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ダメな組織はこうして生まれるのかもしれない・・

今回は「ダメな組織はこうして生まれる」というブラックな感じのネタで記事を紹介させていただきます。

ぶっちゃけ自分の組織がダメな組織だなと思う瞬間ないでしょうか?

私は正直たまに思いますね(笑)
というか、転職して数社渡り歩いているということもあり比較してしまうからかもしれないです。

今回は私が最近所属した組織がかなりひどい組織(会社自体はいい会社ですよ♪)だったので、主にそのあたりのことを書いていきたいと思います。

ただ、さすがにダメな組織の事例をそのまま羅列していたら、ただの愚痴記事になってしまうので(笑)、「なぜダメだったのか?」「あるべき姿は?」「経営理論的にはどうか?」などの考察を加えて、学びに昇華していきたいと思います。

では、そもそもダメな組織ってどんな組織でしょうか?

色々あると思うのですが、集約すると「業績が上がらない」、「メンバーのモチベーションが低い」、「メンバーが疲弊している」といった感じではないでしょうか。

さらに飛躍すると「給与未払い」「長時間労働」「パワハラ/セクハラが横行している」といったところもあるかもしれないですが、これは末期で対策としても外科手術が必要なフェーズのような気もしますので、今回はその手前の状態にフェーズにフォーカスしてみたいと思います。

こういった組織の特徴はどんなことをやっているのでしょうか?
ここからは私が体験した具体的事例を交えて紹介していきたいと思います。

※事例は都度追加していこうと思います。

私が経験した事例はこんな感じです。


1.戦略なき組織

ダメな組織に多い一つがこの「戦略なき組織」ではないでしょうか。

戦略がない組織は持続的な成長をすることができず、市場で勝ち抜くことができないので、結果、業績が思うように上がらないとい状況になります。

【状況】

私が過去に所属していた組織の一つがまさしくこんな感じでした。

例えば、よく言っていたのは「ビジョン経営」
ビジョンを示すことが戦略と思っていたようで、ビジョンさえ示しておけば周りが勝手に能動的に良きに動いてくれるという理屈でした。
(まあ、そのビジョンも四半期に1度位しか聞きませんでしたが・・)

確かにミッション・ビジョンを示すことは戦略要素の一つではありますが、それが全てではないです。

これだけでは生産的な行動に移すことができないですし、目指すべき姿を描く地図にはなっていないです。

他にもよくあったケースとしては、「既存サービスの改善」が戦略として語られているパターンです。
例えば、KPIツリーを書いて、ある要素の数字が悪いからそこを高める取り組みをしよう。など。

既にやっている仕事を改善することで、多少は効率性は上がって価値につながるかもしれないのですが、旧来の方法を改善するのは戦略ではないんですよね。

極端な例えをするならば、移動手段が馬車から自動車に移り変わろうとしている時代に馬車の車輪性能をもっと高めようと言っているようなものです。

そもそもの方向性が誤っている時に貴重なリソース(人材、お金など)をそこに割いてしまいかねないです。

では、戦略とはなんなのか?

-戦略とは

戦略とは「選択」することです。

「ある企業を業界において独自のポジションに位置付け、それによって、競争相手に対して、持続可能な優位性や優れた価値を生み出すもの」
※P&G式「勝つために戦う」戦略 著者:A・G・ラフリー

