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残火を生きる

「本格的な燃焼のあとになお残っている火」を残火ざんかと呼ぶようですね。我々も、例外なく最終的には残火を生きることになりますね。

乳母車(うばぐるま)
覗き込みつつ
み掛ける
なにを思うや
歯のない老爺

ヘルパーに
手を引かれつつ
ひとつふたつ
おぼつかぬ歩み
特養の老爺

「落ち着いてね、
大丈夫だから
落ち着いて」
介助の声にも
老婆の奇声

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