【英国ゴルフ場探訪記】第1回SANDOWN PARK GOLF CENTRE
国道A304を西へむかうと緑豊かなEsherのヴィレッジがみえてくる。鬱蒼とした林の合間から草原や英国風の邸宅が見える。ロンドン郊外の上品かつ親しみやすい郊外の風景だ。
8月後半の週末、曇り空の下、午後からのスタートに向けて車を走らせていた。
SANDOWN PARK GOLF CENTREは、英国でもあまり見ることのない形式のゴルフ場だ。9ホールのコース、パー3の練習コース、子供用ミニゴルフ、パターゴルフ、ドライビングレンジ、クラブハウスなどの施設が、競馬場のトラックの内側のフィールドに配置されているのである。
その競馬場というのもSANDOWN PARK RACECOURCE という19世紀末にヨーロッパ初のパブリックパーク型として建設されたもので、大変由緒正しいものだ。そこに、市民のエンターテインメントというパブリック性からかどうかはわからないが、近隣住民が余暇を楽しめる施設としてゴルフ場が配されたらしい。
ゴルフ場のほかにも、ゴーカート場(かなり本格的)もあり、馬のレース場の中に自動車のレース場があるという若干シュールな光景だ。
パークの入り口から車を進めると右手に大きな観戦スタンドが見えてきた。あれが、競馬レースを観るためのスタンドなのだろう。
駐車場に車を停め、ゴルフバッグを担いでクラブハウスに向かうところで、件の競馬場のコース上を横切ることになる。大きな楕円の中に施設があるのでどこかで横切らなくてはならないのだが、トンネルとかではないらしい。人が歩くところはコースが痛まないように踏板のようなものが敷かれていた。
今日は9ホールのコースを回ることにしたが、2週回って18ホールのラウンドにすることも可能だ。コース名はEclipseという。これは、この競馬場で行われるレース名のEclipse Stakesからとられたものだそう。
クラブハウス周辺には屋外テラス席でお茶したりビールを飲んでいる人がいる。託児所や子ども用練習コースがあるせいか、子どもがたくさんいてなんだかのどかで良い雰囲気。
手続きを済ませ、ドライビングレンジで軽く練習をする。打席数が多く、距離も長い大き目の練習場だ。自動運転のボール回収ロボットが動き回っているのが可愛らしい。
1番ホールは324ヤードPar4のスタンダードなコース、と思いきや、すぐ右側にドライビングレンジがありすぐOBゾーンになっている。私のような初心者はドライバーを右に曲げがちなので要注意だ。と、思ったら早速ティーショットで右に打ち込んでしまった。幸先が悪い、、、気を取り直して、打ち直ししたが、それも右に曲がってドライビングレンジのネットに当たった。朝イチのショットは右に曲がるという、よく言われることわざのような流れ。
2番ホールは506ヤードPar5のロングホール。ここでのティーショットはまあまあの飛距離。一安心してアイアンで刻みつつ、なんとかボギーであがる。
3番ホールもまたPar5のロングホール。え、立て続けなの?なんだか変な順番だが、限られたスペースに各ホールをレイアウトしていくので、このようなことが起きるのはしかたがない。私は、前ホールのティーショットの感触がのこっていたので、気分良くロングホールに向かった。ティーショットを打ち、コースを歩いていると、向こうのほうから人がやってくる。後ろの組の若いイギリス人グループの一人だった。コースとコースの距離が近いのでショットを少し曲げると隣のコースのフェアウェイから打つことになる。特にOBとかではないらしい。
4番ホールはショートホール。96ヤードしかないが、グリーンはバンカーと小さな池に囲まれている。グリーンの向こうのゴーカートレース場から爆音が聞こえてくる。ティショットはPWでワンオンを狙うが左にそれて池ポチャしてしまった。
5番ホールは415ヤードのPar4。ティーショットがトップし、距離を残したセカンドを20°UTで打つ。UTがフックする癖があり、左側のコースの茂みにボールが突っ込むが、先ほどこちらのコースに入ってきた後続のプレイヤーがボールの場所を教えてくれた。
6番ホールは202ヤード、長めのPar3ショートホール。このぐらいの距離だと5Iで芯を食うと届くかといったくらい。個人的には転がってオーバーするよりも、手前から攻めたいタイプなので、短めの番手でいく。
7番ホールもショートホールで、164ヤード。ここは1打目をうまく打ちワンオンツーパットのParをとれた。ここまで前の組を待つこともなくリズムよく進んでいく。
8番ホールは494ヤードPar5。ここはすぐ右側に競馬場のコースがあり、ガードレールのようなものがそのままOB杭になっている。右側はダメよ、と思いながら打つとしっかりと右に曲がりティーショットから競馬場コースに飛び出してしまった。あとでボールを探そうとしたが案外芝が深くてロストしてしまった。馬が踏まないといいけど、、、まあボールはレース前にきれいに回収するのだろうけど。
9番ホールは125ヤードのショートホール。最終ホールでクラブハウスや他の施設に近いところに来るため、あまり大きくオーバーはできない。なんとかボギーであがり、ラウンドを終えた。
ラウンドを終え、クラブハウスの方に歩いていると、アプローチとパットのみでまわるミニゴルフのようなコースがあった。若いカップルや子供がお父さんとミニゴルフを楽しんでいる。他にはパターゴルフもあるし、Par3のみのコースもあるしで、家族みんなで楽しめる施設なのだ。子どものころからゴルフに慣れ親しむことで、ゴルフ人口のすそ野を広げているのだろう。
ここで遊んでいる人々の顔を見ると、ゴルフは特に構えてするようなスポーツではないと思わせてくれる。休日にちょっと遊びに来たという感じの親しみやすいコースだった。
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