鶏と羊と人間。リラックスしてるのは?
香川に骨付鶏というのがある。
首都圏だと横浜の「一鶴」が有名だ。この店を友だちに教えてもらっていらい、虜になってしまった。当然、システマさぬきのお誘いで高松にワークショップやりに行った時も食べた。ひたすらおいしかった。
鶏肉をケバブみたいにじっくり焼いた料理で、噛む度に肉汁がほとばしってジューシーだ。
特徴は「ひなどり」と「おやどり」の2種類から選べるということ。
ひなどりは若く、柔らかい肉。
おやどりは歳を取った、硬い肉。でも噛めば噛むほど味が滲み出るスルメ系の味わいだ。
初めて2つを食べ比べた時、同じ鶏でもこんなに硬さと味わいが違うのかと思った。
たしかにひなどりは柔らかくてジューシーで一般受けする味だ。でも僕はおやどりのほうが好きになった。独特の歯ごたえと、にじみ出る味わいが気に入ったのだ。
でもラムとマトンのどちらが好きかと聞かれたらどうだろう。
同じ羊だけど、ラムは若くてマトンは歳をとっている。
ラムのほうがやわらかく、マトンが硬い。で、マトンは独特の匂いがある。この匂いがどうも減点対象となってしまうので、ラム肉に軍配があがる。まあおいしいマトンもあるんだろうけれども。
鶏も羊も歳を取ると肉が硬くなる。人間だってそうだ。これはもう動物の宿命だから、避けようがない。
でも人間は意図的にリラックスできる。自分をゆるめることができる。
宿命に流されるままではなく、折り合いをつけることができる。
それが人間の特権なのかも知れないね。
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