは天気予報の時に「今日も記録的な猛暑です」と
中立的な立場から情報だけを伝えるのではなく、
「地球温暖化は進行しています」と毎日毎日、
すべてのテレビで言って欲しいくらいです。

実際、そう言う問題ですからね。
スポンサー企業にかまってなどいられないはずなんです。

寒波はどういうことなのか、というと、
地球温暖化がもたらすものというのは、トータルには平均気温の上昇ですが、
個別に見ると「今までとは気候が変わる」ということです。
だから気候変動というんですね。

気候が変わると言うのはどのように変わるのかというと、
水の移動の仕方が今までと変わります。
それによって、様々な現象が極端になるんですね。
雨が大雨になったり、風が大風になる。

そして海流や風のルートが今までと変わります。
そうなると、今までは来るはずのなかった極地の冷たい空気が、
人が住んでいる地域に流れ込んだりする。

これが寒波の原因です。
だから、極端に寒い事も含めて、地球温暖化による
気候変動なのだ、ということなんですね。

気候変動や、気候危機の話になると、
2050年にはこうなる!とか、2100年にはこうなる!という
未来予測が語られることが多いですね。

でも、その変化は実際にはどのように起こるのか?というと、
そこまで想像できていないと思うのです。

これからの未来に向けて、気候変動にともなって、
食料や水も不足していくと言われています。
それはどのように我々の暮らしに浸透していくのでしょうか。

例えば、いま、ガソリンの値段が高くなりましたよね。
その理由は主にウクライナ危機と言われていますが、
これはようするに化石燃料が途絶えた危機です。

理由が戦争であれ、なんであれ、
化石燃料の使用量を少なくするということは、
今のような事態を必ず経験する、ということでもあります。

ですので、ウクライナ危機は単なるきっかけなのだと思うんですね。
このガソリンの上昇は、化石燃料からの離脱のきっかけに
していかなければいけないということなのだと思います。

また、食料の値段も一気に上がりましたよね。
小麦などはウクライナ危機が原因と言われていますし、
これからは円安の影響でさらに物価高が進行すると言われています。

しかしですね、我々人類はこれから慢性的な食糧不足になることは
ほぼ確定しているわけです。
ということは、この物価高も、気候危機の結果が私たちのくらしに
どのように影響して来るかということの表れだと捉えるべきなんですね。

たとえ円安がとまり、日本の市場経済が正常化したとしても、
あるいはウクライナ危機が終わり、様々な輸出入が再開したとしても、
気候変動を原因とする影響は何も解決しておらず、
しかもこれからどんどん大きくなっていくわけです。

化石燃料の使用を終わらせるということは、
今のような電力逼迫を乗り越えて、
その先にどんな未来社会を作り上げるか、ということですから、
場当たり的に原発や火力発電を動かすのは構いませんが、
それで問題が解決したとは考えないことです。

いや、実はむしろ本質的な課題解決を
先送りにしているのだということに気づくべきでしょう。

日本は人口が減少していきます。
その現実の中で、エネルギーと食料の自給率を高め、
しかも環境負荷を極端に下げていかなければいけません。

今、電力が逼迫して我々の暮らしが厳しくなるのは、
ひとつには電力が足りないからですが、
もうひとつには、我々の生活習慣が電力を必要としすぎているからです。

今を維持して、それに必要な電力量を割り出すのではなく、
生産できる電力量の中で、どのように生きられるのかを考えるのが、
地球に生きる生命種としての本当の姿です。

人類はどんなに科学技術を進化させても、
この大自然や地球、そして宇宙をコントロール下に置くことはできません。

自然との共生という言い方は、ちょっと語弊があります。
人類の思い上がりを含んでいるからです。

人類は地球でしか生きられません。
なぜなら、我々自身も地球の自然の一部であるからです。
自然と共生するもなにも、もともと私たちは地球なのですから、
地球が決めているサイクルから逸脱することはできないのです。

人道的に言えば、エアコンを使わなければ死んでしまうわけですから、
躊躇なくエアコンを使うべきでしょう。
何を節電し、何を使うかは、しっかり判断すればいい。

しかし、自然の猛威の中で生き、そして死んでいく動物を見れば、
地球上の生命は、環境に適応できなければ種が絶えるのです。
人類だって、自ら引き起こした環境破壊によって、
生きられなくなったのであれば、淘汰されるのが必然かも知れません。

もちろん、今の段階でそこまで破滅的には考えませんが、
そういうルールの中にいる以上、我々にできることは
これ以上、我々自身が適応できないような状態に、
地球の環境を変えないことなのではないか、と私は考えます。

今、言われている節電は、それ自身が気候危機なのかも知れません。
もしかするとそれは今だけのことではなく、
このままずっと続くかも知れません。

気候危機の予測は、すでに2100年までわかっていますからね。

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