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2024年9月 印象に残ったエンタメ 【映画編】

エンタメの振り返りは久しぶりになります。9月は沢山のエンタメを楽しめた分、振り返りに時間がかかってしまいました。この作品についても感想を書きたいし、あの作品の振り返りもしておきたい。良き作品に多く出会えたからこその贅沢な悩み。最近のエンタメは本当にすごいですね。

今回は、映画編とドラマ編に分けて9月に印象に残ったエンタメを振り返ります。私が感じたこと、楽しんだ時間を皆さんと共有できればと思います。映画編とドラマ編、両方とも楽しんでいただけたら幸いです。それでは、映画編のスタートです。




・映画「熱烈」

プロのダンサーを目指す少年が、あることをきっかけにプロのダンスチームに加入。仲間たちと共に全国大会の優勝を目指す、という中国の映画です。中国の映画にあまり馴染みはなかったのですが、評判の良さやブレイキンの興味から鑑賞。結果、めちゃくちゃ面白かったです。

スポ根の王道なストーリー展開でありながらも、その中で描かれる登場人物たちの人情、チームで育まれていく友情、主人公やコーチが抱える葛藤にとにかく感動させられました。そして何より、完成されまくっているブレイクダンスのクオリティがすごいです。大画面で躍動する激しく美しいダンスは情熱に溢れていて、圧倒されました。彼らのダンスには彼らの人生そのものが詰まっているように感じました。

ダンスと人間のパワーを「熱烈」に感じられる大傑作。本当に素晴らしかったです。どこかで配信が始まったら沢山の人におすすめしたい!


・映画「侍タイムスリッパー」

口コミから公開劇場が一気に増えた話題作。第2のカメ止め、と呼ばれているようです。現代の時代劇撮影所にタイムスリップした幕末の侍が、己の剣の腕を活かし「斬られ役」として邁進する、という映画です。

この作品、とにかく時代劇への愛とリスペクトがすごいです。時代劇が完成するまでの全てがこの映画に詰まっている。役者さんやカメラマン、脚本家、アクションを指南する方など、様々な方々の尽力によって時代劇が作られていることを改めて感じました。時代劇、昔のようにもっと注目されるべき。

役者陣によるアクションも素晴らしかったです。最後の決闘は本当の斬り合いのようで、斬られて主人公が死んでしまうのではないかと思いました。この殺陣の様に緊張する瞬間もありましたが、コメディのシーンも多く、そのバランスだったり、「そうくるか!」という面白い裏切りを大いに楽しむことができる映画だと思います。


・映画「あんのこと」

アマプラに追加された、ということで早速観賞。軽い気持ちで観ていい映画ではないということはわかっているつもりでしたが、鑑賞後ちゃんと重たい気持ちになりました。救いが1つもない、本当にヘビーな映画でした。

更生の道を歩もうとする杏の前に立ちはだかる様々な壁。クスリの誘惑、金を無心する毒親、DV、コロナ、信頼していた大人からの裏切り… 一難去ってまた一難。壁にぶち当たる度に苦しむ彼女は、手に入れた大切な日常を自分で壊してしまった。これだけ辛いシナリオの映画が実話をもとに作られている、ということもまた辛い。

主人公の年齢と自分の年齢が近い、という点も辛さを感じるポイントでした。彼女の人生をエンタメとして消費できている自分は恵まれた存在である、ということを強く感じました。難しい役柄を丁寧に演じた河合優実が素晴らしいです。


・映画「ミッシング」

いい表情…!

こちらも鑑賞後に重くのしかかってくる映画… 娘が失踪した夫婦を中心に、疑いの目を向けられる弟、夫婦を取材するテレビマンの葛藤を描きます。

大切な家族が突然いなくなった悲しみは相当だよな、と感じました。石原さとみの表情は作中でやつれていて、感情や行動のコントロールも効かなくなっている。夫婦は辛い立場であるはずなのに、いつまでも進展がない状況やネットの誹謗中傷やいたずらに追い詰められていく。そりゃ心壊れちゃうよ…

辛い展開が続いたからこそなのか、最後のシーンには少しだけ希望を感じました。娘を思い続ける母の愛。人からもらった優しさに報いたいという思い。人のことを想う気持ちを大切にしたい、と強く思いました。しんどい展開が多かったですが、最後には観てよかったと思える映画でしたね。


・映画「ぼくのお日さま」

吃音をもつ少年がスケートの練習をする少女に魅了され、共にスケートの練習に励む様子を素晴らしい映像美で描いた作品。様々なシチュエーションのシーンがありましたが、どの場面も本当に映像が素敵でした。カップヌードルの自販機、久々に見たなぁ。

素敵な映像が映し出す3人が過ごした時間の多幸感に魅了されました。3人が心から楽しそうな様子に感動したし、こちらまで嬉しくなった。だからこそ、その時間が長く続かなかったことが本当に寂しかった。多感な時期の子どもが、周りの大人に対して複雑な感情を抱いて、それを上手く言語化できない様子にめちゃくちゃ共感しました。90分で得た満足感は高く、人間の光と影を素晴らしい温度感で描いた良作だと思いました。


・映画「ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ」

ベビわるのシリーズの3作目。3作目にして100点満点の作品が誕生したように思います。これ、めちゃくちゃ面白かった!今のところ今年ベスト。

今作では敵の殺し屋として池松壮亮が参戦。彼が本当にすごかった。これまでの敵にはなかった殺気と迫力。いつどこから出てくるかわからない恐怖感。そして、人間の技術とは思えないほどに洗練されたアクション。殺し以外は不器用な感じも、仲間に対する倫理観の無いところなど、彼の人間性も本当に良くて、すっかり冬村かえでのトリコになってしまいました。ベビわるの世界観を保ちつつ、最強の敵役としての最適解を叩き出した池松壮亮。すごいなぁ、池松壮亮。ぼくのお日さまとの温度差がありすぎて(笑)俳優さんってやっぱりすごいなぁ。

冬村の登場で緊張感が高まる時間が多かったからこそ、ちさととまひろの日常のシーンがものすごく鮮やかでした。バカンスを楽しんだり、一緒にケーキを食べたり。この2人の絆が「尊い」というものなのでしょうね。新たに味方についてくれた2人の殺し屋のキャラもいい感じだったし、1と2の流れを汲んだ演出もあって、ベビわるファンは必見の内容でした。大満足。ベビわる最高!



以上が9月に印象に残ったエンタメ【映画編】になります。

↓ ドラマ編はこちらから ↓


それにしても、今年の邦画は粒ぞろいですごいなぁ。この先公開が控えているものですと、「正体」や「十一人の賊軍」あたりが楽しみです。心からの興奮や感動を味わえる映画に出会えるといいな。

それでは今回はこのあたりで。最後まで読んでいただき、ありがとうございました!また次の記事でお会いしましょう。

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