散策など
朝早くからでていき、この日はフィルハーモニー・ド・パリへいった。そこで行われる、アルフレート・ブレンデルさんによるレッスンの見学にいくためだ。オーストリアのピアニストで、現役の頃にたくさんのピアノソナタのアルバムを残している。今は引退をして、いろいろな演奏家の指導をしているそうだ。フィルハーモニーにも行ってみたかったし、そんな人のレッスンを間近でみてみたかったし、なによりもその日はとても時間があったので、行ってみる事にした。今回の内容は弦楽四重奏の3グループのレッスンだった。どのグループの演奏者も、とても若く、リラックスをしつつも、背筋はしっかりとのびた様子でレッスンを迎えていた。そしてもちろんだけれども、グループごとに違う色をもっている。ベートーヴェンとシューベルトの曲を、それぞれ順番に演奏し、そこをアルフレートさんが指導をしていく。演奏を聴き、僕の耳ではいい演奏だなと、思っていたら、『音に感情が入りすぎていて、すこしばかり目立ちすぎる』『ピアノのように』と指摘をうけた。いわれた通りに演奏を直すと、確かにその方がよいと思えるように変わっていった。指摘どおりに演奏を何回やっても、うまくできずに、演奏している方も、聴いている方も笑ってしまうことがあった。そこでアルフレードさんが『次でラストだ!』というと、決まってすばらしい演奏に変わり、客席からの盛大な拍手がおこった。全体のレッスンを通して印象に残ったのは、アルフレートさんの指摘に対して、演奏していた方は、とても楽しそうに、聞き入れていたところだった。また、よく質問もし和気あいあいとしている空気があった。朝からすばらしい演奏を聴く事が出来た。
そして、音楽につづき、音楽ということで、この日はレコード屋にむかった。事前に数件リサーチをして、グーグルマップに印をつけていた所をめぐった。まず最初にいったところは、実際にはまったくみつからなかった。地図の星が着いているところは、どこからみても壁だったし、そもそも、その通りのほとんどが、なんにもなく壁ばかりだった。隣の通りも念のため調べたけれども、そのグーグルマップ上に存在しているはずのお店はみつからなかった。ここにあるはずなのに(しかも評価もついて、コメントもされている)どこにもない。そんなお店を探す時間はもうなくなってきたので、近くにある次のお店へ。次は問題なく見つかった。ただ新譜がほとんどだったのと、全体的に少し高めだったので、次のお店へ移動する。またしても、見つからなかった。また次のお店へ。このお店はとても良かった。まず入口に小さな犬が迎えてくれて、なついてきた。ひとしきりあやしてから、奥にある7インチコーナーを。それからいろいろと順番にみていると、なにやら足もとでがさがさと動いている感じがして下をみると、さっきの犬がいた。またしても、ひとしきりあやしてから、レコードに移る。しばらくみていると、今度は犬が吠えはじめた。お店でかかっている音楽に反応しているみたいだった。曲が終われば静かにするし、また始まれば吠えはじめる。とてもお利口さんだ。ということで、犬は外に散歩につれられていった。ここではフランスのものを中心に、7インチを10枚買った。合計で5ユーロ(改めて違う日に買い足しにいった)。
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