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プロジェクトマネージャーにとって大事な心構えとは

そんなことを考えたり、考えなかったり、考える余裕がなかったりしているうちに、あっという間に8ヶ月が過ぎていた。

僕は、今年の4月にプロジェクトマネージャー(PjM)としてMATCHAにジョインした。MATCHAにおけるPjMとは、クライアント案件の制作進行管理を担当するポジションだ。Webサイト制作やPR記事など、営業が受注した案件を引き継ぎ、制作からリリースまでを担当する。

前職でもディレクターという肩書きで、似たような業務を行っていたが、PjMの場合は、"プロジェクト"という名のとおり、より長いタームで、多くの関係者を巻き込んで動くことが多い。

主な業務は、スケジュールとクオリティの管理、そして関係者との調整。関係者と言っても、社内メンバーはもちろん、提携する制作会社や、広告代理店、クライアント、そして取材をする場合は取材先まで、多岐にわたる。プロジェクトは、多くの方の協力なくしては成り立たない。たくさんの方にお世話になる仕事だ。

さて、新米PjMの僕も、この8ヶ月間で十数個の案件を担当し、いくつかは無事にリリースまでこぎつけた。年明けの公開を目指す大きな案件も、なんとか山場を越えることができた。

実際にPjMとして動いてみると、書籍やネットで語られている実務的な知識はもちろんだが、自分自身のスタンスもまた重要であると感じた。

冒頭の問いに戻り、あらためて考えてみる。プロジェクトマネージャーにとって大事な心構えはなんだろう? 僕なりの答えは、以下の通り。

1. PjMは実行者である

とにかく、実行するのだ。止まっている暇はない。

プロジェクトの要であるPjMには、様々な方向から様々なタスクが降り注いでくる。クライアントからの依頼、編集者からの相談、代理店からの質問、取材先へのお願い・・・。もちろん案件の数だけ、タスクは増える。

進行管理をするはずのPjMがボトルネックになっていては、本末転倒だ。優先順位をつけて、自分でこなすべきタスクは処理し、できない/やるべきでないタスクは適任者に依頼し、右から左へと情報を整理して流していく。

自分が「実行者」であることを意識し、作業マシンにならなきゃいけないときもある。

2. 営業サイドと制作サイド、双方の理解者となる

営業が獲得した案件を、制作側と一緒につくっていくPjM。MATCHAでは、営業マンと編集者をつなぐポジションでもある。

「売上つくってきたんだから、文句言わず作れよ」的な関係性では、決していいものはできない(念のため、MATCHAの営業はこんな感じではない)。とはいえ、僕も営業経験があるので、そう言いたくなる営業の気持ちはよく分かる。

でも、営業が受注してこれたのは、制作がいるからこそ。商品の価値を生み出すのは、コンテンツを作る制作側なのだ。売上をつくる営業、価値をつくる制作。それぞれに想いがあり、譲れないものがある。それを理解することも、PjMの大事な仕事だと思う。

3.  相手の大切にしていることをリスペクトする

上の話ともつながるが、相手と誠実に向き合うことは何より大事。

社内でも社外でも、相手が一番大切にしていることはなにかを考え、それをまずきちんとリスペクトする。

営業マンは会社のキャッシュを生んでいる自負があるだろうし、編集者は記事の一文一文の表現にまで気を配っている。代理店は予定通りスムーズに進むことを重視するかもしれないし、クライアントは自分の商品の魅力を正しく伝えたいと思うだろう。

みんな、誇りを持って仕事をしている。だから、相手が一番大切にしていることを軽んじるような振る舞いは、絶対にしてはいけない。リスペクトを持って向き合わなくてはいけないと思う。

4. プロジェクトに愛着を持つ

愛着や思い入れがあるほど、いい仕事ができる。

やっぱり、やらされる仕事よりも、自分で考えて手を動かす仕事のほうが面白い。面白いと思って取り組むプロジェクトには、どんどん愛着も湧いていく。

営業から引き継いだ案件をただこなすのではなく、どうすればより良い企画になるか、どうすればスムーズに制作が進むか、PjM自身も積極的に関与して、”自分の“プロジェクトにすることが大事。それは、プロジェクトにきちんと責任を持つということでもあるし、PjMのあるべき姿だろう。

愛着があれば、やりきることができる。やりきれば、たぶん結果はついてくる。きっとクライアントも満足させることができるのではないだろうか。

5. 余白をつくる

作業マシンにならなきゃいけないときもある、と言ったけど、日々のタスクに忙殺されて疲弊した組織からは、いいものは生まれない。

会社の成長には、目の前の業務を処理するだけではなく、中長期的に価値を生んでいくような取り組みも大切。緊急ではないけど重要性が高いことに取り組むには、リソースの余白が必要だ。メンバーの効率を上げて、余白を生み出すのも、PjMの仕事かもしれない。

MATCHAでも、最近プロジェクト管理ツールを導入したり、色々と試行錯誤をしている最中。ここは僕自身ももっと注力したい領域だ。

信頼されるPjMになろう

僕はまだまだ半人前だけれども、そんなことを意識しながら、社内外から信頼され、MATCHAに貢献できるPjMになれるよう、頑張りたいと思っている。

MATCHAはこの12月で8期目を迎えた。世の中も、インバウンド業界も、そして会社の状況も、目まぐるしく変わっている。上手くいくことばかりではないが、それでも、答えのないコロナという大荒れの海で、MATCHAという小さな船は前に進んでいると思う。

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