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「日輪崇拝・ジツシャ」について 続報

上記のリンクが前提となる記事。

公開から2日後、AさんよりDMにて接触があった。
「ジツシャ」を知っている、情報を持っている、なんでも話すという旨が誤字脱字のやや目立つ文章で何通か送られてきており、切羽詰まっていると感じられた。

その後、神奈川県へAさんを訪ねる。 
その際のやり取りの録音データの文字起こし、及び提供して頂いた画像。


九良川文蔵(以下・文蔵)「あとで抜けや間違いがあるといけないので録音しますけど、大丈夫ですか?」

Aさん「はい」

文蔵「書いてほしくないことは書きませんから、都度ここは伏せてほしいと仰ってくださいね」

Aさん「はい。あ、いえ、全部書いてもらって大丈夫です。全部公開してください」

Aさんは小柄な女性で、挙動や仕草に少し不安や怯えのようなものが感じられたが、視線を手元の方に落としながら穏やかに身の上を語ってくれた。
出生は1992年の三重県津市だが、幼少の頃はいわゆる転勤族で、中学校にあがり父親が転職するまでは各地への引っ越しと転校を繰り返していたという。

Aさん「なので、津市の記憶とかは全然ないんです、母方の実家で里帰り出産だっただけで」

文蔵「なるほど。じゃあ、一番古い記憶はどの土地ですか」

Aさん「あ……えっと……(少し沈黙)……この写真あるじゃないですか、この3枚目の」

Aさん、自身のスマートフォンで上記の記事に掲載した画像を指さす。

Aさん「これが私の一番古い記憶で、たぶん1995年です、札幌なのもそうです。文蔵さん、どうやってこれ見つけたんですか?」

この写真が札幌市内の大学の、とある文芸サークルで刊行されていた部誌のカラーページから引っ張ってきたものであり、その部誌に「オカ研コーナー」があった年に絞ると「1992年から1995年の間の札幌市内」ではないかと推察できたことを説明。
 Aさんは再び沈黙。

Aさん「……私は当時3歳で、父方の実家がある札幌に引っ越してきて、この写真はその大学に通っていた、年の離れた従姉が作った『架空の怪人』です」

文蔵「あ……では、つまりAさんの従姉さんが、『ジツシャ』の正体ってことですか?」

Aさん「いえ、そのときは『ヒマワリ頭』という名前だったんです」

Aさんの従姉が作ったという『架空の怪人』
部誌には『ヒマワリ頭』と称し載せたとのことだ。


Aさん「……それで、夏帆ちゃん……あ、従姉が、次の年の初めには……(30秒ほど沈黙)……行方不明に、なってしまって」

Aさんの呼吸が乱れる。
一度落ち着かせるために中断を申し出る。

文蔵「Aさん大丈夫です? あ、無理しなくても全然大丈夫なので、一旦休憩でもやっぱヤメでも、全然」

Aさん「すみません、大丈夫です、話したいです」

文蔵「ゆっくりでいいので、ほんと……ご無理なさらず……」

Aさん「……はい、ありがとうございます……その、ヒマワリ頭は私が3歳の頃に夏帆ちゃんが作って、翌年に行方不明になってしまって、まだ見つかってない……んですけど、私が最後の目撃者らしくて」

Aさんの一回り以上年の離れた従姉であり、札幌市内の大学に通い『オカルト研究会』に所属していた夏帆さんは、1995年に文芸サークルの部誌の一角を借り、『ヒマワリ頭』と名付けた架空の怪人を掲載。

写真同好会、文芸サークル、オカルト研究会に夏帆さん含む仲良しグループがあったことで、オカ研コーナー以外にも気合いの入ったカラー写真に文章が添えられたページを多く掲載していたそうだ。

翌年2月、父方の実家で夕方に庭で遊んでいたAさんへ、夏帆さんが門の外から呼びかけ「ちょっと出かけてくるね。お母さんが心配してたらアオイちゃんの家に行ってるって言っておいて」と告げて失踪。
夏帆さんは今に至るまで見つかっていないという。

文蔵「アオイちゃんというのは、夏帆さんのお友達ですか?」

Aさん「いえ、夏帆ちゃんの交友関係にアオイという名前の人はいなかったと聞いています。夏帆ちゃんは友達多かったので、近しい名前の人は何人かいたんですけど……」

Aさんが上記の記事をスクロール、2枚目の写真を指す。

Aさん「これは1999年の、新潟市ですね……」

文蔵「1999年っていうと、えーっとAさんはちょうど小学校に上がった歳ですね」

Aさん「はい。その頃から『ジツシャ』が出始めたんです」

文蔵「え、ヒマワリ頭じゃなくて、ですか」

Aさん「はい。文蔵さんすでに調べていらっしゃるでしょう、あの、『ジツシャ』は、少し喋るんです。私、あのとき夏帆ちゃんだって思って駆け寄ったものですから……」

文蔵「あ、本当に、ジツシャが『日輪崇拝のジツシャです』と言ったんですか?」

Aさん「……はい。私たち一家の転勤についてくるようにして、転々とジツシャは現れました」

ヒマワリ頭や夏帆さん、そしてAさんと関連性があるのは確実として、『日輪崇拝のジツシャ』とは結局なんなのだろうか。
幽霊ではないと思う、とAさんは語る。

Aさん「みんな見えてはいるんです。カメラにも写ります。触れもします。でも……なんて言うんでしょう……認識から消えてしまう人がほとんどで」

文蔵「えーっと……見えてて触ったのに、視界から外れると忘れちゃう、みたいな?」

Aさん「はい。で、そうじゃなくても、学校の七不思議みたいにすごく噂になってるのに実際見た子に話すと『あーアレね……』みたいな、そこだけみんなちょっと虚ろになっちゃって怖くて……」

文蔵「ジツシャ自身は、Aさんへ何か干渉してくるとかはないんですか」

Aさん「害はない、と思うんですけど……前の記事の最後の方に書いてある首がどうのっていうのも、たぶんこれは尾ひれです。ていうか、ジツシャはいつどう見たって必ずこっちを向いているので、回り込んで付け根を確認するとか、難しいんじゃないかな……でも……でも、あの……」

Aさんが震えながら深呼吸をし、しばし黙り込む。

Aさん「……最初は頭はヒマワリでも夏帆ちゃんの服とか体格で出ていたんですけど……だんだん他の人の姿になるようになって……当時の担任の先生とか……友達とか、叔母とか……いろいろと……」

文蔵「あ、ジツシャについての書き込みで性別に関しては男女どちらの情報も散見されたのはそういうことなんですか」

Aさん「……はい。でも、あの、私が中学校に上がると同時に一切現れなくなっちゃって……」

文蔵「それが書き込みや噂が途絶えた2005年ですね」

Aさん「……はい。結局なんなのか分かんなくてごめんなさい、私本当に、ジツシャのことでこうやって会話できたことなくて……怖かったのもそうですし、居ても立ってもいられなかったんです……」

文蔵「あ、みんなそこだけ虚ろになっちゃうみたいなこと仰ってましたもんね……」


どうしてかここで録音が終了になっている。
Aさんと昼食を摂ったあとに個人で横浜市内を観光をして帰宅。
正直なところ「興味はあるけどこれ以上出てくるものあるかな」と思いつつ編集作業中、AさんからDM、画像添付。

色々と、なるほどなぁ、と思ってしまった。
Aさんからの画像にはノイズが多く分かりにくい部分はあるが、日が暮れる前に帰るべきだったろうか。


AさんからのDM



Aさんから送られてきた画像。


当日の私の服装。

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