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映画「結婚哲学」について

本物の「映画」

2024年6月、DVDレンタルにて鑑賞。
字幕版である。
なお、現在は動画配信サービスでも視聴可能のようだ。

この映画の製作年は、1924年となっており、ちょうど100年前である。
しかし、映画を観ての感想は、まったく古さを感じないということだ。
もちろん、サイレント映画で、フィルム状態も芳しくないのは当然である。
しかし、この登場人物の心理描写、小道具の使い方などは、2024年に観たところで、充分に通用するものを思う。
もちろん、不倫をテーマにしたものなので、この100年の間に同種のストーリーは際限ないほど繰り返し製作されてきた。
逆に言えば、100年間も同じような話を繰り返しているのである。
その意味で、この映画は、とても洗練されている。
この独特の心理描写は、今の多くの同種のドラマ、映画等を完全に凌駕するのだ!

それは、サイレントということも効果的なのかもしれない。
セリフによる説明がないことが、人物の行き来、視線の交わり方で、感情の揺れ動きを表現している。
本物の「映画」とはこうあるべきではないだろうか?とさえ思う。

この「結婚哲学」というタイトルは、正確には「結婚の倫理性」という方が相応しいはずだが、これでは客が入らない…。

2024年6月8日UP
※このテキストは、筆者がYahoo!検索(旧Yahoo!映画)に投稿したものを転載したものです。


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