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2020/09/20 Sun

もう観ないと言ったな、あれは嘘だ。ということで整骨院の後に4DX版でHeaven's Feelを観てきた。

2回目以降で観るのであればあれは楽しめる、というのが率直な感想。細部まで観たい、考察を深めたい場合は余分だが、エンターテインメントとして楽しみたいのであれば最高だ。

以下ネタバレあり



「自分以外の誰かのために自分を犠牲にするな」という士郎の言葉に対して、イリヤは「自分のことを棚に上げて」と零す。

そう、衛宮士郎は自分以外の誰かを助けるためなら自分を犠牲にすることも厭わない人間だった。UBWの士郎はそうだったし、だからこそ共感できたのだがHFでは最後の最後に「生きていたい」と言い、イリヤに助けられる。

これは失望というよりも言峰の言う「羨んでいる」が近い。俺の理想の死に方は士郎と同質だった。それ以外に選択肢はなく、自分に与えてこなかった。だが士郎には生き方を変えるほど近しい人がいて、その人に向ける愛情を持ち合わせていた。俺にはそんな存在はいないし、個人に向ける愛情も持っていない。

そして桜だ。基本的には好きなキャラなのだが、HFではそうでもない。というより子どもの八つ当たりにしか見えずに全く共感できなかったが、「なりたくてこうなったわけじゃない」という一言で同族嫌悪なのだと気付かされた。

己を愛せず、他者への愛情を持たない。誰がそんなふうになりたいか。ああ、俺だってなりたかったわけじゃない。

そうだ。この映画が合わないと直感したのは、ただただ己の空虚を実感させられるからなのだ。

あるいは言峰のように足掻けば多少は違ったのかもしれない。それでも「愛そうと努力」するくらいの人間性で他人と深く関わるのは気が引けたし、今も考えは変わらない。己のためにそこまでする気概があれば変わったのかもしれないし、改めて絶望することになったのかもしれない。


あと書いておきたいのはライダーさん。魔眼を初めて発動させたときのご尊顔、崩落する岩に乗りながらセイバーを睨むご尊顔、後退しつつ「宝具!」と叫ぶご尊顔の3カットが特に素晴らしい。

美人なんだけど可愛さもあって素晴らしい描き方だと改めて感じた。メガネはお姉さん味が増すので不要である。いっそ石化で死ぬのもありだなと思うくらいには素顔がどストライクだった。

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