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noteで学べるシステマ講座特別編「犯罪者の心理学-日常の護身について-」前編

「犯罪者の心理学」コース3日目の模様のテキスト化前編。

ミカエル・リャブコが日常における護身について語っています。

後編はこちら

女性を狙う者の心理

北川(T):私たち一般人からすると縁遠く思える「犯罪者の心理」について、ミカエルに詳しく聞こうと思っています。例えば、女性が暗闇に引っ張り込まれたりする例がありますが、犯罪者はどのようにターゲットを選定するのでしょう?

ミカエル(M):まずそういった暴行をしようという人は、ターゲットのあとをつけます。最初から気に入った特定の女性がいる場合もあれば、服装などをもとに「この人にしよう」と決める場合もあります。あとはその場の状況も心理的な作用を引き起こします。例えば犯罪を行うような心理状態の男性がいるところに行ってしまう、不用意に人気のない場所に行ってしまうなどです。

服装や外見も関係します。気を引くような服装やお化粧の仕方など、相手の好みもあるでしょう。でもそのタイプを知るのはとても困難です。犯行を思いたった男性がまずやることは、現場に移動するということです。そこでターゲットや、より犯行に適した場所を物色するのです。つまり犯罪とは状況から生まれることを知らなければなりません。

犯罪者的気質の根にあるもの

その男性がそうなるに至った背景についても考えなければなりません。もちろん生来の気質もあるでしょう。暴力的な気質を持っている、子どもの頃に虐待を受けた、あるいは脳内の化学物質で暴力を引き起こすものが多いといった要因は確かにあります。また経験がもとになる要因もあるでしょう。例えば、特定の女性との恋愛が成就しなかった経験や、女性コンプレックスなど。セックスをして「あなた下手ね」と言われてバカにされてしまったとか。そういった個人的な経験が、復讐したいという欲求を生むこともあります。

また、獣のような心理状態にある場合もあります。とにかく狙って、捕まえるという一連の行動そのものが目的になるのです。女性の恐怖によって興奮し、拒絶されるとさらに燃えるというパターンです。それらは全て脳内物質の変調によって起こるのだと思います。

あらゆる犯罪は不注意が引き起こす

そういった男性を予見したり、どんなことを考えているかを具体的に助言することも困難です。だから私たちにできるのは、受身的なアドバイスになります。暗いところや危ないところ、人気のないところにはなるべく行かない。エレベーターに乗るときは知らない人と二人きりになることを避ける、車に乗るときはドアをきちんとロックして、安全を確保しておくといったことです。あらゆる犯罪において不注意が被害を招きます。なので、まずは注意深くいてください。注意深く過ごすことによって避けられることがとても多いと思います。

ただ、そういう状況を避けても、待ち伏せされることもあり得ます。だから建物に入るときにはしっかりと中を見てから入るということも必要でしょう。誰かが待ち構えているような感じがしたら、すぐに外に出てきて人を呼んだり、助けを求めるといったこともしなくてはなりません。それらはすべて、私たちが注意深く行うべきことです。

もしかしたら相手が刃物とか、ピストルといった武器を持っているかもしれません。彼らが対話に応じない場合も多いでしょう。ただ単に女性の怯える姿がみたいといった心理でいる場合は、対話での回避は困難です。

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