見出し画像

名前から学ぶ「コロナウイルス」①~そもそもコロナウイルスって何よ~

新型コロナウイルスの流行が連日のように報道され、感染者、死者がどんどん増えています。

そこで、そもそも「コロナウイルス」ってなんなのかということを、わかりやすく解説していきます。

「新型コロナウイルス」って怖くない?

「新型コロナウイルス」って名前から何がわかりますか?

とりあえず、「新型」な「コロナウイルス」ということはわかりますが、「コロナ」の意味や、「コロナウイルス」そのものをを知らないと、名前だけではまったくわかりませんね。

日本ではこれまで、コロナウイルスそのものがなんなのかということを、インフルエンザウイルスのように知る機会がありませんでした。かくいう私も、今回のことがあって初めて「コロナウイルスとは何か?」ということ調べました

「コロナ」って、私も含め、ほとんどの人にとっては「新しい」言葉なんですよね。

だからこそ、「コロナ」「コロナ」と使いやすいのだと思います。

そして、「新型コロナウイルス」が、未知の部分の多い、危険性の高い「ウイルス」ということです。

よく知らない、でも恐怖を生むものになってしまった「コロナ」。

そのせいで、「コロナ」のことをよく知らない人が、「コロナ」と関するものに触れたがらない、関わりたがらないと言ったこともあるようで、海外でアジア人に対して「コロナ」と揶揄したりするといった風評被害もあります。

そもそも「コロナ」って何?

最初の頃はよく報道されていましたが、電子顕微鏡で見たコロナウイルスの突起に囲まれた形状が、太陽のもえさかる炎の部分、「コロナ」に似ているからですね。

画像1

そういう意味で、本来は「コロナ」という言葉自体は、どちらかというと、太陽のコロナ、明るい炎、エネルギッシュなイメージの他、語源である「王冠」のイメージを表す言葉だったんですね。

ですから、そこから由来した名前を持つ会社も多くあります。

有名な所だと、ストーブで有名な「株式会社コロナ」とか、他にもホテルとか学習塾とか電子機器メーカーとか、色んな会社で使われています。

しかし、残念ながら、風評被害があるんでしょう。

大阪のコロナホテルの公式ツイートでこんな嘆きもありました。

そして、みなさんがおそらく一番よく知っている「コロナ」の代表格、ストーブで有名な「株式会社コロナ」。

こちらの株価は、業種的に春になれば下がるものですが、3/3現在、過去五年での最安値に近い数字をたたき出しています(Googleより)。

画像2

これは必ずしも「コロナウイルス」のせいとは言い切れませんが、「コロナ」という言葉に、「縁起の悪さ」みたいなものがついて回っている気がします。民俗学で言う「穢れ(けがれ)」です。

これは海外でも同じなようで、アメリカでもメキシコの「コロナビール」の評判が悪くなっているという話もあります。

普通に考えたら、コロナビールにコロナウイルスが入っているわけがないのですが、「コロナ」「コロナウイルス」というものを、よく知らないことがこういった差別的な行動に出る原因なのかなと思います。

そもそも、「コロナウイルス」って何?

今、流行に敏感な子どもたちだけでなく、大人でも、ちょっとでも熱があったりしたら「コロナじゃね?」となったりしますが、実際コロナウイルスってそもそもなんでしょう、という所から。

情報元は国立感染症研究所ページです。

簡単にザックリまとめると、コロナウイルスとは、

① 哺乳類や鳥類に感染するウイルスの一つ
② 内、人間に感染するものは、新型含め7種類
③ 4種類が冬の風邪の原因で35%を占める
④ 動物由来のウイルスとしてSARS、MERS、新型がある
⑤ SARSは一部のコウモリ、MERSは一部のラクダに由来
⑥ 新型もコウモリに由来している説がある(未確定)

というところです、本当にザックリ!

ポイントは③。

基本的に、「触れただけで死ぬような殺人ウイルスではなく、比較的身近に存在するウイルスの一つ」というところです。

実際、SARS、MERS、そして今の新型をのぞく、人に感染する風邪コロナウイルス4種は、世界中に蔓延し、すでに70億人が「コロナウイルスにかかったことがある」と言われています。

たしかに、70億人が死んだわけではありませんし、日本人であれば、おおむね6歳までにはかかったことがあるとのことです(もちろん、「新型」じゃない方で)。

言葉はこうやって浸透していく

それを聞けば「コロナ」「コロナ」と差別的なことを言うことが、どれだけ愚かなことかということもよくわかっていただけるかなと思います。

そもそも、「コロナウイルス」そのものはわりと身近なんだと。

なんなら、自分だって「コロナウイルス」に感染したことがあるんだと

問題なのはあくまでも、「新型のコロナウイルス」なんだと。

それを知っていれば、アジア人、いや、日本でも咳をする人に対して「コロナ!」ということが以下にアホらしいことかわかっていただけるかなと思います。

情報というのは、人に伝える時に情報量を少なくされることがありますが、この、「コロナ」という言葉(情報)も、カットされた情報の方が多いのです。

本来であれば、先のような長い情報ではないと、正確に近い情報とは言えません。

しかし、これがたとえば誰かに伝える時、個人だろうがマスメディアだろうが関係なく、「長すぎるから短くしたい」と考えることで、

「特効薬がなく、感染の仕組みが詳しく把握できず、人を死に至らしめる重篤な肺炎症状を引き起こして死に至らしめる危険性もある新型のコロナウイルス」

「危険なコロナ」

と簡単に一言で表してしまうことがあります。

でも、どうでしょう?

情報の価値が変わっていないでしょうか??

たとえば、「危険性もある」の「~もある」が抜けるだけで、だいぶ意味が変わります。実際、ほとんどの人は死なないことがわかっています。

でも、「危険なコロナ」という言葉が便利になった情報として使われるようになってしまったがために、かえって、必要以上に恐怖を感じるようになってしまった部分もあるのです。

情報が長すぎるので、伝える時に短くしようとすればするほど「危険なコロナ」と情報に変えられてしまうのです。

だから、偏見に満ちた行動を起こす人は、「未知」であることへの恐怖が強い、「知ろう」と学ぶ意識がない、言い換えれば「情報処理能力が低い」ということも言えるのです。

➡名前から学ぶコロナウイルス②に続く


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?