上記に書いてある通りなんですが、市場の中でどんな状態になりたいのか、そのためにどうやって価値や競合への優位性を出すのかと言ったことを定義するが戦略になります。

例えば、最近のリクルートとかはシンプルでわかりやすい戦略を示しているのかと思います。

IRを見てもらうと非常にわかりやすいが、この会社の戦略は明らかにグローバル展開です。

そのために、まずはグローバルのHRの市場においてNo1を目指すというもので、そのために海外企業のM&A、IT人材の獲得に動いています。

結果、上場して時価総額が2倍以上。日本でもトップ10前後の規模の企業にまで成長しています。

-勘違いされた戦略

「戦略を立てています」という話は確かによく聞きます。

ただ、戦略と名のつくそれらしいものはあるかもしれないけど、それは目先の収益だったり、ズレた話が多い印象があります。

ズレた戦略の例はこんな感じです。

①ビジョンを戦略と定義している
②計画を戦略と定義している
③旧来のやり方の改善を戦略と定義している
④一連のベストプラクティスの模倣を戦略と定義している

①ビジョンを戦略と定義している
上記で解説した「ビジョン経営」の話です。

②計画を戦略と定義している
いつ何をするのかという計画を立てたからといって、それが競争優位につながるわけではないです。

③旧来のやり方の改善を戦略と定義している
上記で解説した「既存サービスの改善」の話です。

④一連のベストプラクティスの模倣を戦略と定義している
これは、流行りのツール導入やベンチマークしている競合と同じことをするをさしています。例えば、「営業強化のためにslaesforceの導入します!」とか。これは、今までの活動の効率をよくするだけの話です。

【どんな影響があるか】

では、この「戦略なき組織」の状態が続くとどんな影響があるのでしょうか。

▼戦略なき組織に引き起こされる事例
・目的のない状態で走ってしまうので組織が疲弊
・目先を追いかけて長期的な成長がない、結果業績が上がらない
・競争の変化が激しいとサービスが潰れてしまう

戦略がないと市場で勝ち抜くことが厳しいですし、従業員としても成果が上がらない事業に関わるとモチベーションも上がりにくいので、悪循環になる可能性は高いのかと思います。

強い組織には必ずしっかりとした戦略があります。


【参考書籍紹介】

戦略についてはこの本が非常に面白いのでおすすめです。


2.タバコ部屋が組織を壊す

タバコ部屋で会議や意思決定が行われたり、情報共有が行われない状況、またタバコ部屋が不満の吹きだめ部屋として機能している状況です。

先にお伝えしておきますとタバコ部屋は悪い点ばかりではなく、確かにコミュニケーションツールとしては有効できる点もあると思います。

ただ、健康意識の高い現代社会において非喫煙者も増えてきています。喫煙者と非喫煙者の間で情報格差が生まれることが問題であると思います。


【状況】

私が経験したお話をしますと、この事例は展開するのも情けないのですが、まさしく「事件は現場で起きてるんじゃね!タバコ部屋で起きてるんだ」と言った感じでした。

上記でも触れましたが、上司への相談がタバコ部屋だったり、意思決定もタバコ部屋でなされていたり、タバコ部屋に行かないと情報を得ることができないような組織でした。

挙げ句の果てには、タバコ部屋で上司とのコミュニケーション頻度が評価や昇給に相関関係が強い状況でした。
(それはたまたまだと信じたいが・・)


【どんな影響があるのか】

では、タバコ部屋にはどんな影響があるのでしょうか。

▼タバコ部屋による悪影響の事例
・情報格差が生まれる
・評価者の不公平感が生まれる
・不満の吹きだめになる
・派閥の形成
・喫煙者が増える

しかも実はこれは複数の組織で経験をしました。

順番にもう少し具体的にお話します。

-情報格差が生まれる

結論から言うと、喫煙者と非喫煙者で得られる情報に格差が生まれるということです。

タバコ部屋は非公式コミュニケーションが行われやすい場所でもあります。

特に組織のトップが喫煙者の場合に起こりやすいのですが、タバコ部屋で組織のトップから普段は得られない情報を得ることができます。

当然ながら情報があるのとないのとでは仕事の行いやすさが全然違ってきます。有益な情報を得た人間は今後の業務が行いやすくなったり、人によってはマウントを取ってくる人間もいます。

よって結果として、喫煙者と非喫煙者とで情報格差が生まれ不満が生まれる可能性があります。

個々で努力して情報を獲得するために動いた結果、情報格差が生まれると言うのは何も問題がないと思うのですが、それがタバコ部屋でないと得られないというのが問題かなと思っています。

