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2022入試 問題研究⑦ 一橋大学の現代文

七週目!
語学のクラスが7クラスだったことを思い出したので、母校の一橋大学の分析を始めます。

※六週目は岡山大学

◇一橋大学の現代文について

〇大まかな特徴

「評論(現代文)+近代文語文+要約」の形式で早くも20年近く固定されている。変える気はないのかな?わからないけど。

〇宣伝を失礼

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◇出典紹介

〇第一問

この書籍の中の一節のようですね。

〇第二問

めちゃくちゃ古い……。(と言っても80年代だが。)

◇第一問解説

〇論理展開

形式段落は⑫段落だが、論のまとまりは3つに分けられる。

⑴ 「歴史」を認識すること(①~④)
→ 「歴史を認識する」とは「自分の経験の外にある過去」を自覚することである。
⑵ 「歴史的に考えること」(⑤~⑩)
→ 「歴史的に考えること」とは「歴史とは何らかのバイアス」がかかっていることを自覚し、相対化することである。
⑶ 「歴史的に考えること」が重視されないのはなぜか。(⑪~⑫)
→ 学生の学ぶ教科書にも「バイアス」はかかっている。しかし、それを自覚する機会は少ない。なぜかというとそれが入試に出ないからである。

〇問い一 漢字

A 痕跡  B 純然  C 感銘  D 傲慢  E 偏見

Dの「傲慢」は難しいかも。4つ死守。満点目標。

〇問い二 換言

<タケガワ解答>
直接経験していない過去を、身近なものとして自覚すること。(28字)

<解答根拠>
短い記述だが、要素を的確に換言させる必要がある。
ここでは以下の要素について検討する。

A 「歴史」 … 「」の語を一般化する
B 認識する … 文脈における「認識」の確認

Aは割と見つけやすい。傍線部を含む①段落の内容を押さえる。
つまり「自分が直接に経験していない過去」のことである。

Bのニュアンスを押さえるのがなかなか難しいかもしれない。
ここでは2~3段落の内容から「身近に」「自覚する」という言葉を拾い上げることができればよい。

Bのニュアンスまで必要なの?と思うひとは大学公表の「解答の方針」を読んでほしい。

【解答の方針】
問い二
筆者が 「歴史」 をどうとらえているかを問う。 自分の経験が経験外の現実とつながると想像できることがそれにあたる。

この中で「現実とつながる」という意味合いの反映がBである。
短い中でも細部の表現まで答えを作り上げる必要がある、まさに一橋っぽい問題である。

<採点ポイント>
A「歴史」の換言

→ 「自分が直接に経験していない過去」がベスト。「経験の外側」はやや比喩的。「経験外」ぐらいにいいかえる。
B「認識する」の換言
→ 「身近に感じる」「自覚的になる」「現実とつながる」など言い換える。

〇問い三 理由説明

<タケガワ解答>
教科書の持つバイアスへの自覚よりもその内容が入試で問われるから。(30字)

<解答根拠>
字数が短い!

「重視される」のは入学試験のあり方によるそれは「教科書の知識」が問われるのだ。
要は教科書内容の知識が入試で出されるから「教科書のバイアスに自覚すること」(=歴史的に考えること)は「重視されない」のだ。

これらをそのまま記述すると基本的に字数は超える。
それを「字数を減らして内容を減らさない」ようにまとめるのだ。

【解答の方針】
問い三 
「歴史的に考える」ことが教育の場で困難な理由についての筆者の見解を問う。 入学試験のあり方に問題があるとしている点に留意する。

上記では「歴史的に考える」ことの「」内容を一般化したうえで「教科書のバイアスに自覚的になる」としている。(⑥段落参照)

そこら辺の換言に気づけるかがポイントである。

<採点ポイント>
A 「歴史的に考えること」への言及

→ そのまま「歴史的に考える」と書いてもいいが、問い二の解説を踏まえても⑥段落にある「教科書の持つバイアスへの自覚」と換言しよう。
B 「重視されない」理由への言及
→ 「入試」への言及。つまり「歴史的に考えること」よりも「教科書内容」が問われているのだ。

