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首都高のミッシングリンク

首都高速道路は、ビルの合間を縫うように作られ、場所によって用地が確保できない場合は、川を埋め立てたりして用地を確保しました。

銀座周辺などは、道路左右の壁として使われているものは、元々護岸だったといいます。橋も、川が流れていた当時からかけらられていたものが多いのが特徴的な区間です。

例えば、中央区役所前にある、新富町はというとこんな感じ

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これは、計画通りに道路が作れた例であるということは、逆のパターンも存在するといえます。

さまざまな理由がありますが、経済成長期の公害問題が関係していることが多いと言われます。1970年にあったマスキー法などがその例でしょう。

そこで、首都高は本当はどう作りたかったのか、調べることでどこに道路を通したかったか、考えてみることにします。

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出典:東京都市計画高速道路調査特別委員会

主に、現在ミッシングリンクとされるのは、関越道です。計画では10号線という作られていない路線があります。また、北千葉空港線は現在、国道494号線として整備されていたり、第三京浜も、環八・玉川インターで終点とならず、2号・目黒線に接続されていたり、1号・上野線が東北道へつながている、神田川上空を通る内環状計画など、首都高には遺構がたくさん残されていることがこの図だけでも読み取れます。

現在「3環状9放射」として国土交通省がいう路線のほとんどが、この中に含まれています。

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出典:国土交通省より

12時方向に途切れているのが、1号・上野線で、7時の方向、途切れているのは2号・目黒線です。11時の方向に延びるのは5号・池袋線となっています。

これらの計画は、あまりにも時間がたっており、以前取材した時には「資料はありませんでした。」や、「計画はあるものの、凍結されたまま」といった話が多く、曖昧なまま放置されていて、あまり重要視はされていない様です。また、代替路線として、C2・中央環状の完成などの影響もおおきでしょう。

では、代替路線となりうるであろう、この赤く記される未開通区間は、今どうなっているのでしょうか。

調べてみたところ、C3・外環(東京外かく環状道路)は、HPがありました。

http://tokyo-gaikan-project.com/news/progress.php

2020年10月の作業風景の写真もアップロードされており、現在工事が進んでいるように見受けられます。計画は、大泉と、東名高速の世田谷区の玉川よりを結ぶ予定で、トンネルを掘るシールドが両側からトンネルを掘り進み、井の頭周辺で貫通する予定になっています。

それに合わせ、川崎市を縦貫し、アクアラインまで高速道路をつなげたいという計画もあるようです。

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※川崎市のHPより

工事中の東名-大泉間、アクア-東名間、いずれもトンネルでの計画をされているので、前線繋がったとすれば、世界でもトップクラスに長いトンネルとなり、C2・中央環状線の大井-池袋までのトンネルより長く、日本一長いトンネルになる壮大な計画です。


では、圏央道はどうなっているのでしょうか。

神奈川区間の釜利谷(かまりや)-東名間はというと、横浜環状南線・横浜湘南道路として計画され、圏央道の一部となる予定としています。

進行状況を確認したところ、NEXCO東の発表では、横浜環状南線が建設協議~工事中、横浜湘南道路が工事中となっています。

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関東は平野のイメージがありますが、ここには朝比奈峠など、山がちな地域で、物流的にも東京方面を強く意識した県の方針が長年あったため、道路整備が数十年遅れているとされる地域です。

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山がちで、幹線道らしい幹線道が無いことがわかります。

千葉側は、2024年度の松尾横芝-大栄JCTの開通をもって、全線開通となることを予定しているようです。

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これらの道路が完成して、人口分布や、道路需要が変らなければ、概ね完成と言っていい道路網になるでしょう。

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