見出し画像

音は聴くだけじゃない?指板の上に浮き出す!スケールやコードが見えるってなに?

ベースラインを作っていると発想が縛られていき、新しい発想が出にくくなります。それを脱却するにはベースの指板により多くの音が見えるというのがポイントになってきます。

※今回は以下の内容が少しだけ含まれています

https://note.com/tkbass95kyoto/n/n4f09f111b92f?magazine_key=m33ba4889401c
(モードスケールのついて)

https://note.com/tkbass95kyoto/n/n89ec7961e112?magazine_key=m33ba4889401c
(ディグリーネームについて)

指板に音が浮き出てくるってなに?

プロのプレイヤーの人たちはよく”指板に音が浮き出して見える”と言います。しかし、音は目ではなく耳で確認するものです。いったい、どういうこのなのだろう?と思っている人も多いと思います。
”見える”というのは大きく分けて以下のことを意味しています。

スケールやコードの構成音が瞬時に判断できる
指板を見るとスケールやコードのポジションがわかる

なので、”見える”というよりも”理解している”というのに近いかもしれないですね。それもただ、不規則的に音を理解しているのではなく、”コード”や”スケール”といった規則を理解している、というものになります。

しかし、ただ知っているというだけでは音は指板に浮き出して見えてこないです。この場合の理解しているというのは頭の中で

”この曲のキーはGメジャーだからこのCメジャーコードの時はメジャーペンタトニックスケールかCメジャーの3和音や4和音が使い勝手がいいだろうな。じゃー、今回は3和音を使うとして5度の音の前に♭5thの音を入れてアプローチかけて、、、”

という考え方ができるとコードやスケールを理解しているということになります。その上でほぼ無意識的に

”今回のCは3弦3フレットのポジションだから5度の音は2弦5フレットに存在するな”

というのまで理解していると音が見えるに繋がります。これらのことを瞬時に出てくるのが理想ですね。

ここまでみて瞬時に判断するというのが難しいと思う方もいるかもしれません。たしかに、”〇〇弦〇〇フレットに〇〇の音が存在する”というのを咄嗟に判断するのは難解です。しかし、ベースの利点は

形で覚えてしまうことができる

というのがあります。3和音や4和音を形で覚えると、どのポジションで初めても形は同じです。なので、まずは形で覚えましょう。スケールの形とコードの形を手に染み込ませていくと段々と指板に音が浮き出てきますよ!

スケールとコードが見えることの利点

スケールとコードが見えていると様々な利点があります。今回はCメジャースケールを例に解説していきます

まず、ベーシストがよく使うメジャースケールのポジションをあげていきます。

C・3弦3フレット/D・3弦5フレット/E・2弦2フレット/F・2弦3フレット/G・2弦5フレット/A・1弦2フレット/B・1弦4フレット/C(オクターヴ上)・1弦5フレット

これは縦の形で作られたメジャースケールになります。もっともオーソドックスで運指練習に使われたりもします。そして現在やっている曲がCメジャーキーの楽曲だとします。そこでCメジャースケールが指板に見えて入れば出てくるコードが上の7種類(オクターヴは除く)で構成されるというのが分かってきます。もし、Cメジャースケールの構成音ではない音が出てきてもその音が外れている、または意図的に外している、ということも理解できます。音が見えていると

事前にその曲のコード進行が把握できる

ということになります。

ここまでは単音での理解でした。では今度はCメジャーの構成音がメジャーかマイナーか理解しているとどうなるかです。まずはCメジャーのダイアトニックコードをみていきましょう。

CM7/Dm7/Em7/FM7/G7/Am7/Bm7(♭5)

このメジャースケールを覚えて、さらに前章で説明したメジャーマイナーの形を覚えていると楽曲のコード進行への対応力が上がります。

異弦同音でアプローチの幅を増やそう

前章で扱ったスケールは縦のスケールになります。しかし、ベースはボトムスを担当することが多く、低音を必要とする場面がほとんどです。なので、1弦や2弦だと低音成分が薄く聴こえる、音が前に出すぎて聴こえるといった感覚に陥る時があります。CメジャースケールのG.A.Bの音がそうです。2弦、1弦を使っているので場合によっては狙った低音が出せない時もあります。そこで役に立つのは異弦同音になってきます

異弦同音とは異なった弦の同じ音をさします。例えば3弦の解放弦と4弦の5フレットは弦は違いますが、音は同じAの音になります。この知識をスケールで活かすとまた、違った見え方ができます。では、まずCメジャースケールの見方を変えていきましょう。

C・3弦3フレット/D・3弦5フレット/E・3弦7フレット/F・3弦8フレット/G・3弦10フレット/A・3弦12フレット/B・3弦14フレット/C(オクターヴ上)・3弦15フレット

これは横の形で作られたメジャースケールでルートから始まり同弦上にある音で構成されたものになります。このスケールの形も基礎練習などで使われるものです。さらに、1弦や2弦を使用しないので音は太く感じます。

この横のスケールが指板の上で見えるようになると、縦のスケールとは違った音の見え方ができます。

縦のスケールは1弦に向かっていくので、時折アレンジで浮かんだフレーズがうまく使えない時があります。しかし、横のスケールはルートがある弦が常に同じなので弦を動かす余裕があります。なのでより音数を詰めたい時やダイアトニックスケール(モードスケール)でアレンジをしたい時に便利です。

この縦と横が指板の上で見えるようになると、今度はこの2つを混ぜることができるようになります。そうすることによって今まで弦の関係で使えなかった音が出てたり、音の太さを制御できるようになったりと利点が多くあります。

まとめ

今回は音の見方について説明しました。大切なのは

知っている知識を指板の上に落としてみる
スケールの形を覚えたら弾いてみる

この2点になってきます。簡単に言ってしまうと指板の上に音が見えるということは、知っている知識を実用化できるまで落とし込んでいるということになります。

今回の”見える”はコードネームでの紹介をメインにしましたが、そのほかにもディグリーネームでの見方やキーの1度の音(ドに位置する音)からの見方など指板を通して様々な見方ができます。例えばGMからCMのコード進行の時CMのアレンジの考え方をあえて複雑に語るなら(ここは無理して理解しなくても結構です)

”今回のキーはGメジャースケールでここをディグリーの1とみるとCは4度メジャーになり使えるサウンドはCリディアンスケールのサウンドでそこからメジャーペンタの音を抜粋してリディアンはメジャー系だからメジャー3和音を使うと無難にできる。じゃーCメジャーの3和音を1度・M3度・5度の動きにしよう。ただモードのサウンド入れたいから5度にいく前に♭5度のサウンドを入れよう。このサウンドはキーの主音Gから見たらM7度に当たる音なんだよなー。”

となります。しかし、弾いてる最中にこんなに多く考えていると弾きにくいので、本番中や制作中に考えてることはだいたい

”このサウンド気持ちいいんだよねー”

です!笑

ただ、上のことを理解していると”気持ちのいいサウンド”をたくさん生むことができますよ!

【筆者紹介】

土田 航(つちだ こう)
京都でベース講師をやっております。
Youtubeにて弾いてみた動画やレッスン動画掲載中
レッスン生募集中!申し込みはSNSのDMまたはホームページでお願いします!初回レッスン無料!



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?