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首都圏最難関高校受験のお話~早慶附属高校編⑤女子は高校受験は不利なの??

こんにちは。

今週も書いていきます。このシリーズだけ定期更新ができています。月曜のこの時間が安定して空いているんですよね。スポットの仕事(テキスト校正や模試採点など)が入ってくるので、身動きが取れない瞬間もあったりして他のシリーズが滞っていますが、何とか再開します。

なんだかんだ読んでいただいております。ありがたや。

じわじわ読まれるんですよね。

◇親の受験か子供の受験か

受験は本来、子供が自分の進路を選ぶことだ。特に大学受験は、自分がこの先生きていくために学びたいこと、職業選択において必要なものを選び取る機会である。そこに異論はない。

しかし、中学・高校受験となるとどうか。たまに中学受験も「やるかやらぬかは本人の意思を重視すべき」という話を聞くが、正直耳を疑う。

多くの場合、中学受験をするかしないかは「親の意思」が優先される。というよりも親の意思が優先し、そのあとに本人の意思がついてくる、という構図がある。それを度外視して、「本人の意思に……」などと教える側が言っているならば脳内はお花畑であろう。

話がそれるが、そういう担当は往々にして併願校組みが下手である。本人や親の「いいなり」になってしまうのだ。ここら辺のことをこの前矢野さんがtweetしてましたね。

◇女の子には中学受験させるべき

もちろん、中学受験や塾通いは「ぜいたく品」である。みんながみんなできるわけではない。

しかし、お子さんがまだ小学生低学年で、中学受験ができる環境にあるならば、是非とも中学受験という選択肢を親御さんから提示してほしいのだ。

理由はいくつかあるが、最たるものは「高校入試は女子の選択肢が狭いこと」にある。

そこら辺の事情はそろそろ創刊一年になる矢野さんとの共著の拙著内で詳しく論じている。(すきあらば宣伝)

中学受験の女子校は女子御三家と呼ばれる最難関校から中堅校にいたるまで、とにかくバリエーションに富んでいる。宗教色の有無、面倒見の良しあし、伝統と改革……正直、中学入試担当の力量は(四谷大塚偏差値の)60以下の女子校の併願の組み方にに表れると思っているほどである。

これが高校入試になると、単純に選択肢が少なくなる。とくに、上位生は。

公立高校はその意味では非常に大きな受け皿なのだが、選択機会の少なさは否めない。

高校入試の女子難関校のラインナップは以下の通りだ。

<進学校>
渋谷教育学園幕張(高校入試廃止の噂あり)
豊島岡女子(高校募集停止)
市川
筑波大附属
東京学芸大附属
お茶の水女子大附属

このうち下の三つは国立附属なので同じ日程である。つまり、一つしか受けられない。しかも、千葉県立高校と日程重複もしばしば起こる。

<附属校>
慶應義塾女子
早稲田実業
早大本庄

慶女と早実は同じ日程。早大本庄は寮もあるが、埼玉県本庄市である。近隣出ないと通うことは難しい。(が、横浜や渋谷からでもみな平然と通っている)

◇高校受験指導の現場での女子の処遇

上記の通り、女子の選択肢は極めて狭い。MARCH附属まで広げると選択肢は増えるが、あとは子供を国立早慶以上の大学に進学させたいという思惑との天秤であろう。

実際に、私の所属していた進学塾では選抜クラスへの入室基準は男女で差がある。目安としては、

男子 駿台偏差値53~55
女子 駿台偏差値58~60

というラインである。この数値は「早慶附属を複数受験して一つ合格できる」目安であると言える。

往々にして女子の高校受験は苦しい。ここに帰国子女生に受験資格がある慶應湘南藤沢が加わっても事情は変わらない。

その意味で、選べるなら、中学受験をすることをお勧めしたい。

それでは。


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