〇問四 換言問題

<タケガワ解答>
我々が接する歴史は何らかのバイアスがかかっていることを自覚し、それを他のものと相対化して捉えること。(50字)

<解答根拠と採点ポイント>
上記の論のまとまりの⑵の内容を押さえる

A 我々の接する「歴史」
→⑥段落の内容を踏まえる。そこで「何らかのバイアス」がかかっていることに触れられており、それを「自覚すること」が「歴史的に考える」ことであるとされている。
B 相対化すること
→具体例をはさんで⑩段落の内容を押さえる。そこには「相対化すること」こそが「歴史的に考えること」において重要なもの(=この力にかかっている)とされている。よってこの要素も入れる。

A・Bの2要素を拾えるかがポイントであり、その意味ではそこまで難しいものではないかもしれない。

最後に【解答の方針】を確認しておこう

【解答の方針】
問い四 
「歴史的に考える」ことを筆者がどう考えているかを問う。 バイアスの存在とそれを相対化する力の重要性が強調されている。

◇第三問解説

<タケガワ解答>
人間は性欲や食欲を持つことで生存を保つ存在である点で、自然現象的な事実においては他の動物と何ら異なることはないが、その事実の中に意味が必ず付きまとい、文化を形成する点において、独自性を持つ存在であると言える。そして、人間はその空間において、常に物や人と関わることで様々な想念が掻き立てられたり、物や音に意味を見出す点で、空間そのものが意味となっている世界において生きている存在であると言える。(196字)

<解答根拠と採点ポイント>
要約についてはかいつまんで以下の二点を留意するといい。細かい話をすると字数があふれるのであくまでも最低限のポイントである。

⑴ 論理構造と論のまとまりを意識する
⑵ 例示は基本的にはカット
⑶ 内容の重複は避ける

これを踏まえて論理構造を考える。
この文章は形式段落で6つに分かれている。それを論のまとまりでわけると2つに分けられる。

⑴人間の独自性について(①~④段落)
①段落
→人間は事実のレベルでは動物と変わらない存在だが、やはり動物とは異なる独自性を持つものである。
②段落
→その独自性とは人間は事実とは異なる別のレベルの生き方を持っている点である。
③段落
→事実と異なる別のレベルとは「意味」のレベルである。人間のあらゆる営みは「意味」が付きまとっている。なお、事実とは「自然現象」のことである。
④段落
→③段落の例示

☆①~④のまとめ
人間は自然現象的な事実においては他の動物と何ら異なることはないが、その事実の中に意味が必ず付きまとう点において、独自性を持つ存在であると言える。

⑵人間の生きる空間について(⑤~⑥段落)
⑤段落
→人間は生活空間の中で様々なものと関わって生きており、その関わりが「意味」を帯びている。
⑥段落
→人間の生活空間は空間そのものが意味であると言える。

☆⑤~⑥のまとめ
そして、人間はその空間において、常に物や人と関わることで様々な想念が掻き立てられたり、物や音に意味を見出す点で、空間そのものが意味となっている世界に生きていると言える。

それぞれの内容をまとめて文章を組み立てることが求められる。
しかし、これだけだと160字ぐらいなので、それぞれの説明をやや詳細にすることで字数を増やすと解答のようになる。

なお、【解答の方針】は以下の通りである

【解答の方針】
 文章全体の論理を正確に読み取る読解力と、それを二〇〇字で要約する文章表現力とを問うことを意図している。 
 素材となる文章では、人間と動物との相違点について、人間は事実の世界だけではなく、意味の世界と双方のなかで生きていることを指摘し、そのうえで人間にとっての空間は意味空間であり、生活を解釈する場であるという点において主体的な空間であることが述べられている。 
 この文章の内容を二〇〇字の解答制限のなかで要約するには、ただ単に論点を列挙するだけでは不十分であり、 それらを元の文章の論理構造に沿って再構成したうえで、 新たな文章として表現する必要がある。

◇解いてみた雑感

大問1
字数が短い!やはり「字数を減らして内容を減らさない」ことが求められる。そのためにも語彙力をつけること。
大問3
今年はややまとめにくい?かも。字数調整が重要。

以上です!



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