健康の害するリスクを背負わないと情報を得られないというのはあまり好ましい環境ではないと思います。


-評価者の不公平感が生まれる

これも組織のトップが喫煙者の場合に発生しやすいことですが、タバコ部屋で非公式のコミュニケーションを繰り返していると親近感が湧いてきます。

評価する人も人間です。

親近感の湧く人間には評価する際に多少の優遇が発生してしまう場合があります。

私が経験した事例で面白かったのが、事業部長がヘビースモーカーで本当にタバコ部屋で会議をするような人だったのですが、その部署で評価されたり昇級する人間は全員喫煙者だったということです。
(たまたまだったということを信じたいですが(^ ^;))


-喫煙者が増える

この事例も面白かったです。(面白かったのか・・)

組織のメンバーがタバコ部屋に行く方が情報を得られたり、ここでコミュニケーションをとる人の方が優遇されるという状況を目の当たりにして、今まで喫煙をしていなかった人が会社にいる間だけはと言って喫煙を始めました。

まあ、これはものすごく悪循環ですし、従業員を不健康に巻き込むのってイケテナイ組織だな思います。

↓ここからは組織のトップ絡みというよりメンバー間で起こりやすいイメージです。
-不満の吹きだめになる

緊張感が解かれてリラックスした状況でコミュニケーションをするので、意外と本音で話しやすい状況にはなります。

そのため、もし組織などに不満を持っているもの同士が集まると愚痴の言い合いになり不満の吹きだめになることもあります。


-派閥が形成につながる

なんかタバコを吸うもの同士は仲間意識が生まれていますよね、飲み会の時なども自然とタバコを吸うもの同士で集まったり(笑)

実際、愚痴の言い合いなどをするのでそこで仲間意識が生まれているのかもしれません。


-補足です。

まあ、これは私の経験して感じたことを記載しただけなので、当然ながら全てではないです。

タバコ部屋がコミュニケーションの場として活用され、組織がうまく回っているのであるというところも一定数あるのかもしれませんので。

ただ、私はあまり好ましくないのではという一個人の意見として受け取っていただければと思います。

また、私はタバコに頼ったマネジメントしかできないマネージャはマネジメント能力がないとみなしても良いかと思ってます。


3.トップが学ばないことのリスク

トップが学ばない事により、意思決定に時間がかかったり、適切な戦略を作り上げる事ができないリスクが発生します。

【状況】

まず、私が体験した事例の紹介からしますと、まあ学ばない上司がいましたね。(笑)

最新の技術トレンドやマネジメント手法、世の中の動きなどなどです。

過去にいた上司の持論としては、「自分は地頭が良くてロジカルシンキングで解決できるから本などは一切読まなくてもよいだよ」とのこと。

・・・(笑)


【どんな影響があるのか】

リーダーが学び続けないとで引き起こされるリスクはこんな感じではないでしょうか?

▼リーダーが学ばないことへのリスク
・的確な意思決定ができない
・市場で競争優位を築く事ができない
・結果、サービスや組織が危機的状況になる

正直、私は組織(会社や事業部など)のトップになる人は一番学ばなければいけない存在だと思っています。

トップの重要な仕事の一つは適切な意思決定をする事です。

自身の全く知らないことを意思決定することは中々難しいです。

必ずしも全てのことを完全に知っている必要はないのかもしれないですが、出来るだけ知見はストックした方がよいかと思います。

ちなみに学ぶにしても同じようなツレや同質性の高い人と絡んでも学びは少ないです。多様な人材から学ぶんだり、ネットとかでもいいので最新事例を追いかける癖をつけたり、本で体系的に学ぶ必要があると思います。


-最後に

トップのキャパシティで組織の器が決まると言っても過言ではないのかなと思っています。

正直、特にトップは学び続けるのは宿命だと思います。

偉大な経営者も最初から偉大ではなく、都度学びや経験を重ねることで偉大になっているのではないでしょうか。


4.友達マネジメント

これは自分に共感してくれる人材だけを側におきたがるというマネジメントです。マネジメントが楽な分、多様な人材を受け入れる事ができなくなったり、まずい事に指摘をしてくれる人がいないので裸の王様になりやすいパターンです。

【状況】

まず、私が体験したことからお話すると、その時の上司が40代で初めて転職をしたような人だったので、元々いた会社の価値観でめちゃめちゃ固まっていたんですよね。しかもど営業会社からIT業界への転身。

なので、あまり運営がうまくいかなかったせいか、前職時代の人間を何人か引っ張ってきたり、めちゃめちゃ飲む人だったのでプライベートで飲み付き合ってくれるその人たちで体制固めちゃいました。

なぜ、これをするかというと上述したようにマネジメントが楽なんですよね。極端な話、そこそこまずい指揮をとっても咎められないし、自分のやりたいようにやらしてもらえるからです。


【どんな影響があるのか】

では、この友達マネジメントをするとどんな事が起こるか?

