デジタルトランスフォーメーションとROUTE06の黎明
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デジタルトランスフォーメーションとROUTE06の黎明

創業準備に取り掛かったのは、ちょうど去年の12月。当時ROUTE06(ルートシックス)はただのプロジェクト名であり、会社としての実質的な創業は共同創業者の松本と重岡がフルコミットとなった今春から。そこから一年足らずで、チームメンバーも続々と増え、ありがたいことに多くの案件のご相談をいただいてきた。

チームのスキルや経歴も、エンジニア/デザイナー/PdM/戦略コンサル、大企業/スタートアップ/SIer/Web系企業などバランスも良く、率直に創業前は一年後にこんなに良いメンバーが集まるとは想像していなかった。

今春の小西の取締役就任のプレスリリースからあまり情報発信はしてこなかったが、このタイミングで創業期の一年の振り返りと今後の展望などについて少し記事にまとめてみたいと思う。


創業一年目の足跡

ROUTE06は「リアルとデジタルが滑らかにつながる社会」をつくることをミッションに掲げ、OMO(Online Merges with Offline)時代の企業変革を支援する “デジタルトランスフォーマー(DXer)”として創業した会社である。創業初期のスタートアップとはいえ、足元ではそのタグラインに恥じないユニークな案件をご支援させていただいていると思う。

大手企業の機密情報を取り扱う上に、企画/開発中のプロダクトが大多数のために詳細は公開できないが、クライアントは年商数千億円〜数十兆円規模の伝統的な大企業が中心となり、リアルな製品を取り扱うB2C/B2B企業がそれぞれ半々程である。

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OMO(Online Merges with Offline)という言葉は、小売業で好んで使われがちだが、実は産業材領域の方が変革のインパクトが大きい。B2Cであろうと、B2Bであろうと、我々の視点から見るとデジタルがリアルを包含していくプロセスに大きな差はなく、むしろ共通点が多いと実際の案件を通して感じているところだ。

我々の提供サービスも、DX全般(戦略/実行)のコンサルティング主体の場合もあれば、UX設計/UIデザイン/プロダクト開発などものづくり主体の場合もある。クライアントの事情によって濃淡はあるものの、一気通貫でプロダクトの構想から実装まで支援させていただいている。特にサービスメニューなどは意識しておらず、クラインアントに最も貢献できる手段を提案してきた結果である。

クライアントのカウンターパートは経営者の方々の場合もあるが、基本的には「変革の旗手」となる現場ミドルの方々が中心である。ただそれもDX推進部の場合、事業部のデジタル担当の場合、新規事業室の場合など様々。どの大手企業でも、さまざまな部署で同時多発的にDXプロジェクトが動いているのが現状だ。クライアントの立場によって、事業と組織の見える景色が違うことも、ROUTE06の仕事の面白いところでもある。

どの案件にも共通しているのは、クライアントのトップラインや収益機会に直結する「攻めのDX」支援であり、ひとつひとつがスタートアップの立ち上げにも近く、同時にドリームインキュベータ時代に経験した産業プロデュースにも近いようにも感じる。共通して求められるのは「ビジネスへの嗅覚」「人や組織を前向きに動かす力」「プロダクトを実現する力」などであり、難易度の高い仕事ではあるがやりがいに満ち溢れている。

「ROUTE06さんのおかげで変わりました。」
「ROUTE06さんがいなければここまで辿り着きませんでした。」

創業初期の会社なのに、支援開始後から数ヶ月足らずなのに、現場でリアルな商売に向き合っている方々から、そういったありがたいお言葉をいただけることに日々強い手応えを感じている。


デジタルトランスフォーメーションとは

今年に入ってからDXという言葉を頻繁に目にするようになった。人によってその解釈は様々であるが、ROUTE06では概ねこう定義している。

古いシステムから切り替えて最新のSaaS等を導入し、コストカットや効率化をはかることも重要であるが、エンドユーザーのUX向上に資するものであることが大前提であり、先ずはUXの議論が先になければ従来の「デジタル化」と変わらない。実際ROUTE06でも、エンドユーザーの「最も解決すべきペインは何か」「最も増幅すべきゲインは何か」の特定から、支援させていただくことも多い。早々にユーザーインタビューを設計/実施したり、業務フローを詳細に可視化することもあれば、早々にモックアップを作ることもある。

先日とある大手企業の事業部長の方が、システム化検討の議論で「それは社内のIT化の議論であって、DXの議論ではないですよね」と明言されていたのが印象に残っている。デジタルとリアルの境目がなくなる世界で、これまで以上に顧客への提供価値を高めるために、本気でDXに向き合う方々が増えてきた。そのようなクライアントに小手先のデジタルツールの導入/システム刷新提案などは刺さらず、同等の熱量を持って向き合わなければいけない。DX案件はそんな人材が集まるホットスポットにもなりつつある。

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またDXでは「デジタル」の内容よりも、組織の「トランスフォーメーション」が論点になることも少なくない。確かに組織の問題は複雑で、プロジェクトの最大の障壁になり得るが、「エンドユーザーにとって最善のUX」と「ビジネスとしての合理性」を重ね合わせたプロダクトを構想し、変革の旗手となる熱量の高いリーダーの第一歩を支援することができれば、熱量は少しずつ伝搬し、組織は変わり始める。そういった意味では、スタートアップが大きくなる過程と似ているかもしれない。

