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noteで学べるシステマ講座 第27回「マスターに学ぶ頭の使い方」

「考えてはいけない」を考える

考えてはいけない。

考えずに感じる。

しばしば言われることですが、果たしてなぜ考えることが否定されるのでしょうか。

考えてはいけないといわれて、ハイそうですかと本当に一切の思考を放棄するのは、知性の否定です。単に原始的な反応で行動するのが最適ということになり、古来から人々が考えに考えたすえに生み出してきたあらゆる文化、文明を否定することになります。

だから考えてはいけない=思考停止と解釈する限り、なんの進展も得られなくなってしまいます。「考えてはいけない」とは「考えても仕方ない」と同義ではありません。何を考えるべきかと、何を考えないべきかを考える必要があるのです。さもなければ無知の肯定、思考停止になってしまいます。

もし「考えてはいけない」を文字通り受け入れて、考えることを戒めるような風潮が生じたらどうでしょう。それは深く考えない人が無条件に考える人を非難する根拠となりえます。エッシャーのだまし絵のように、人の感覚は錯覚に満ちています。「考えない」という選択は、錯覚に簡単に騙されます。そうならないよう事実に即したロジカルな判断をするには、「考える」ことがやはり必要なのです。

でもいつでもどこでも考えてばかりでも先に進みません。

だから、「考えてはいけない」と「よく考えるべき」の2つはともに必要なのです。要はTPOの問題です。考えてはいけない場面と、考えるべき場面があるのです。

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