ビジネスには必ず賞味期限がある

今回は、ビジネスには、食料と同じように、必ず賞味期限があるという話をしたいと思います。

よく言われる話ですが、中小企業白書によると、『1年で37.7%が廃業10年後まで生き残るのはたった1割』らしいです。

この数値を真に受けて、「起業は怖いので慎重に!」とか、「今ご自身が働いている会社が倒産したり、倒産しなくても、自分がリストラの対象にならないようにビジネススキルを上げましょう!」という、巷で昔からよく言われる話に落とし込むのは嫌なので、ビジネスの賞味期限の話を別の角度から考えていきたいと思います。

私が手がける不動産投資で考えると、空き家再生で、古民家などのボロ物件を安く仕入れて、安く直して高く売るとか、賃貸に回して利回り2〜30%出すみたいなビジネスモデルがあるのですが、これに関して多くの不動産投資家が参入し、書籍も沢山出ていることから再現性が高く、手元にある程度お金を持っていればスタートできるので、今からでも真似して始める人はすごく多い印象です。

ただこのビジネスでは既に沢山のプレーヤーがいて、再現性が高いからと言ってあまり考えもせずに始めてしまうのは危険です。

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日本の人口減少は待ったなしで進んでおり、2040年には15歳から64歳の生産年齢人口は5,978万人となってしまうのです。

ちなみにこのような統計の中で一番信用できるのが人口統計です。というのも1年経てば必ず皆んな1年歳をとり、死んだ人が蘇ったり、年齢が若くなったりしないからです。

そう考えると、人口が減っている中、このままボロ物件を直して利ざやを稼ぐというビジネスモデルが継続して未来永劫稼げるとは思えず、むしろビジネスの賞味期限は近いのではないかと考えます。

ただ、65歳以上の年金暮らしの人の終の住処として住んでもらうとか、人口減少のために移民政策に舵を切る政府の思惑を加味して、外国人に住んでもらうとか、自分でアレンジしてオリジナルを作り、その過当競争の中でも変化をし続けることで、ただ真似するだけでは賞味期限ギリギリだったビジネスモデルの寿命が延びることもあるかもしれません。

今は私のビジネスで例えましたが、業界によってはアレンジの効かない商品もあると思います。そうなると商品自体がバッサリ賞味期限切れになってしまうこともあるので注意が必要です。

希少性が無くなって誰でも再現可能になり、そこに参入する人が増えて飽和状態になってしまうと、賞味期限はかなり近いです。

ダイヤモンドがなぜ高価かというと、希少性があるからです。ダイヤモンドと同じように綺麗な石があっても、それが大量に手に入るものであれば価値は一気に下がってしまいます。

コロナショックでのエネルギー需要の急減で、原油供給が過剰になり、原油を貯蔵するスペースが限界に達し、原油の売り手が、通常とは逆に買い手にお金を払って引き取ってもらうという異例のマイナス価格まで下落したのも同じような理由です。

そうなると、これからビジネスを始める人は、そのビジネスの賞味期限をきちんと把握した上で参入する必要があるのです。

私はUber Eatsのドライバーを先月末から始めましたが、今ではドライバーの数がかなり多くなってきました。今はある程度稼げますが、今後もっと増えるようになれば、自分の思うように稼くことは難しくなるでしょう。

Uber Eatsのドライバーで月に40万円稼いだという記事もありましたが、ずっとコンスタントに月40万円稼げる訳にはいきません。

配送費の単価など、報酬単価はあくまでUber 本社が握っているからです。ドライバーが増えることで、1件あたりの報酬単価を下げられても、ドライバーでしか稼げない人はそれを甘んじて受け入れるしかありません。

65歳が定年だとして、あと何年働かなければならないですか?

今の仕事の賞味期限より長く働かなければならなそうな人がほとんどなのではないでしょうか?そういう状況でも今の会社にしがみついて仕事を続けますか?

前回お話しした、ビジネスにおけるゲームチェンジ今回のビジネスの賞味期限は、ただ今ある仕事に流されて先のことを気にせずに過ごしている人は絶対に意識しておかなければならないことだと思いますので、是非頭に入れて置いて損はないと思います。

それではまた!

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