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⑧ブランディングスキル

前回の【伝えるスキル】では、日々の生活からビジネスのプレゼンなど、幅広く使えるスキルを学びました。

今回のセッションは【ブランディングスキル】ということで、MUPうさぎクラスのWEEK8です。

結論【商品を売りたいのであれば、商品を売るな】

ブランディングと聞けば難しいと感じる方も多いのではないでしょうか。私もその一人です。飲食業を6年ほどやっていましたが、店舗のブランディングに関して常に悩んでいました。このセッションを学んで、ブランディングというものの考え方がやっとわかりました。

ブランディングがなければ、どんなに優れたサービスでも商品でも売れません。例えば美容師は、5万円取る人もいれば1000円カットの人もいます。このように【髪を切る】という同じことでも49000円の違いがあります。なぜこんなに違いが出るのかがブランディングであり、それをどうやって作っていくかが今回のセッションです。

ブランディングと聞くとモヤモヤしている人も多いと思います。よく、マーケティングとブランディングを一緒にしている企業がありますが、全く違うものです。

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マーケティング・・・・・特定の人にアピール

アドバタイジング・・・・不特定の人にアピール(CM/ビラ配りなど)

PR・・・・・・・・・・・他の人がアピールしてくれる

ブランディング・・・・・相手から来てくれる

これらを実生活で考えたとき、多くの企業がCMや広告など【アドバタイジング】にお金をかけていることがわかります。ただ、その費用対効果は果たして良いのでしょうか。莫大な広告宣伝費をかけてはいるものの、不特定多数にターゲットしているので費用対効果がわかっていないことがほとんどです。また、私たち個人が大企業相手に同じように宣伝しても太刀打ちできません。そこで、ブランディングが大切になります。

ブランディングとは簡単に言うと【自分(商品等)を磨くこと】だと言えます。お見合いを例にすると、鼻毛が出て髪がボサボサで清潔感が無く身だしなみも汚い人は、何度お見合いに行ってもモテませんよね?反対にキムタクくらい顔も身だしなみも整えたら相手に困ることは無くなりますよね?この【整えること】がブランディングです。

ブランディングは大きく分けて4つに分けられます。

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ブランディングが無ければ負のスパイラルに陥り事業は続きません。

どういうことか。どの業界でもよくあるパターンですが、同じようなサービス・商品を提供している同業他社は多数存在し、価格競争を始めます。同じような商品なら顧客は安い商品を選ぶからです。価格競争が行くところまで行き、損益分岐まで下げると次にするのはサービス競争です。サービス競争の次は自社コストの削減利益率の低下PR費削減認知度低下シェア低下価格競争・・・・・と続いていきます。また、接客業においてはサービス競争・自社コストの削減あたりから従業員の不満度が上がっていくでしょう。多くの飲食店で見受けられますが、自社コスト削減で人件費を削りながらもサービスにうるさくなり、従業員が辞めていくパターンです。このようにブランディングが無く、他と同じようなサービス・商品では価格競争に陥り、負のスパイラルにはまり、事業は続きません。

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世の中の設立して5億を超える企業は1.2%。5年続く企業は0.5%。このように100社に1社も残らないくらいの業界ですが、続いている企業はブランディングがしっかりしています。ではブランディングが大切だとわかったところで、もう少しブランディングについて掘り下げていきましょう。

【コーポレートブランディング】

競合を研究し把握することは大切ですが、競合をつくってはいけません。コーポレートブランディングは、〇〇だが〇〇ではないと明確に断言できるものをつくることです。例えばGoogleは何企業でしょう。テクノロジー企業・検索サイト開発企業・プラットフォーマーなど多種多様に出てくるのではないでしょうか。Googleの収入の90%は広告収入です。なので、Googleは広告会社です。しかし、Googleは先ほど多種多様な業種が出てきたように、広告企業だが広告企業ではないと明確に打ち出せています。また、個人店などのスモールビジネスで例えると、〇〇専門店や〇〇特化型はスモールスタートに特に良い例だと言えます。ヘッドスパ専門店やショートカット専門店なども実際にありますが、これらは美容院だけど美容院ではないという良い例です。

【プロダクトブランディング】

ここではワークタイムです。ワークは『シャングリラホテルのカフェラテ』で、もしあなたがシャングリラホテルの支配人だとしたらカフェラテを幾らで売りますか?という問題です。事前に100人にいくらなら買うかを調査した結果、500円100人・750円75人・1000円50人・1250円25人・1500円0人という結果が出ており、コストは1杯300円(販管費込)とします。

多くの人の答え、そして実際にやっているのが多いのは【500円で売る】です。「なぜですか?」と質問したら、「事前調査で500円なら100人購入すると結果が出ている。多くの人に売りたいから。」という答えです。これだと店が潰れるのは当たり前です。明確なロジックなしに【多くの人に売るため】や【周りの店の平均がそうだから】などといった【なんとなく】で金額を決めているパターンが非常に多く、そういった店ほどブランディングが確立されず、他にもある一般的な店になり負のスパイラルに巻き込まれて潰れるといった流れです。潰れないためには、適正価格をしっかりと把握し、販売しなければなりません。

