見出し画像

博耕房大学受験部からのメッセージ~この時期の「読解」の勉強法

こんにちは。

博耕房大学受験部の現代文を担当します武川です。


前回、読解の基礎としての語彙力のつけ方について紹介いたしました。


 さて、今回はこの時期に学んでほしい読解法についてお話させていただきます。この内容も博耕房の体験授業お申込者並びに参加者向けにあてた特典の内容にある程度準じております。

矢野代表からの高校生の皆さんへのメッセージは以下の通りです。

https://youtu.be/OwU0YcQQI58

・そもそも……読解とはどういう作業なのか

 「読解」とはどのような作業なのか、皆さんの中の定義はできているでしょうか?「読んで解く」ことであると考えられている方も多いのではないでしょうか。
 たしかに「解く」作業は大事なのですが、それは「解答法」という別の方法論を用いて作業をしていくべきで、私は別のものとしてカテゴライズしております。(また別の機会に記事にしたいと思います。)
 では、読解法とは何なのか。私は「文章を読み内容を、理解する」作業であると定義しております。この作業がどういうものなのか、少し掘り下げていきましょう。

・「読む」とは?「解」とは??

 前回の記事にも上げましたが、熟語はその組み立ての方法によって意味が形成されます。「読解」とは上記の通り「文章を読み、内容を理解する」になります。一つずつ解釈をしていきましょう。
 「読む」とは「文章を読む」とお話ししました。「文章」とはその構成単位を還元していくと、(最小は文字にたどり着きますが)「言葉」となります。つまり、われわれの読解作業の根本には「言葉を読む」ことにたどり着くのです。(そうであればこそ、前回の記事の意味合いも増してくるのではないでしょうか。)
 なおこれは「古文」においても然りです。(なお、博耕房の体験生向けコンテンツにも葛西先生からの本件においての指摘がなされております。必ず目を通しておいてくださいね)
 そして「解」とは何か。それは「理解」になります。何を理解するのかというと、我々は言葉を読む作業を通して「筆者の主張」を理解するわけです。
 端的に言うと我々は読解作業において「言葉を読み、筆者の主張を理解する」ことを目指していくのです。

・「読む」と「理解」するの間

 上記の作業を聞いただけで「なるほど、それならできそうだ」と思った方もいらっしゃれば、「いや、それはそうなんだろうけど、それをどういう風にやったら本当に理解できるの??」と思われた方もいらっしゃるでしょう。
 なにより、入試問題はその多くが「初見」の文章です。ひょっとしたら聞いたこともないようなテーマに出くわす可能性すらあります。このような状況でも言葉を追いかけながら筆者の主張を把握していかなくてはならないのですが、その際にもう一つ意識してほしいことがあります。
 それが「論理」構造の把握です。論理という言葉は日常生活でもよく聞き、人によっては良く使っているものかもしれません。しかし、この言葉の意味は、と問われるとしどろもどろになる方も少なくはないのではないでしょうか。
 「論理」という言葉を辞書で調べると下記の通りとなります。

  ①思想の形式・法則議論や思考を進める筋道・論法
  ②認識対象の間に存在する脈絡・構造
                          (大辞林より)

 つまり、論理とは言葉によって形成されたある一定の「構造」であるといえます。この「構造」を文章中から明らかにしてあげることも読解作業の大きな軸になっていきます。
 この作業を読解作業の中に位置づけると下記の通りになります。

 ①言葉を「読む」
  ↓
 ②「論理」構造を把握する
  ↓
 ③主張を「理解」する

 すなわち、「論理構造」の把握は、「読む」ことと「理解」することを架橋する作業になっていきます。
 この「論理構造」については書き手によっての揺らぎや特徴がありますので完全な客観的分類は難しいですが、それでもある程度の分類は可能です。それについて最後に説明いたしましょう。

・論理構造の大まかな分類

 論理構造には大きく分けて2つ、細かく分類すると5つあると私は授業ではお話をします。

   **<大分類①>主となる構造
  ・対比 : 比較をして相違点を明確にする
       ・類比 : 比較をして共通点を明確にする
  ・因果 : 複数の項目の間に「原因」と「結果」を関係づける

 <大分類②>補助となる構造
       ・例示 : ①の内容について「わかりやすい」説明をする
  ・比喩 : ①の内容について「たとえ」を使って説明をする**

 これらの論理構造を見抜くためのトレーニングをしていくのが現代文の授業の一つの大きな側面となっていきます。
 そのことによって皆さんは実際の入学試験の会場で見たこともないようなテーマが出されても、「いつも通りの」読解作業ができるようになるのです。

・読解のトレーニングのためのおすすめの参考書

 では、最後の最後に、この時期だからこそ取り組んでほしい参考書について二つのものを取り上げます。

 ①『池上の短文から始める現代文読解』

 こちらの参考書は駿台予備学校ならびに学研プライムの現代文講師である池上先生の著作です。「論理構造」について段階を経て理解することのできる名著です。読むことそのものが苦手だ、という方はまずはこの本から始めてみましょう。

 ②『大学入試 無敵の現代文 記述攻略メソッド』

 こちらは、河合塾、そしてわが博耕房の講師である小池先生による著作です。こちらは「読む」作業、そして論理構造を「把握する」ための作業力をつける上ではうってつけの参考書です。

 これらのものを使いながらしっかりとこの時期に基礎となる力をつけていってください。

・最後にお知らせ

 博耕房では、5/10(日)に体験授業を実施予定です。(今後の情勢を踏まえて開催の可否は別途判断をいたしますが)
    ハイレベル・スタンダードの現代文・古文を開催いたします。現代文は武川、古文は葛西先生が担当いたします。

   こちらも申し込みを受け付けておりますので、是非ともご検討ください。また、お申込者には「この時期の勉強法~博耕房大学受験部からのメッセージ」という勉強法についてのアドバイスをさせていただいております。こちらもご期待くださいませ。

それでは。

 


この記事が参加している募集

よろしければサポートをお願いします。日々の制作の励みになります。