▼友達マネジメントによる影響の事例
・多様性のない組織になる
・人材確保が難しくなる
・裸の王様状態

順番に見ていきましょう。


-多様性のない組織になる

自身とは異なる意見は基本的には受け入れられないということです。

実はこれはかなり致命的で、現代のような環境変化の激しい時代の中で新しい意見を取り入れられないのは厳しいです。

また、時代の環境変化だけではなく、職種も多様になってきています。

異なる職種の人たちと協業して仕事を行うことなんて当たり前になってきています。特にIT社会なので、ITエンジニアやデザイナーといった職種と働く機会は圧倒的に増えています。

職種によって考え方や価値観が異なりますので、多様な意見を取り入れられないとそういった人達と働く時にコンフリクトが発生しやすくなりますし、ましてやそういった人たちをマネジメントするのは不可能です。


-人材確保が難しくなる

多様な人材を受け入れることが出来ないということは、人材確保の面でも問題が発生します。

要はお友達と見なされていないけど、優秀な人であれば、さっさと見切りをつけて他の活躍できる場を求めて出ていきます。

人材不足の時代ですので、優秀な人でれば引く手数多です。

結局残るのは、お友達か他で需要がない能力値の低めな人ばかりが残る可能性はあります。


-裸の王様状態

自分の反対意見は受け入れないので、反対意見を言ってくれる人がいなくなってしまいます。

これも結構残念な話で、結果として組織が間違った方向になっていく可能性があります。

強い組織であるほど、多様な人材や意見を受け入れ、常に進化していきます。

シリコンバレーの強さは多様性の受け入れが強いので優秀な人材を集めやすいという特徴がありますよね。


5.情報の可視化ができていない

実はダメな組織ってこのケースがとても多いのではないかと思います。

経営情報がオープンになっていない、必要な情報にアクセスできないので、自ら必要な意思決定を行う事ができないので、常にお伺いを立てないといけずイキイキと働く事ができない状態です。


【状況】

私が経験したことを紹介させていただきます。

一つ目の例としては、上司とその上の上司(すなわち経営陣あたり)がどんな会話がなされているのかがわからないという問題。

そもそも経営陣の細かい考え方がわからない、自分たちの提案した事がしっかり伝えてもらっているのかがわからない状況でした。

これはどういう事が起こるかというと、こう言った人に限って都合の良い情報は展開して、都合の悪い情報は隠す傾向にあるので、正直どう言った状況なのかよくわからなくなってきます。

私はこれを例えとして「太平洋戦争状態」と呼んでいます。(笑)

もう一つ事例をあげます。

隣のチームが何をしているかがわからないというケースです。
組織間で仲良くない部署とかないでしょうか。

他の部署に引っ張られて自分たちの仕事に悪い影響が出てくると愚痴が出てきたりすることもあるかもしれません。

悪意を持ってやっている人はいないので、一番の原因はその人たちのことをよく知らないというのが原因かもしれません。

内情を知ると納得できるけど、結果だけしか知らないので険悪な関係になってしまうこともあります。

また、部門を超えて仕事をする時にお互いを知っていた方が良いシナジーを発揮できることもあります。


【参考になる事例の紹介】

最近読んだ本で似たようなことを丁寧にまとめてくれている書籍がありましたので紹介します。

オープネスという書籍です。

オープネスとは、情報の透明性であり、戦略のクリアさであり、リーダーの自己開示性である。
※OPENNESS(オープネス) 職場の「空気」が結果を決める 著者:北野唯我

