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【子育て】現代っ子も『かいぞくポケット』が面白い!という気づき

こんにちは。とみーです。

環境破壊とデジタル時代を生きる子どもたちは、どう自然とつながったらいいのだろう、ということを時々考え、我が子を観察しています。

突然ですが、『かいぞくポケット』というシリーズ本を子どものときに読んだことはありますか?

私は、小学校2年生の時(90年代ですね…)の担任の先生が、朝のホームルームに毎日少しずつ読み聞かせてくれたのがとても楽しくて、大人になっても覚えていました。

この30年以上前に出版された『かいぞくポケット』、試しに中古で全巻揃えて駐在先のアメリカに持ってきてみたところ、子どもたち(8歳、5歳)が読み聞かせにしっかりはまっているんです。

それも、最初の1回だけではなく、週に何度か、夜寝る前に読み聞かせを続けて早1年半。全20巻を4回転目に入ってもまだ飽きずに「今日ポケットよむ時間ある~?」と毎日のようにきいてきます。

作者は寺村輝夫さん。絵は、永井郁子さん。1989年から1998年にかけて20巻出版。

物語の主人公は、ある日気づいたら海賊のおかしらになっていた子どもの「ポケット」と、ヘンテコな大人の手下たち、「ジャン」「ケン」「ポン」。そして、気ままな魔法使いのネコ「アイコ」。

ストーリー性や教訓は無く、ヒーローも宿敵もいない。ただただ毎回不思議な世界でナンセンスなことが起こる。

そして、一つの物語の終わりにはいつも、夢から覚めるように海賊船に戻っていて、なぜか海賊たちの手元に不思議な宝(とは言えないガラクタのようなものの時も…)があり、元気に次の冒険に出発する。

毎巻の冒頭と各章の最後に、作者が読者の子どもたちに語り掛けるのも、子ども心にとても新鮮でした。

「そして―――。キリンが、ポケットをたすけあげた、と、きみは思うだろう。そうかんがえるのがふつうだ。が、このおはなしは、ふつうのようにはならない。だから、ここで、きみは、さかだちをしなければならない。さかだちをして、へやの中のものが、みな、さかさまに見えたら、つぎをよんでよろしい。」

かいぞくポケット11 はねのあるキリン

大人になって改めて思うと、『かいぞくポケット』の魅力は、小さな子どもだけがコネクトできる純粋な空想の世界なのかもしれません。

さて、そんな前世紀の本が好きな我が子たちの様子を見て、つくづく思ったことがあります。

―――子どもって、今も昔も同じなんだな。

私が小学生の頃は、デジタルといってもテレビしかなかった、ちょうどファミコンが出始めたくらいの時代でした。

それが、今はアニメにゲーム、デジタル教育、どれ一つとっても、高度な映像・音響効果のコンテンツがあふれ、いつでもこどもでもネットで簡単にアクセスできるようになっている。

そんな最新のコンテンツが当たり前の現代っ子には、前時代ものはかすんでしまうんじゃないだろうか…と思っていたのですが、そんなことはなかった!

という気づきがとても新鮮でした。

しかし、環境によっては、違ったかもしれません。

アメリカに住んでいると必然的に日本の最新情報は少なく(親が疎いというのもありますが)、まだ幼少期というのもあり、テレビやネットもある程度制限をしています。

これが仮に、YouTubeなどのコンテンツを常時大量消費していたら、『かいぞくポケット』にワクワクはしなかったかもしれません。

子どもの外遊びや、自然や生き物に対するワクワクも、同じような位置関係にあるような気がします。

生物としての人間は変わっていないのに、時代やテクノロジーの変化が速すぎ、物質もコンテンツも溢れかえっている現代。

幼少期の子どものナチュラルな感性には、”Less is more"(少ない方がより豊か)くらいが、ちょうどいいのかもしれないな、と思いました。







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