タカハシケンジ

東京都在住。アンケートやデータの分析を中心にマーケティングの世界で暮らしてきました。い…

タカハシケンジ

東京都在住。アンケートやデータの分析を中心にマーケティングの世界で暮らしてきました。いまはフリーで仕事をしています。必要に応じExcelVBAやSQL、Pythonなどを使ってデータとマーケティングをつなぎます。 登ることが好き。山・クライミング。

最近の記事

マーケでも現場百遍

刑事ドラマでたまに聞く話でよね、「現場百遍」。解決の糸口は事件の現場にあるはずだから、丹念に現場を洗うべきだというお話です。 話としては理解できますが、一般人のぼくたちにはあまり関係ない捜査に関する定石で、実感もありません。ただ、ぼくが仕事でかかわるマーケティングにおいても、現場=生の情報はおろそかにするべきでないと考えています。 「現場」と「俯瞰」のバランスぼくの現在の本業はマーケティングデータの分析です。「膨大なデータをうまく調理することでいかに実態を正しく理解するか

    • アップデートの重要性

      2年前に受験し合格していたE資格を、この夏再度受験しました。 先週その結果が出まして、何とか合格してホッと胸をなでおろしたところです。ただ、結果を見ると得点率が結構低下していました。 (結果がメールで届くんですが、その本文中にて出題分野別の得点率=正答率が通知されます) まぁ進歩のスピードが激しいディープラーニング領域にも関わらず、この2年間知識や技術をほとんどアップデートしてこなかったので、その結果がきれいに結果に表れたということでしょう。 学ぶこと=アップデートする

      • 「慣れ」の話

        残業って慣れますよねこれまでのキャリアの中で大きな会社に所属していた時には、会社側で過剰労働を防ぐための管理や業務を分散する組織編成がなされていました。そのような環境では残業時間が過剰にならないよううまくコントロールされます。 ただそんな状況下でも、業務が重なり帰りが遅くなることがあります。時計を見て「え!?もう21時?(早く帰りたい)」などと感じたのを思い出します。 一方、ベンチャー企業に所属していた時期には、仕事量があまりに多く終電を気にしながらパソコンに向かう時期が結

        • ECにおける分析の位置づけ

          これまでにいくつかの企業様のEC運用支援をしてきましたが、振り返ってみると、その最初の段階が「似た状況だったな」と感じる企業様が多いように思います。EC運用における分析の位置づけが明確でないことがそのひとつです。 言葉を替えるならば、「分析結果をどう活用するか」が不明確なまま分析に入っていくようなイメージでしょうか。 ECにおいて活用すべき「分析」が従来の商売に無いことが不明確であることの要因なのではないか。いろいろ考える中で、そのように理解するようになりました。 EC=

        マーケでも現場百遍

          CanとNeedが揃うことの強さと弱さ

          以前Will-Can-Needという、仕事をする上での土台ともなる要素について書きました。 その時と少し配置は違いますが、3つの要素を図示してみます。 相互の違いや関係を少し考えてみると、Willは動機が内側にあり、Needは動機が外側にあることに気づきます。CanはそんなWillやNeedを「仕事」という形で実現する手段のような位置づけと言えるのかもしれません。 今回はこれらのうちのCanとNeedを中心に、思っていることを書いてみます。 CanとNeedが固まるこ

          CanとNeedが揃うことの強さと弱さ

          強みってなんだ?

          仕事をしていると「自分の強みを活かしなさい」みたいな話をよく耳にします。 ゲームみたいに"パワー"とか"技術"とか"スタミナ"なんて設定値があればわかりやすいんですが、現実世界で具体的に考えるとよくわからなくなってきます。 仕事をする中で話にあがる「自分の強み」っていったい何なんでしょうか。 ぼくはマーケティングとか分析まわりの仕事に長く携わってきているので、自分の強みについて尋ねられた時には「マーケティング戦略を念頭においた効果的な分析設計が強みです」みたいな話をすること

          強みってなんだ?

          分析結果を見て「へぇ」で終わらないために

          分析機能を持ったツールが広まるにしたがい、わかりやすい、きれいなアウトプットを目にする機会が増えました。システムと連動し手間なく結果を見ることができ、便利な世の中になったものだと感心するものです。 ただ、ぼくが会社員の頃に自社開発していたツールもそうでしたが、「きれいにまとめられている」ことがかえって仇となり、実際には「へぇ」や「すごい」などの感想で終わることも多いように思います。 どのようなツールでも、何らかの考えに基づいてダッシュボードなどの設計がなされているはずです

          分析結果を見て「へぇ」で終わらないために

          やるべき仕事と、やりたい仕事

          会社勤めをしていたころ、部下の「やりたいこと」と「得意なこと」に少々ギャップを感じたことがありました。その後のキャリアをどう形成するのがよいのかを本人とよく話していたのをおぼえています。 そのころあれこれ考える中で整理に用いていた3つの視点が「will、can、 need」です。 これは、人材育成やキャリア構築の文脈で使われるポピュラーなフレームワークです(willでなくwant、needでなくmustが用いられるようなケースもあります)。 ぼく自身はそれまでマーケティング