このオープネスを組織戦略の文脈に落とし込むと3つの要素で決まると定義されている。

①経営開放性
②情報開放性
③自己開示性

簡単にそれぞれ紹介すると、

①経営開放性

経営と現場でどれだけ関係がオープンになっているか。経営陣が何をやっているかわからない、経営陣の考えが不明瞭であるといった不満を解消する事が大事といっている。

この時に経営陣と対峙する部門長がオープンにしなかったり、戦略をわかったふりをして間違った展開をするのが問題にもなっている。


②情報開放性

社内情報に対するアクセスのしやすさ。

従業員が自分で決めるべき事に対して、少しの労力で必要な情報を手に入れる事ができるかが生産性やモチベーションにつながると言われている。

この情報開放性が低い組織では、従業員は「与えられた情報」だけで意思決定を行い、それ以上の情報を取りに行くことを求められない。

「それはキミのテリトリーではないから」という言葉が返ってきたり、ハラスメントや致命的な問題が発生しても部署内で握りつぶしが発生しうる。


③自己開示性

従業員のうち、どれだけの人がありのまま自分の才能を表現しても、他者から意図的な攻撃をしないと信じているか。

自分の意見を言いやすい環境だと、チャレンジしやすかったりして新しいビジネスも生まれやすくなるが、自己開示性の低い組織だと働く人は「機械的に働くこと」が求められるので必要以上のことはしなくなる。


【参考書籍紹介】


6.マネジメントレベルの低い人材がマネジメントしてしまっている

タイトル通りなんですが、友達マネジメントの影響でマネジメントできない人がマネジメントしてしまっているという状況です。


【状況】

こう人たちというのは、マネジメントを「部下と仲良しになる」「飲みニケーション」と勘違いしているケースが多いです。

あとは、流行りの1on1とかをしたりもするのですが、「雑談をするだけだったり」、「なんか困ってることある?」という質問をして終わりのケースです。


どんな影響があるのか】

こういったマネジメントスタイルなのであればそれを否定する気はないのですが、こういった影響は出てくるのかもしれないですね。

▼マネジメントレベルが低いことによる引き起こされる影響事例
・部下の成長に繋がりにくい
・優秀人材の確保が難しい

-部下の成長に繋がりにくい

マネジメントレベルの大きさで振れる仕事の大きさも決まってくるかと思います。

マネジメントレベルが低い人は小さな仕事しか振れないです。雑務レベルの仕事にとどまるなど。

また、目線も低いので部下の将来的なキャリアプランに合わせた仕事を作ったり、チャレンジをしてもらう事ができる仕事を提供する事ができないので、長期的な成長に繋がりにくいかもしれません。


-優秀人材の確保が難しい

当然ながら優秀な人材というのは、自分の能力より少し難易度の高い仕事にやりがいを感じたり、成長につながる仕事を求めています。

マネジメントレベルが低いとそういった機会を提供できないので、そもそも人を集める事ができなかったり、運良く側にいてくれていても自然と離れていく状況になります。

結果、そんなに優秀でない人ばかり残ってしまうので、チャレンジングな仕事ができず、事業としての成長もできないという悪循環に陥ってしまいます。


では、どのようなマネジメントが良いのでしょうか?

-マネジメントとは

マネジメントにとって重要なことは2点です。

それは「成果をあげること」「部下の成長にコミットすること」です。

一つの部門やチームを預かっている以上、成果をあげることは当然として求められます。

また、長期的な視点として部下の成長にコミットすることです。やはり”人”というのはかなり貴重なリソースです。

”人”が成長すれば、今の事業の成長にも繋がりますし、新たな取り組みをする時にも成功確率は高まりますので、”人”を育てるというのはマネジメントの重要な仕事の一つではないでしょうか。


【参考書籍紹介】

上記のマネジメントの仕事で重要な2点について述べられている参考書籍を紹介します。伝説の名著らしいです(笑)


7.ジャイアン理論

大きい企業の人間が昇進を続けるためのポイントを私は発見してしまいました!
というか、実際に実践をされている方を目の当たりにして自信が確信に変わりました!

