Inner Game
ギャロウェイは人間は未知のものや不確実な事態に直面した場合に、疑いの状態に陥る傾向にあるとしている。このような状況下においては、人間は本能的に”Overtighten(過緊張)”な状態になる。自分の能力を疑ってしまうと筋肉はこわばり、また失敗を恐れて感情的になったり取り乱したりする。
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スポーツに於いてはこのようなことは日常に溢れている。
つい先日まで大学生だったようなプレイヤーが、ある試合をきっかけに自身を得て見違えるようなプレイをするようになったり、
またその逆に、前シーズンまでは輝かしい成績を収めていたプレイヤーやチームが、自信を喪失し、目の前のことやチームメイトを疑い始め、信じられないようなミスをしてしまったりする。
チームスポーツ、とくにプロスポーツの現場では、プレイヤーもコーチも失敗することや、負けてしまうことに対する恐れが必ずある。
試合結果はいつも未知であってやってみなければわからないという不確実性もある。非常にストレスフルな要素だ。
そんな中でシーズンを過ごすプレイヤーたちはとても不安定であるとも言える。精神的にも身体的にも少しのバランスで大きく崩れてしまう。
そんなもんだ。
筆者はこうも述べている。
Inner Gameの本質は「Quieted mind(静まった感情)」を獲得することにあり、それはアスリートのパフォーマンスを最大限に引き立たせる。
ギャロウェイによれば前述の過緊張は「普遍の原則」であり、フットボールの競技に見られる現象である。その他のスポーツと同様に、フットボールにおいてプレイヤーは身体面と精神面の両面で試される機会がある。コーチとしてはあらゆる麺においてプレイヤーに準備させることが仕事である。プレイヤーたちはそれがフットボールフィールドであれ、ウエイトルームであれ、授業であれ、苦難を乗り越えることで得た自信が普段以上の集中力を生み、困惑や猜疑心、恐れから開放してくれることに気づくだろう。「Quieted mind」としても知られているこの集中力が、ポテンシャルを最大限に発揮するための方法を明らかにするのだ。
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スポーツに於いて勝つことが全てではないことは明白だ。
だが、プロスポーツにおいては各チームにはオーナーなりスポンサーを始めとする各ステークホルダーがいる。またもちろんファンの方々も。
彼らは勝つことを何よりも望んでいるものであり、負けると責任をとることになる。
勝ちこそ全てではないが、その結果が導く責任からは逃れることはできない宿命なのである。それは原則だ。
だが、そのなかでもプレイヤーを導き、恐れを払い、前に進もうと導く仕事はしなければならない。「勝たなければ次は俺が肩を叩かれる・・・」と恐れてばかりいては、その恐れは必ず伝染する。我々は感情を常にブロードキャストして生きているのだから。
強く自分を保つ。
そしてできるだけ冷静に。
ここ数日、リーグ内の動きが慌ただしかった。
自分も経験したことのある「明日カットされるかもしれない」という恐怖心。練習場に社長やgmが来るだけで落ち着かなくなるあの気持ち。
「何言うとんねん」と思うこともたくさん言われた。
それでも進むしかないのだ。改善できるところはどこにあるのかを探し、進歩することに集中することでなにか見えてくるものがあるはず。
特に誰に向けているメッセージでもありません。
最近のリーグの動きを自分ごととして捉えてみました。
以上
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