          やるべき仕事と、やりたい仕事

          個人にも必要な3つの役割「LMF」

          組織として仕事を進めるうえでの役割について、「リーダー」「フォロワー」という見方をすることがあります。「リーダーシップ・フォロワーシップ」といった文脈で使われることが多いでしょうか。 またそれとは別の観点で、組織には「マネージャ」という役割もありますね。いわゆる管理職。部署をまとめる役職です。管理職が担う役割として「リーダー的機能」「マネージャ的機能」のように説明されることもあります。 ぼくは、組織における人的機能を、これらをまとめたリーダー・マネージャ・フォロワー(LMF

          個人にも必要な3つの役割「LMF」

          100個出しきる

          問題解決の方法はいろいろあります。書籍もたくさん出ていますし、検索してもいろんな方法が目に留まります。古くから利用されているものもあれば、最近考えられたものもあります。世の中には解決のためのテクニックがいろいろあるものです。 そんな「テクニック」も有効だとは思いますが、ぼくは100個出しきるという地道なプロセスが、実は肝になってくるのではないかなと考えています。(これもテクニックのひとつだと言われればその通りなんですけど) 問題解決とは難しいもので、ある問題の原因として別の

          企業の外にいるから見えること

          マーケティングに関わる仕事を複数の立場で経験してきた中で思うのですが、事業を行う会社の中で仕事をすることと、外で(支援企業側で)仕事をすることの双方に、アウトプットの質を左右しうる「やりやすさ」と「難しさ」があります。 事業を営む以上、外に出せない機密情報があります。個人情報のように法で縛られているものだけでなく、基本的に事業に関わるほとんどの情報は社外に出すことに慎重になります。 そのため、ぼくが現在メインで行っている分析業務で言えば、データを制限なく扱うことができること

          企業の外にいるから見えること

          簡単で難しいフレームワーク

          以前下記の記事でSTPに少し触れました。 マーケティング界隈で仕事をしていると、会話の中で割と頻繁にフレームワークの単語が登場します。そうです、今回タイトル画に記載したような「仕事できる人(&仕事できそうに見える人)」が使ってるやつです。昔流行った(?)キャズムや、世の中の変化にしたがって増殖するAIDMA、AISASの類もそれらのうちのひとつと言えますね。 このフレームワーク、うまく使うと複雑な問題がスッと簡単に理解しやすくなるものです。 関係する情報が多岐に渡る場合は

          簡単で難しいフレームワーク

          ボウリングに見る、KPIマネジメント

          ボウリングをやっている人に話を聞く機会があって知ったことなんですが、得点をあげていくうえでスパットというものを活用することが大切らしいです。 遊びでボウリングに行ったときにこのスパットを見た記憶はありましたが、そこまで大事なものとは思いませんでした。 ボウリングの望ましい投球を分解して考えるならば、こんな感じでしょうか。 得点はあくまでも最終的な結果です。ストライクを取れたのも、狙いたいポイントにボールが入ったのも、ボールが狙い通りの軌跡を描いたのも、結果と言えます。 ボ

          ボウリングに見る、KPIマネジメント

          WEB普及下におけるマーケティング

          マーケティングの定義に見る、役割とその変化昔マーケティングを「勉強」していたころ、その冒頭でアメリカマーケティング協会の下記の定義を読み合わせしたのを憶えています。 "マーケティングとは個人と組織の目的を満足する交換を創造するために、アイデア、商品、サービスに関する概念形式、価格、プロモーション、チャネルを計画し統制するプロセスである。" (下記リンク先のページより引用) いろいろな要素が羅列されているため当時もピンとこない印象がありましたが、マーケティングの幅広い適用

          WEB普及下におけるマーケティング

          分析担当者のうまい活かし方

          一般の世の中と同じように、ビジネスの現場にも流行り廃りがありますよね。いまだとDXがとても盛り上がっています。ここまでこの言葉が飛び交うと「流行ることで潤う業界があるんだろうな」などとうがった見方をしたくもなりますが、うまくDXを実現できたら事業が時代の変化を乗り越えていくための力が得られるのは事実なんだと思います。 DXについて考えること=データや技術を生かして事業をどう発展させられるかを考えることは、データ活用の技術や方法論について理解したうえで、事業についての発想の転

          分析担当者のうまい活かし方

          親子リモート定例会のススメ

          自由に移動しづらい世の中になってしばらく経ちますが、そのきっかけで離れて暮らす両親と親子間リモート定例会的なものを始め、これまで1年くらい続けています。 「定例会」とは言っても、ただ毎週1回WEB会議のシステムを利用してリモート接続をするだけです。それでただただ他愛もない会話をしているんですが、それがなかなか悪くないものだなと思うのです。最初の動機は両親の体調を心配してのことでしたが、どうやら大丈夫そうだとわかってからも何となく続けています。 不思議なもので、直接会うより

          親子リモート定例会のススメ