いろ・めぐり いろ・めくり
霜降
秋が深まりつつも、日差しは強く、朝夕の寒さから日中は半袖でもいいのではないかしら、と思えるほど。
でも、夕方、日はつるべ落としのごとく、夕焼けとともに青い空も深く濃い色になる。
そのグラデーションが美しく、はたと足を止めて眺めていれば、あれよあれよと夜がやってくる。
この鮮やかな青とオレンジの夕焼けは、何て言う色なのかしら、と調べてみれば、「寒露」の柿色以上に不思議な名前の和の色があるではないか。
まずは空の青と夕焼けは「紅掛空色」と言うらしい。別名「紅碧(べにみどり)」とも呼ばれているらしいが、名前だけではさっぱりイメージがわかない。
そしてつるべ落としの夜の世界へと進むころは「瞑色」。
夕暮れ時のほの暗い色、と言うことなのですが、夏目漱石は日没後の竹藪の薄闇としてこの色を表した、と言われています。
SETOUCHI T&K HERBのメインアイテムが「竹」から生まれていることから、夜の竹藪がサラサラと笹を揺らしている、そんな自然の音色も聞こえきそう。
その他にも、この季節をあらわす色には、黄、鼠、青紫、灰など、朝昼晩と移り行くひかりを感じる色がたくさんあります。
こうした日本の伝統色は、いつの間に私たちの暮らしから消えてしまったのか、それともそもそも職人さんのための言葉で、暮らしには関係ない事として、なんだか専門家の人たちのための色になったのかしら。
さて、SETOUCHI T&K HERB発、初noteは、香りのアイテムTOKI-ORI®️の世界観として、毎月の色をテーマに「いろ・めぐり いろ・めくり」として、一年通しての日本の色をいろめくりしてみようと思い、色巡りしていきます。
SETOUCHI T&K HERBは、ひろしま、たけはら、ひめじ香寺、せとうちから生まれた日本の草木(ハーブ)を使った、ノンケミカル、自然に近い状態で育てた植生を収穫しつくられるエシカルハーブブランドです。