DXはまだ山の一合目

山頂

上記のような議論はオンライン/オフラインを問わず頻繁に行われているし、DX推進という名目のもとで大手企業では無数のプロジェクトが立ち上がり、支援会社/サービスもそれ以上のペースで増えている。バズワードで一過性のものであると指摘されることも多いが、現場でリアルな案件に触れている限り、10年20年でこれが終わるのだろうかと感じるのが率直な印象である。

B2C/B2Bにかかわらず顧客体験のデジタル化はまだまだこれからであり、それに対応できる社内システム/体制/その他環境整備まで考えると、途方もないプロセスで、終わりのない仕事だ。実際に大手企業でDX案件に従事している方々に進捗度をヒアリングしてみると、おそらく目標に対してまだ1割も達成できていないと応える方が多いのではないだろうか。

何よりも人材が不足している。DXのプロを称する人や企業は増えているが、実際にデジタル事業経営やプロダクト開発を通して、エンドユーザーに向き合ってきた経験のある人材/プロダクトを具体化できる人材が圧倒的に少ない。極端なことを言えば、プロダクトのコード量よりも、説明資料の文字数の方が多いのではないかと感じられるような状況でもある。

また本来Developer Experience やDesigner Experienceなどの「DX」も、デジタルトランスフォーメーションから切り離せない論点だ。「リリース時にできるだけ多くの機能を、計画通りの確実な納期で。不具合を細かく指摘することで、開発費の値引き交渉」の世界から抜け出せない限り、社内でエンジニア/デザイナー/PdMなどのデジタル人材を採用することは困難であり、GAFAMのようなプラットフォームを構築するなど夢物語である。

ただこういった問題に取り組まなければ、大手の製造業やサービス業などはそのリアルでのポテンシャルを活かしきれず、顧客の信頼と競争力を失い続っていくだろう。ROUTE06では今後もそんな状況を変えるために全力でDX支援に取り組んでいきたいと思っている。

ROUTE06のこれから

いまのROUTE06は、大手企業のDX案件を支援するコンサルティングファームであり、受託開発/デザイン会社であり、システムインテグレータでもあるが、あくまで現状の姿にすぎない。引き続き、クライアントへの最高のDX支援サービスの追求を最重要としつつ、来年度以降は事業会社としてのROUTE06の側面も強化していきたいと思っている。

先ず直近では自社プロダクトの準備を進めていく方針だ。それはSaaSなのか、パッケージなのか、アーキテクチャなのか、どういった表現が適切なのかは明言しづらいものであるが、DXの本丸とも言える特定領域で再現性・汎用性の高いプロダクトを構想している。本来ROUTE06のチームはクライアントワークよりも、自社プロダクト開発やオペレーションに長けたメンバーが揃っているので、自分たちの能力を最大限発揮できるプロダクトを作り上げていきたい。

またその先にはM&Aや海外展開なども行っていきたいと考えている。創業当初から描いていたROUTE06の未来は、システム開発会社であり、自社プロダクトを提供するSaaS企業であり、バイアウトを行う投資会社でもあり、デジタル人材を多数輩出する教育機関であり、子会社で複数の事業を抱える事業会社である。そう遠くない将来に、デジタルプロダクトの実現力を最大の強みとした新しいITコングロマリット企業となることを目指している。

この会社でやりたいこと/やれることを挙げたら際限がなくなってしまうのだが、とはいえ今はチーム一丸となって目の前の案件に全力で集中している状況だ。どんな泥臭い仕事であっても、顧客への価値提供のために、最善を尽くすことは変わらず。無数にある選択肢のなかで、足元で信頼と実績を積み上げることが、上記のような未来を実現する最短ルートであると思う。

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最後に

この一年、確かな手応えを感じる日々ではあったが、「システムインテグレーションの世界の夜明け」にはまだまだ程遠い。

偉そうなことを言っていても、力不足を感じることも多く、会社としての信用力という意味でもまだまだシード期のスタートアップである。来年度以降は足元で手がけている案件を成功させられるかどうかで、会社としての真価を問われていく。

そんな状況ではあるが、ROUTE06がどれほど日本の産業全体に貢献できる会社になれるのか楽しみでならない。この会社を大きくすることができれば、数え切られない人たちに前向きな機会を提供できる、次の世代に繋がるプロダクト/人材を沢山輩出していける、ROUTE06はそんな可能性に溢れていると信じている。

来年も一年前と変わらぬ情熱で、一年前によりも解像度高く、新たな事業フェーズへ。


関連サイト


PdM/デザイナー/エンジニア全方位で積極採用中のため、少しでもご興味ある方はご連絡ください。

案件のご相談などは、HP記載のメールアドレス(info@route06.co.jp)もしくは弊社社員に直接ご連絡ください。



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CEO@ROUTE06(ルートシックス)。経歴:日本政策投資銀行、ドリームインキュベータ、スマービー(Founder&CEO, acquired by stripe-intl)、ストライプデパートメント(取締役 CPO&CMO)、デライトベンチャーズ(EIR) 。東北大院卒。