「負の」SDGsを考えよう
SDGsプレゼンに物申したい
最近、新規事業案とかのプレゼンを見てると、やたらに目に付くのがSDGs。なんかこういうの。流行ってますよね。
最近こういうの見ると、ちょっとイラっとしてしまうんです。「SDGsって書いとけばいいんでしょ?」という臭いがプンプンしてくる。そういうプレゼンを見て、イイねと思う人はどういう人なんでしょうか?
だいたい、どんな製品・サービスでも、17の内1つくらいなら、SDGsに貢献してると無理やり主張できてしまうのではないか、と思います。そういう取ってつけたのではなく、もっと真っ当に取り組んでる人たちを応援したい。
「負の」SDGs
SDGsプレゼンって、いい面しか主張しない傾向にあるのかなと思います。
例えば「2.人や国の不平等をなくそう」にはちょっと貢献するけど、「14.海の豊かさを守ろう」に対して酷く悪影響がある場合。プレゼン資料には「2に貢献」とは書くけど、「14を犠牲」とは書かない。
私は、「貢献してます」というアピールを聞きたいわけではなくて、みんなでゴールに近づきたい。アピールの内容ではなく、行動の中身をよくしていけたら良いな。
「14を犠牲にした」のを分かってるのに書かないのは不誠実。それはそういう人たちなので、とやかく言っても仕方がないことかもしれない。
けど、もしも犠牲になった何かに考えが及んでいないのであれば、少し思考のアプローチを変えてみればいいんじゃないかな、と思った。
負を意識する
なにかいいやり方はないのかなと思って探してみたけど、見つからなかった。仕方ないから、とりあえず自分のプロジェクトで使うために作ってみた。
SDGsの正負をセルフアセスメントするためのシートです。17のゴールに対して、「積極的に貢献」「強いて言えば貢献してると言えなくもない」「あまり関係ない」「ちょっと悪影響かも」「すごく悪影響かも」の5つから選択するようにしてる。(下の例は、自分の身近なある事業を思い浮かべながら記入してます)
自画自賛なのだけど、このシートを自分で使ってみたら、思いの外、効能があった。
そもそも「どのSDGsに貢献してるかな?」という気持ちで17のアイコンを眺めていると、関係なさそうなアイコンは読み飛ばしてしまう。17個なにがあったかすら、覚えていない。このシートだと、17個全部評価しなきゃいけないから、強制的に全部考えさせられる。
あと、負の側面がないかを考えていると、分からないことが多いのに気づかされる。恥ずかしながら、自分のプロジェクトが何にどう影響しているのか、ちゃんと答えることができない。
例えば電子基板を作ったとして。
「その材料はどこからくるのだろうか?」「材料採掘で自然にどれくらい影響してるのだろうか?」「どんな人たちがその作業に当たっているのだろう?」「それはその人たちの生活にどう影響しているのだろう?」
このシートを埋めていく過程で、そういうことに想像を巡らさざるをえなくなるのだ。
ふと、先日エシカル協会の末吉さんの講演で聞いた話を思い出した。キリマンジャロの氷河が減少して、現地の子供たちがなくならないように祈っている、という話。そういうことに一人一人、思いを馳せることが、素敵な未来への道なんだろうかな、と思った。
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