いわゆる「手柄は俺のもの!責任は部下のせい」という考えです。
ジャイアン理論であってたっけ?「俺のものは俺のもの!お前のものも俺のもの」っているジャイアンの言葉を思い出して、なんか似てるなと思ってこう表現してしまいました(笑)


【状況】

私が見た事例を紹介しますと、その部署では2つのサービスを運営している事業部だったのですが、Aサービスは誰がやっても上手くいく、Bサービスは厳しいという状況でした。

その時の部門長はAサービスは自分が自らの管轄として、Bサービスは別のマネージャーを立てて管理させるという判断をとっていました。

この時点でBサービスの立て直しは部門長自らやれよという感じにはなるのですが、まあこういう采配をする人はいそうといえばいそうかもしれません。

で、ここからが私が個人的に「すげー」と思ったことなんですが。(笑)

この人はBサービスが他のマネージャに任せているとはいえ自分の部門管轄でもあるのですが、絶対手を出さないんですよね。

「彼に完全に任せてますので」というスタンス。

業績が悪くても「彼を信頼して完全に任せてますので」というのを貫いてあくまで”自分の指揮のもと”業績が悪い状況になっているのではないということをアピールするのです。

ただ、さすがに自分の部門の管轄なので監督責任を問われる形にもなりますので、最後の外科手術が必要なタイミングで登場するのです。要は手の施しが難しい状況の時ですね。

正直この状況ってこれ以上悪くなりようがないので、何か手を尽くすとプラスになる可能性も高いんですよね。そこで上手くいったら自分の手柄にする。もし、ダメだったら「最前は尽くしましたがご臨終です。」みたいな形で終わらせるという感じです。

これって確かに一つのサービスをダメにしたので監督責任はあるのですが、「部下を信頼して」とか「自身は最善を尽くした」という感じにも見えるので最悪の評価を下されにくいんですよね。

もし、これが外資だったら結果が伴ってないので全然ダメダメなんですが、日本企業だったら人情が働いてマイナスになりにくいです。


-補足です。

こういうのって部門長が経営陣と直接説明できる立場にあるので伝え方などの情報コントロールがしやすいのがよくないのかもしれないですが。

これが「5.情報の可視化ができていない」で説明したところと繋がっているのかもしれませんが。

ちなみに、、

冒頭で大企業の出世するポイントが責任の押し付けという話をしましたが、当然ながら全ての会社が該当するというわけではないですからね(笑)

しっかりと本質を見抜く会社や経営陣であればこんなの上手くいかないと思いますよね。


8.自己顕示欲、保身といった心理的感情を全面にだす

基本的に自分の話中心だったり、自分を持ち上げて欲しい、自分を神輿に乗せて欲しいという欲求が全面のマネージャーだった場合です。

こういった欲求は人間なので誰しもあるのかもしれないですが、マネージャークラスでそういった感情を出されると面倒です。


【どういった事が起こるのか】

主役がメンバーじゃなくなってしまうことかと思います。

マネージャの仕事が「成果をあげること」「部下の成長を促進すること」を考えると、自分が目立つよりメンバーの能力を最大化するのが仕事であったりもします。

マネージャーが自分の自己顕示欲発揮されたり、保身に走られると、メンバーからすると、本来であれば市場への価値を提供することに全力を尽くしたいですが、マネージャへの気を使いながら仕事をしてしまいかねないです。

なんかこの項目は私がすげーめんどくさかった記憶があるので、書いてしまったのかもしれません・・


おわりに

組織に属していると「ダメだな」と思う瞬間は確かにたくさんあるのですが、その時に「なんでこの組織はダメなんだろう」「どういう事が起こってるんだろう」ということを言語化してみると、自分がマネジメントする時にも勉強になるかもしれません。

私もマネジメントをする立場になった時は、組織作りは今までと違う能力が求められたので難しいなと思った記憶があるのですが、強い組織を作れると今まで個人ではできなかった大きな力を発揮できたりもするので、そこが楽しいところであったりもします。あとは、メンバーがすごい成長した時とか。

また、反面教師ネタなどがあれば追記して学びに変えていければと思います。

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