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AIコトハジメ

今月(2021年5月)、日本のAI技術を加速させ産業の競争力を高めるべく活動している日本ディープラーニング協会(JDLA)にて、AIに関するカリキュラムがひとつ追加されました。AI For Everyoneです。

AI for Everyone
https://www.jdla.org/news/20210506001/
※こちらは資格試験ではなく講座ですが、有料版で受講すれば修了証を取得できるようです

これまでのG検定、E資格にこれが加わることで、さらにすそ野が広がる講座・資格の構成になっています。

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最初のハードルが下がることで自分事として一歩を踏み出される方が増え、G検定やE資格取得者のさらなる増加につながり、ひいては国内のAI技術活用が進むといいですね。
一個人としては、AI活用によって産業が活発になり景気が良くなることに期待しています。

ぼくがAI技術にたどり着くまでの流れを少し

AI技術の活用に関して話を進めるにあたり、ぼくがAIに関する情報に触れ一定の知識や技術を身につけるまでの流れに少しだけ触れ、立ち位置を示しておきます。おおむね下記のようなものでした。
赤文字は要点箇所です。興味のない方は読み飛ばしていただいても構いません。

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非エンジニアの身でE資格までとりましたが、運転免許で言えば仮免を取ったくらいの感覚です。クルマでも路上に出れば予期せぬことが起こります。AI技術の活用においても実務上は解決すべき様々な課題が表出するものと思いますが、それを考えるうえでのスタート地点に立ったくらいのものかもしれません。
とはいえ、いろいろな可能性を秘めたAI技術活用のスタート地点に立っていることへの喜びは感じています。

AIへの2つの携わり方

AIの技術を身につけたうえで現実の世の中でどう生かしていくかについて、大きく2つの方向性があると考えています。

 ① 新たなAIの処理を開発する
 ② 既存のAIの処理を活用して事業を開発する

新しい手法の理解を深めるためにarXiv(論文が公開されているサイト)を見る機会もありますが、スタート地点に立っただけの自分には先端過ぎてマジ別世界です。ベースとして必要となる知識や技術も、学習に必要なマシンスペックも、何もかも違います。
このような点からも、上記の①が先端企業やアカデミックな世界で競い合う熾烈な戦場のようなところであると感じます。

そんな新しい技術を横目に見ながらも、ぼくらは②のほう、すなわち既に確立している技術をベースに実際のビジネスにどう活用できそうかを考えるところを主戦場にし、技術の社会実装を模索することになるのでしょう。
たとえば、画像識別や物体認識などはすでにかなり高い精度が実現しています。これらは適用範囲の広い技術のためすでに活用事例も多数見られますが、まだまだ活用用途はあるはずです。

AIを事業に活用するアイデアを出してみます

最近流行りのDX(デジタルトランスフォーメーション)という文脈においてAIはとても有効なものですが、DXもAIもあくまでも手段であり、技術をどう生かしていくかは事業の根本に立ち返って考える必要があります。
普及が広がりつつある技術の活用においては、流行りに飛びつくカタチで手段が目的化しがちです。

ただ、言うは易し。知ったようなことを言っても実際にはなかなか難しいものです。そこで、具体的な例をあげてアイデアを出してみます。テーマは「ボルダリングジム」。

下記のようなニーズがあると想定し、AIを用いたサービスの案を考えてみます。

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顧客が潜在的に求めていることを実現し、それによって企業の目の前の課題も改善する。結果として根底にある企業の理念を実現する方向に向かう。デジタル技術を活用してそんなサービスが実現できるとよいですよね。

そのような考えで、サービス案を考えてみました。題して「全録ボルダリング」。

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現ユーザーの顧客体験を高め、それをポテンシャルユーザーの目に触れる形でリーチを広げていきます。

ボルダリング自体の盛り上がりという理念を重視するなら、サービスを他のジムと共同開発することも考えられます。同じユーザーがジム横断で紐づけられることで顧客体験価値はさらに高まります。複数のジムを利用しているユーザーの情報をもとに他のジムを利用している人を招待するような集客ができれば、短期的なマーケティングに生かすことにもつながります。(ジムAとジムBを利用している人が多い→ジムBのみ利用者がジムAの集客ターゲットになる)

また、利用者(人)と課題に紐づいてすべての動画が残されていることで、様々な追加アイデアも出てくるかもしれません。
課題ごとどれくらいの人が登っているのか、その完登率はどうかなど、ジム側がルートセットする際の参考データも集まるでしょうし、課題に壁の傾斜や標準的な手数などの属性情報を付与すれば、利用者ごと得意・不得意などの分析もできるかもしれません。

実際のサービス開発においては

この全録ボルダリングというアイデアは、「こんなサービスがあったらいいな」というぼくの願望が起点になったもので実現性を深く考えずにまとめたものです。ボルダリングに馴染みの無い方にはピンとこないかもしれません(スミマセン ^_^; )。

「動画を残してほしくない人の存在」など実際にはいろいろな課題があると思いますが、いわゆるUX(ユーザーエクスペリエンス)の向上によって企業側の収益向上を図る流れで組み立てており、参考になるのではと思います。

なお、冒頭で触れたJDLAのカリキュラムに沿った見方をすると、このような企画を進めるうえで下記のようなプレイヤーが活躍することになるのかもしれません。

 ・アイデアを出し企画としてまとめる役割:G検定ホルダー
 ・技術的な課題をあげ解決を図る役割:E資格ホルダー
 ・企画にかかわる上記以外のすべての人:AI for Everyone講座修了者

何においても専門技術を深く理解するのは大変です。ただ、AIを活用する企画を考え進める役割を担うG検定において技術の深いところの理解は必須ではありません。その一歩を踏み出すための足掛かりとして、まずは無料でも受けられるAI for Everyoneを覗いてみてはいかがでしょうか。AIの概要がわかると、見える世界が少し変わるように思います。

※ぼくは実務上AIを活用したサービスローンチを経験したことがあるわけではないので、サービス企画を進めるうえで正しくない部分があるかもしれません。その点をご了承のうえ参考にしていただければと思います。







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