3の巻『神頼み』
**私は日頃から、男の子に間違われる事が多かった。
服装もボーイッシュな格好が多く、髪型もショートカットだったからだろうか。**
私は、めんどくさかった。
『男の子?』
『や、女の子です』
『あっ、ごめんなさいねー』
っていう、一連の流れ。
女子トイレに入ってても、
女子更衣室にいても。
感じる、、
あの人多分、言ってくるな感。
凄い見てるなー。
あー、近づいてきたー。
はい、来た。
毎回こんな感じ。
ある日、母にその事を真剣に相談した。
"何で男の子に間違われるんだろう?"
きっと、母は私がまぁまぁ真剣に悩んでいるとは
思ってもいなかったのだろう。
母は私に、こう言った。
"お腹の中にちんちん忘れてきたからよ"
あぁ。なるほどね。
私の悩みは解決した。
本当は男の子になる予定だったけど、
産まれる時に、お腹の中にちんちん忘れてきたみたい・・・
だからか。じゃあ仕方ないよね。
私は母に頼んだ。
"ちんちん返して"って。
母の返答は、まさかの"無理"。
どうやら母が言うには、お腹の中で溶けて
どこかに行ってしまったらしい。
そうか………
でも、このままでいる訳にはいかない。
小さいながら、一生懸命考えて、私は決めた。
"ちんちん取り戻そう"って。
この日から、私の神頼みが始まった。
毎晩、寝る前に空に向かって神頼み。
"私のちんちん返して下さい"
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