noteで学べるシステマ講座 第87回「"英雄性"-戦士の心得-」Part1
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「"英雄性"-戦士の心得-」Part1
英雄は千の顔を持つ
司会:今日はミカエルが考える本当の英雄像、戦う人はどうあるべきかということを伺えればと思います。ミカエルがいう英雄は一般的な、ハリウッド的なヒーローとは大きく異なるように思うので、その辺りを詳しくご教授頂けますでしょうか?
ミカエル:英雄性というのは人々を強く惹きつけ、刺激を与えます。英雄性には2つの側面があります。一つは個人的な認識、もう一つはより大きな、共通認識としての英雄性です。いずれにせよ心理的なものであると言えます。
歴史上のさまざまな場面によって、英雄性は異なる姿をみせます。例えばクマやオオカミといった動物もまた。天敵から自分たちの子どもを守ろうとしますね。このように他の動物においても身を挺して子どもや自分自身を守るような英雄性は見られます。
誤った英雄性
以前にもお話しましたが、兵士と呼ばれる人たちでも、真の意味で戦える状態にあるのは30%くらいと言われています。その他の70%は恐怖や個人的な問題などから、まともに戦うことができない心理状態と言われていますし、私自身もそうみています。戦いの場面においては、例え練習におけるスパーリングであっても、誰もが恐怖心をもって戦います。その恐怖を克服できるかどうかがとても重要です。
恐怖が心に現れた時、戦わなければならない時、多くの人がアドレナリンを放出させることによって恐怖を克服しようとします。しかし、それはとても危険なことです。なぜならアドレナリンが出ている状態というのは、麻薬に依存しているようなものだからです。そうやって恐怖を克服することに慣れてしまうと、戦いから離れた時にもアドレナリンを欲するようになります。戦場でなくても、恐怖を感じたらすぐアドレナリンを分泌し、攻撃的になってしまうのです。それをいつまでも引きずることになるので、アドレナリンは麻薬的な恐怖の克服の仕方だと思います。
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