All Things Must Passの"must"の意味をいまさら考えてみる
ジョージ・ハリスンの名曲で、昔から大好きな曲だが、よくよく考えればここでのmustってどういう意味なのだろうかと疑問がわいた。
mustの基本的な意味としては「義務(~しなければならない)」と「推量(~に違いない)」だが、
「すべては過ぎ去らなければならない」
「すべては過ぎ去るに違いない」
のどちらもピンとこない。
そもそもただ「All Things Pass」だけでも「すべては過ぎ去る」の意味になるのに、なぜmustが付いているのか、ということでいまさらながら調べてみました。
調べたところ「all things must pass」という表現自体を1つのことわざのように紹介している辞書サイトもある("all things will pass"でも同義としている)。
https://idioms.thefreedictionary.com/all+things+must+pass
https://dictionary.langeek.co/en/word/214769?entry=all things must pass
この表現がジョージの曲の前にあったのか、ジョージの曲が浸透したから表現としても浸透したのかまではわからなかった。(いずれにしても検索したときに真っ先に出てくるのはジョージの曲である。)
で、ここでのmustは何を意味するのか。
結論としては「当然・必然」を表すと解釈するのが妥当なようだ。
分かりやすい例として、Collins Dictionaryでは「義務」「推量」に次ぐ3つ目の意味として、
と書いており、例文として、
が挙げられている。
またロイヤル英文法では、
という例文も紹介されている(死関連のばっかり…)。
ただ、そもそもこのような意味を解説していない英英辞書も少なくないから、正直なところ日常的に使われる用法ではないのだろう。
元ネタは「All Things Pass」だった
今回初めて知ったのだけど、この歌の元ネタはティモシー・リアリーの「All Things Pass」という詩らしい。
この詩はネットでも見れるのだが、タイトルだけでなく内容もかなり拝借してる…。
つまりジョージとしてはそのまま「All Things Pass」でもよかったのだが、must つけた方が歌として歌いやすいとか、そんなところだったのかも。
ちなみにこれも初めて知ったが、ビリー・プレストンバージョンでは「All Things (Must) Pass」という、わざわざmustに括弧を付けた表記になっているのも興味深い。
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