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【一幅のペナント物語#63】「奥多摩」にある特撮の聖地のペナント発見♪

このところ特撮好きをnoteで晒している僕ですが、今回のペナントはその特撮とゆかりの深い場所のものになります。もともとガチのペナント蒐集家というわけではなく、別の目的のための研究用に大量箱買いしたのをきっかけに沼ったのですが、このペナントは基本はやらない"一本釣り"で入手したもので、それだけ「欲しい!」と思った一幅です。


◉ペナント観察:地味な施設がメインビジュアルという不思議

黄色のベースに赤い筆記体で書かれているのは「Okutama(奥多摩)」の文字。その下には同じフォントで「National Park Chichibu Tama」と小さく書かれています。1950年(昭和25年)に国立公園指定され、2000年(平成12年)に秩父多摩甲斐国立公園にアップデートされているので、その間に製作されたものでしょう。左側に描かれているのは奥多摩湖にある小河内ダムに付随する「余水吐水門」という設備(以下リンク画像参照)。右側の橋は同じく奥多摩湖にかかる「峰谷橋」かと思われます。奥多摩を象徴するダムのペナントだとしても、オーソドックスな堤体部分ではなく、地味な水門部分がメインビジュアルに選ばれている不思議なペナントです。

◉吐水門は、特撮好きの聖地

もしかしたらダムマニアの方からすると、この施設が小河内ダムを象徴する構造物だという話もあるかもしれないのですが、東京都のサイトなどを見ても吐水門については特に目立った扱いになっていませんし、名所紹介サイトでもスポットが当たらないような施設なんですよね。

ただ、僕のような特撮好きには、その特徴的なシルエットから「おおっ!」と反応してしまう場所なんです。こちらの画像を見ていただきましょう。

『仮面ライダー』第1話「怪奇蜘蛛男」より

キャプションで既にネタバレしましたが、1971年(昭和46年)から放送スタートした特撮『仮面ライダー』の第1話で、クライマックスの舞台となっているのが、この吐水門なんです。小河内ダムは仮面ライダー以外にも様々なドラマなどのロケ地になっていますが、往年の特撮ファンが最初に思い浮かべるのは『仮面ライダー』のような気がします。この場所は、2023年(令和5年)に公開された『シン・仮面ライダー』でもオマージュとして使われているので若い特撮ファンにも有名だと思います。最近もYouTubeでいろいろな方が聖地巡礼レポなどを上げておられるようです。

『シン・仮面ライダー』より

◉ペナントと特撮という類まれなる交差点

というわけで特撮好きの端くれである僕も、ネットでこのペナントを発見したときにズキューンときてしまったわけです。同じものをコレクションされている方ももしやおられるかもしれませんが、同じ理由でゲットされた方は日本広しと言えど僕ぐらいかもしれません(もし「私もだ!」という方がおられたらご一報くださいw)。当時のペナント製作者が、なぜこの図案にしたのかは、もはや知る由もありませんが、「ふふふ、吐水門をメインビジュアルにしたら仮面ライダー好きのチビッコたちに人気爆発して売れまくっちゃうかも」という狙いがあったとしたら、面白いなあと妄想を膨らませてしまう一幅でございました。こんなふうに「なんでこれを図案にしたの?」というペナントは他にもあるような気がするので、発見したらまた紹介したいと思います。

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