では、どうやって値付けをするか。一番大切なグラフを見てみましょう。

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どのようなビジネスでも一番やらなければならないことは【利益を残すこと】です。上図のグラフからわかるように、このケースでは1000円に値付けすれば利益が残る可能性が高いということがわかります。前述のように多くの人がなんとなく他の平均で値付けしてなんとなく売り上げがたって利益が残らずに潰れていきます。

プロダクトブランディングでは、1000円で50人に売ることに力を注ぎ、500円・750円の層は切り捨てることが必要です。そして、どうやったら1250円・1500円で売れるようになるかに挑戦し続ける、この挑戦がビジネスの楽しさであり、やりがいなのです。単価を上げる挑戦こそが自分磨きにも繋がります。

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渋谷の料亭では5000円の牛丼があります。吉野家に行けば500円で食べられる牛丼ですが、そこに【高級牛肉】【洗練された空間】【完全個室】【おかみさんがテーブルで盛り付け】等・・・、と様々な付加価値がついて5000円になり、食べる側も満足して支払います。ブランディングとはこういうことで、付加価値を伝えたり体験させたりすることです。

【マーケティングブランディング】

次にマーケティングブランディングです。1杯500円以上するスターバックス・1杯100円のマクドナルド、スターバックスは列ができるほど売れていますが、マクドナルドはコーヒーを買う人は少ないです。コーヒー屋とハンバーガー屋だから違うのは当たり前かもしれませんが、本当にそれだけでしょうか?

多くの人は「ブランディングの違い」や「ステータス」や「メニュー」などといった回答です。しかし、ここではもう少しビジネス的な観点からの思考が必要です。

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両社の違いはFC(フランチャイズ)かそうでないかの違いです。FCオーナーは儲けたいので回転率を上げることに注力します。そのために席数を増やして1人当たりの間隔が狭くなり、回転を早くするために固い椅子を置き、店内を明るくする等の戦略をとります。だから500円ではなく100円なのです。マクドナルドの場合は、しっかりとしたマニュアルやノウハウがあるので良いですが、この方法を個人店が真似ても全くダメです。反対にスターバックスはFCをやるとこうなると知っているので、直営店のみです。直営店のみの展開のため、儲けファーストではなく居心地ファーストの戦略がとれます。そのため、席の間隔も広く落ち着いた雰囲気をつくり、長居できるような店づくりにしています。そこに価値が生まれ、500円で売れるのです。

このように、表面上の価格やブランドのみを見るのではなく、どのような内部構造と戦略から、どのチャネルに特価していて、この価格や店舗づくりが行われているのかまでを見ることや設計することをマーケティングブランディングといいます。

【セールスブランディング】

ブランディングとは、商品やサービス以外のもの(付加価値)をPRすることです。商品を売りたければ商品をPRしてはいけません。

わかりやすい例をいくつか挙げましょう。

ヤマハピアノ教室戦略・・・ヤマハはピアノメーカーでもあるので、ピアノを売りたかったのですが、ピアノは高額な商品なのでなかなかポンと買う人はいませんでした。そこで、ピアノ教室をつくり、そこから本格的にピアノをするという家庭に向けて売り始めたところ、これまでよりも売れるようになりました。まさに、ピアノという商品をアピールするのではなく、ピアノ教室をアピールして人を呼び、より買いやすい人に向けてセールス出来たという事例です。

ABCクッキングスタジオ・・・ABCクッキングスタジオもヤマハと同様、料理教室を入り口にして、そこで使うキッチン用品をセールス出来ている例です。こちらも商品は一切アピールしていません。ただ、料理教室を開き、売りたいキッチン用品を使ってもらっただけです。顧客としては料理を習ってキッチン用品も試せるので非常に良い戦略だと思います。

美容室やカフェなども、出来ては潰れを繰り返している業界ですが、商品をアピールするのではなく、例えばインスタが得意な美容師だったらインスタ教室を美容院のイベントでやって人を集めることや、カフェでヨガ教室をイベントで行うことなどをすることで店舗をアピールできます。このように、どこにどのようにセールスを行うかを設計することをセールスブランディングといいます。

最後に、店舗ビジネスにおける付加価値を3つ紹介して終わります。

【空間付加価値】・・・設備投資はかかるが、他にない空間づくりでブランディングができる。

【商品付加価値】・・・使っている食材・シャンプーなどに付加価値をつけること。これも原価が上がるのでコストはかかる。

【サービス付加価値】・・・無料または低コストででき、効果がある。エンターテインメント性で顧客を楽しませる戦略を打つことで、他にまねできないものを作り出せる。

以上、ブランディングについてでしたが、いかがでしたでしょうか?

なんとなくしか捉えていなかったブランディングの道筋が、かなり見えてきたのではないでしょうか。

次のセッションでは【論理思考スキル】。このスキルは掛け算のスキルであり、どんなにスキルをつけてもこのスキルが無ければゼロになってしまうという、最も重要なスキルです。次も楽しみですね!!

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